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会議番号:3553 開催期間 2019年07月12日- 07月19日
気象の変化で不調がある方は1日目の時点で66%となっており、辛い症状を訴えるたくさんの投稿をいただきました。 この週末も雨や曇りの地域が多く、日照時間も短く気温も低いので、海外から一時帰国中のmicro-macroさんだけでなく、職場でも外来でも、風邪気味、倦怠感などの訴えが多く聞かれます。 今回の投稿では、気圧の変化による不調の訴えが最も多く、雨が降る前、低気圧や台風が近づく前の頭痛(sirahiroさん、じゃすみんさん、まさん)に悩まされている方が多いようです。また、めぐっちさんの娘さんや上司の方のように喘息やメニエール病の方も気圧の影響を受けることが多いようです。雨の日の頭痛に関しては、『古事談』に平安時代の花山天皇が原因不明の頭痛に悩まされる日々を送っており、特に雨の日に痛みがひどく、頭が割れるようで辛く苦しかった、というような記載がつづられており、昔から気象による不調があったことがわかります。 頭痛に関しては、起こった日時、どのような痛みか、どれくらい続いたか、吐き気は伴ったか、光や音に過敏になったか、天気はどうだったか、寝すぎはなかったか、月経サイクルのどの時期に起こったか、などを記録しておくことが大切で、その上で天気のみが原因かどうかを見極める必要があります。吐き気を伴ったり、光や音に過敏になったりする場合は片頭痛の可能性もあり、通常の鎮痛剤が無効なケースもあります。天気による頭痛と思っていても、sirahiroさんのように他の病気の除外目的でMRI検査などを受けておくことは安心につながります。 もともと片頭痛持ちの方が気圧の変化で症状が悪化する原因としては、気圧の変化による交感神経の興奮が原因と考えられているので、sirahiroさんが行なっているように毎日1時間歩くなどの適度な運動や、りさきさんのように18時前に夕食を取るなど、規則正しい生活をして自律神経を整える習慣を心掛けることが大切です。 また、気圧の変化による痛みの原因として、「正常な組織は気圧が低下すると、細胞内の水分を血流中に排出して圧力を調節するが、病的組織では調節が上手くできず、そのために細胞内に水分が貯留して内圧が高まり、周囲の正常組織との間に圧力の差が生じて痛みが生じる(生気象の辞典)」という仮説があります。そのため、検査データなどに異常はないものの不調の訴えがある場合は、私は積極的に漢方薬を活用しています。中でも、身体の水をさばく作用のある漢方「五苓散」が低気圧時の頭痛に効果を示すことが多いです。また、月経前には黄体ホルモンの影響により頭痛やむくみが出やすくなりますが、五苓散は、月経前症候群としての頭痛・むくみにも効果を示すことも多いです。特に、舌をベーっと出したときに、舌の周囲が凸凹している場合(舌歯圧痕といいます)は、漢方医学的には水を溜め込んでいる状況と判断され、五苓散が効果的です。私の患者さんでは、天気予報をみて、あるいは、ご自分の月経サイクルを考慮しながら、上手く五苓散を活用しながら、体調のコントロールを図っている方もいます。倦怠感や胃腸がすっきりしないなどの症状を伴えば、半夏白朮天麻湯なども有効です。 すっきりしない天気は、体調だけでなく、simasimaさんやしのんぬさんがいうように気分にも影響を与えます。日照時間の短さも影響しているかもしれませんが、おがわさんのように「症状をウォッチしつつ、あまり無理せず梅雨明けを待つ」のも一つの方法かもしれません。 今回は、気象の変化の中でも、特に気圧の変化に関する投稿を多くいただきましたが、これから梅雨が明ければ、暑い夏が待っています。Hongqiaoさんからは「猛暑時の腰のだるさ」の訴えがありましたが、暑さや気温の変化による不調、気象だけでなく、職場環境による温度の変化による不調などについても、多くの体験や対策の投稿をお待ちしております。★講演会 「男と女の更年期~人生100年時代、更年期をどう乗り切る?~」 2019年9月28日(土)13:30~16:00 グランシップ(静岡市) 鈴木美香さんが登壇! 「女性の更年期」について講演します。 ★鈴木美香さんの近著、発売中!「フローチャート女性漢方薬 とくに女性には効果バツグン!」 (新見正則・鈴木美香:著)★鈴木議長の過去の円卓会議より・相談できる婦人科医、いますか?・更年期について、学んでいますか?・女性ホルモンについて、学んでいますか?
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