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会議番号:3525 開催期間 2018年12月14日- 12月21日
今回の入管法改正で外国人労働者の受け入れは拡大することになりましたが、「出稼ぎ」だけではなくという意味を込めて、長期定住者としての「移民」も受け入れますか、という問題提起をしました。いまのところ約6割がイエス、4割がノーという投票結果です。 「移民」の公的な定義がないこともあって、「もろりんさん」からは「例えば外国人TVタレントや飲食店経営などで長く日本にいる人も含みますか?」という質問がありました。タレントや料理人は専門性、技能性で認められた在留資格を持っているはずですから、日本で長く暮らしているのであれば、すでに「移民」のなかに入っていると思います。 日本で働いている外国人は約128万人ですが、その内訳は、「専門的・技術的分野」(ビジネスマン、研究者、教員、料理人、タレントなど)、「留学生」、「技能実習生」、「身分に基づく在留資格者」(永住者、日本人の配偶者、日系3世など)で、「長期にわたる定住型の移住者」という定義では、かなりの人たちがすでに「移民」に入っていると思います。 実際、日本で永住権を得ている人は70万を超えているのです。今回の改正は、「特定技能」を持つ人に新たに在留資格を与えるもので、専門性や技術性を要件にしている現状と大きく変わらないように見えますが、「特定技能1号」で受け入れる14業種をみると、介護業(5年間で6万人)、外食業(同5.3万人)、建設業(同4万人)などで、いずれも人手不足が深刻な業種ですから、雇う側からすれば、必ずしも「技能」にこだわっているのではないでしょう。この人たちがすぐに「移民」になるわけではありませんが、「現在の日本(主に経済面)を維持する目的での、定住型の移住者受け入れに賛成」(kyoko004さん)という意見が出てくるのも頷けます。 世界を見渡せば、資本だけでなく労働力も地球規模で移動する時代ですから、「日本でも移民があるのは前提として考える必要がある」(Jerrybさん)ということでしょう。カナダに移住して10年という「shachikさん」は、その体験をもとに「日本人固有主義にこだわらず、視野を広げ柔軟に対処するのが良い」という意見です。とはいえ、労働力不足で移民を受け入れた英国やドイツなどで、社会の受け入れが不十分で、貧困や差別、テロなどの社会問題を引き起こしているのも事実です。「まさん」は「ザルとしか思えない制度のままだと、移民も他の人達も不幸になるのでは」と、懸念を表明しています。 「共生」という言葉だけでは、移民の増加に伴う社会問題を改善することはできません。まさに受け入れる側の覚悟が問われているわけで、「たまたま違う国に産まれた国籍の人を同胞として迎えるというのが大事」(mira220さん)ということだと思います。 労働力の需給からみれば、人手不足は賃金上昇に結びつきますが、外国人労働力がふえれば賃金水準は下がるおそれもあります。「人手不足で倒産してしまうからというのは経営者の怠慢でしかない」(Nobusanさん)という意見は当然ですね。とくに介護業は慢性的な人手不足で、今回の外国人労働者の受け入れ業種に指定されましたが、人手不足の最大の原因は賃金の低さです。政府は介護保険制度を見直すなかで、介護の賃金を少しずつ引き上げています。外国人労働力が介護業の人件費の抑制につながるなら、現在、介護業で働いている多くの日本人をさらに苦しめることになりかねません。 「mira220さん」は、「欧米以外は下にみるような態度が官民共にあるうちは反対」と述べていますが、低賃金など待遇の悪さが指摘されている技能実習生の仕組みがどれだけ日本の評判を落としているのか、今回の改正案をつくった人たちは知っているのでしょうか。外国人労働力の受け入れ態勢が良い国には質の良い労働力が、受け入れの悪い国には質の悪い労働力が入ってくるのは自然の流れです。技能実習生の制度を温存したままで、「特定技能」をかぶせるというのは、納得できませんね。世界的に先進国は労働力不足です。「外国人に日本を『選んでもらえるか』どうか」(Futachanさん)という指摘に、大丈夫だと答えるには、法的な整備を含めた環境整備が必要だと思います。 「人手が足りないと言いますが、すぐ外国人という前に、元気なシニアがたくさんいます。仕事をしたい女性もたくさんいます。彼らを活用した上でさらに足りないならば移民受入れを考えてもいい」(まめちゃこさん)という問題提起を考えてみましょう。政府の試算では、この5年間で不足する労働力は145万人で、今回の改正で見込む労働力の増加は34万人ですから、まだ100万人超の労働力不足です。女性やシニアの労働力を活用したうえで、足りないなら移民の受け入れを考えるのか、女性やシニアを活用すると同時に移民を考えるか、という選択です。女性やシニアの潜在力をどう評価するか、移民とからめて議論してみましょう。ふるって意見をお寄せください。 ★高成田議長の過去の円卓会議より・自民党総裁選、安倍首相の続投がいいですか?・平昌五輪。朝鮮半島の平和と安定につながりますか?・東北産の農林水産物。食べていますか?
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