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会議番号:3531 開催期間 2019年02月15日- 02月22日
今年の年頭所感で「戦後日本外交の総決算を果断に進める」と述べた安倍首相にとって、北方領土問題の解決とそれに伴う日ロ平和条約の締結は最重要課題なのでしょう。しかし、国民の間に広くその情熱が高まっているとは思えません。「解決策ありますか?」という問いに、「イエス」が4割に対して、「ノー」が6割という回答は、解決策の難しさだけではなく、いま何としても、という必然性が私たちには思い当たらないからではないでしょうか。 北方領土を「実効支配」しているのはロシアです。まずはロシアがその気にならなければ話になりません。プーチン大統領の狙いは、「にしひがし」さんが指摘するように、「日本の資本を借りて、交易の安全性や航路、環境の保全に取り組む」といった経済的な実利を得ることでしょう。地球温暖化で北極海航路の展望が開けてきたこともあり、オホーツク海やベーリング海の沿岸開発に日本を引き入れたいという願望はあると思います。その点では、ロシア側にも「交渉加速」のメリットが出てきているのかもしれません。 一方の日本側はどうでしょうか。「kyoko004」さんは、「基本的には、北方領土を取り戻したいというよりも、ロシアと良好な関係を築き、その関係を基にある国に対抗していく、というのが政府の思惑」だという見方です。「ある国」とは中国だと思いますが、中国をけん制するには、ロシアと手を結ぶという戦略はあるかもしれませんね。日米中の“三国志”ではなく、ロシアを加えた“四国志”で考えるのは大事ですね。 こうした日ロ双方の戦略的な思惑が一致すれば、妥協点は出てくるかもしれません。しかし、この円卓会議に参加されたみなさんが考えているのは、それだけでなく、「北方領土」にかつて暮らしていた日本の島民、そして今暮らしているロシアの島民のことです。「シンゴパパ」さんは、「少なくとも、現在の住人が強制的に移住させられることなく、以前の住人が希望に応じてそこに住むことが可能となる仕組みが考えられないか」と提案しています。「黒船」さんも「戦前の日本人の島民は、現在居住しているロシア人島民を追い出して、そこに戻りたいと思っているのでしょうか、それとも共存を望むのでしょうか」と問いかけ、「新旧島民の気持ちを大切にしたい」と語ります。こうした視点を大切にしなければ、本当の「解決」にはつながらないでしょう。 「ゆいたんパパ」さんは「力ずくで奪われた領土を力ずくで奪い返す力がない以上、あえて解決しないで膠着させておく方が国益である」と言います。「解決しないことが解決策」というのは、言いえて妙かもしれませんね。「やっちゃん24」さんも「このような困難な問題を世界情勢が不安定な今、早期解決に向けて大きな議題に乗せ取組むものではない」と、前のめりになりそうな政府にくぎを刺しています。 「ayaPa」さんは、「もともと日本のものだった」という主張や元住民の思いだけではなく「世界を納得させられる」理由が必要だと言います。それには、「blueberry53」さんが示した「日本が進めてきた平和外交」がかなめにあるかもしれません。「共同利用を含め世界に新たな領土返還交渉の在り方を示してほしい」と述べていますが、これが実現すれば、それこそノーベル平和賞でしょう。 さて、4島にせよ2島にせよ、外交による交渉で返還を得ようとすれば、経済協力という名目で相当な負担を迫られることになると思います。そのあたりを心配する納税者も多いと思います。領土返還のコストについて、みなさんはどう考えますか。「北方領土問題、解決策ありますか?」にイエス、ノーでお答えの上、ご意見をお待ちします。★高成田議長の過去の円卓会議より・移民の受け入れは、賛成ですか?・自民党総裁選、安倍首相の続投がいいですか?・平昌五輪。朝鮮半島の平和と安定につながりますか?
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