働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3040 開催期間 2010年09月06日- 05月07日
今日も、投稿有難うございます。「 I statement で語ることで、責任が発生する」というnoriariさんのご指摘は、コギ・リンさんの、I statement で話そうと思ったら、「根拠を持って言えることが何もない」とがく然とされたという体験と一致しますね。ここは、とても大切な点です。I statement で語ることが「私・私……」という主観的になる、自己中心的になるのでは、という懸念を持たれる方がいる一方で、kurikoさんのように、I statement で語ることで、客観的にとらえられるようになった、という視点もあります。 ここは日本語の特徴を考えて、使っていく必要があります。I statement とは「私」を主語にする、「私」をつけて話すことだけではありません。「私の体験・私の視点に限定して話す」。「限定して」がポイントです。たとえば、次の文章はI statement ですか? 1) 「私は、●●議員は辞めるべきだと思う」 2) 「働くお母さんなら、みんなそう感じていると、私は思います」 3) 「●●さんは、●●なところがダメだと、私は思う」上記は、どれもI statement ではありません。 1)の場合、「私は」で始まっていますが、中身は「●●さんは、辞めるべき」と他人が主語になっているからです。ではこれを、どう変えたらI statement になるのか。正解は「私は、●●議員に辞めてほしいと思っています」、です。ちょっと、ドキっとしませんか。「彼・彼女が辞めるべき」と、実は他人を主語にした発言した時と、自分自身を主語にして、彼・彼女に辞めてほしいと思っています、と気持ちを、そのまま表現することとの違い。わかりますか。発言の責任を持った時に緊張する瞬間です。 2)の 「働くお母さんなら、みんなそう感じていると、私は思います」を、I statement にすると、どうなるでしょうか。「働く母の一人としての、私個人の考えです」とか「働く母としての私の体験です」など、自分一人のこととして、話す。「みんなそう感じている」かどうか、何のデータもないからです。 3)は、1)同様に、文中に他人が主語になっている文章をはさんでいるだけですね。ですから、 「私が、●●さんだったら、●●をすると思う」とだけ発言すれば、相手を評価、批判しないで、自分の体験を分かち合うことができます。 私たちは、互いに「私は赤が好き」「私は緑が好き」「私は黄色が好き」という、多様なI statement に触れた時、初めて全体像が見えたり、「もう一度、白紙に戻して、選び直してみよう」という気持ちを持てるのです。それは、昨日話した通り、これが基本マナーだからです。批判、批評、攻撃をしない。「~すべきだ」は禁句だと思って、まず自分自身の発言に意識を向けてみるといいかもしれません。 私たちは、一人ひとり、貴重な出会いと体験を重ねながら生きています。それぞれの人に、それぞれの視点がある、唯一無二の存在です。だから、I statement で語り始めるということは、自分自身の考え方や体験を、日々整理し続けることになり、それによって、自分の存在意義も明確になっていく、と私は考えていま す。では、来週月曜日(13日)に掲載される投稿・コメントが、今回の円卓会議の最後のディスカッションです。POKOさんの「自分の考えをみんなに伝えることは苦手」というところを、最後に考えて行きませんか。「自分の考えをみんなに伝える」には、どんな方法があるでしょう。なにに気をつけ、どのようにすると、上手くいくのでしょうか。良い事例、悪い事例、または、質問をお寄せ下さい。 週末にも投稿していただけるので、たくさんのI statement お待ちしています!
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