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会議番号:3666 開催期間 2021年11月26日- 12月03日
このところ連日のように石油価格の動向がニュースでも取り上げられていますから、価格の動向が気になるという回答が9割近いというのもうなずけますね。直近のニュースでは、コロナウイルスの新しい変異株オミクロンの感染拡大によって経済活動が鈍化するのを心配して世界の株式市場で株価が下がり、国際市場での原油価格も大幅に下落しました。石油が投機商品であることを見せつけた価格の乱高下ですが、その背後にある世界の動きを考えていきたいと思います。「石油産出国・環境保護・コロナ・エネルギー安全保障等、石油だけでもかなり複雑なものが影響しあっている」(地球交響曲さん)ので、このパズルを解くのも大変です。 日本のガソリン価格は、国際的な原油価格の上昇を背景に昨年11月ごろから値上がりに転じ、今年9月以降は、円安も加わって高騰しました。「他の物価と比較しても、突出して値上がりしている実感があります。買いだめや買い控えのしにくいものですので、なるべく運転しないようにするほかありません」(Penguinさん)という状態ですね。石油は産業の血液ですから、影響は「自動車だけではない」(おがわさん)わけで、昭和の石油ショックによる物不足を経験した私は、「不安をあおるような噂に踊らされないよう、冷静に考えて行動したい」(同)という姿勢に同意します。 今回の値上がりの原因は、コロナからの経済回復による消費国のエネルギー需要増に対して、産油国が増産しないためです。COP26など脱炭素の流れに対する産油国の“報復”のようでもありますが、残された石油資源を小出しにしながら稼ぐという戦略でしょうから、今後も石油の増産を期待することはできません。その点では、「今後も石油の高騰が見込まれ、生活用品から食品まで至る所で値上がりが始まる」(le petit princeさん)という覚悟は必要でしょう。 一方で、脱炭素の動きも加速化していますから、日本のような石油消費国が再生可能エネルギーへのシフトをはやめれば、原油価格の変化に一喜一憂することもなくなります。いまは「過渡期」(DiamondBarさん)であり、「産油国と石油消費国の力関係、産業構造などが大きく変化していく始まり」(同)と見る必要があります。 日本政府は、米政府に同調して国家備蓄の一部を放出して供給量をふやすとともに、石油価格が一定の価格を超えたら元売りに補助金を出して価格を抑制する政策を打ち出しました。備蓄の取り崩しは放出する供給量には限りがありますし、補助金にいたっては、消費者がガソリンや灯油を買うのは元売りではなくガソリンスタンドからですから、どちらの政策も大きな効果は期待できません。「政府は何を達成したいのか全く見えない」(Michelle Sunnyさん)という見方に私も賛成します。 ガソリン1ℓを買うと、ガソリン税が地方税を含め53.8円、石油税が2.8円かかり、そのうえに販売価格に10%の消費税がかかっています。こうした税の仕組みをみれば、「確実に生活者の支払総金額を減らす方策として、ガソリン代に入っている税の一部を下げるのがよい」(同)という提案が出てくるのももっともだと思います。だいたい、ガソリン税はもともと24.3円、地方税が4.4円で、現在の税額は道路整備という理由で暫定的に上乗せされたものです。元売りへの補助金よりもガソリン税の減税のほうが消費者の助けになるのは明らかです。「消費者に還元されるかの担保もなく、石油元売りに補助金を出すのは、全く理解できない」(シンゴパパさん)の指摘する通りだと思います。 脱炭素という大きな流れを見ずに、米国や大手企業の顔色をうかがうような政策を出して、「やってる感」を示すというのは、国民のための政治とは思えません。「支持率のために政策を立てる政治家にはうんざり」(めぐっちさん)と、叫びたいですね。 ということで、石油という投機商品の価格に左右されるばかりでないエネルギー政策をこれからどう進めていく必要があるのか、考えてみたいと思います。「石油価格、気になりますか?」という設問への回答とともに、具体的な提案をお寄せください。お待ちします。
★高成田議長の過去の円卓会議より
・自民党、変わると思いますか?
・震災から10年、教訓を生かしていますか?
・米中貿易協議、注目していますか?(2019年12月)
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