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会議番号:3066 開催期間 2010年11月29日- 01月15日
1日目より、ややNOの投票が増えています。これは、プライバシーの問題を正面から議論したことによるのでしょうか。 NOのにゃおんさんから、「様々な角度からの議論と公開を求める」というご意見や、「国家管理には反対」という意見が届いている一方で、賛成のyama-chanさんからは、「真摯に国民に向きあい、説明をすることで実現可能」という意見が見られます。 政府が早く具体案を作って国民的な議論を行うことの重要性は全く同感です。私は3年間にわたって、番号制度に関する提言を世の中にしてきましたが、やっと政府が動き始めた、というのが正直な実感です。 さてyama-chanからは、「番号の導入により、どのような税制改革が行われるかが重要」という意見も寄せられました。そこで今回は、諸外国が番号を導入して、どのような国民サービスを行っているかということを見てみましょう。 新たな政策の第1は、ばらばらな社会保障制度・税制を整理統合した新たな制度を作ることが可能になるということです。キーワードは、「給付付き税額控除」という制度で、中所得者には減税(税額控除)、課税最低限以下の人には給付を行うものです。子育て支援や勤労インセンティブを向上させる効果があり、ほとんどの欧州諸国で導入されています。この制度は、将来消費税を引き上げる際の逆進性対策としても使えるので、極めて有益な制度です。 もうひとつ、「記入済み申告制度」が可能になります。これは、北欧諸国で始まり、先進各国に急速に広がりつつある制度です。雇用主や金融機関等の第三者から提出された情報に基づいて、税務当局が納税者の所得金額や源泉徴収税額を申告書に事前に記入した上で納税者に示し、納税者が記入内容を確認することで申告が終了する仕組みです。 従来、申告内容のチェックに使っていた資料情報を、納税者の申告支援のために活用することにより、納税者の申告書作成事務を大幅に緩和することになります。納税者の負担軽減を主目的としたこの制度は、政府(徴税機関)と国民との関係・ありかたを改めて考えなおすものといえましょう。将来的には、e-taxと組み合わせた自己申告制度への転換も可能になります。 このように、納税者番号の導入により、国民利便の向上につながる税制は数知れません。政府はこのことをもっと国民に説明することによって、番号導入の議論を掻き立てる必要があるといえましょう。 このような国民に必要なサービスを始めていくために、番号制度をわが国に導入する、ということに対して、皆さんはどう考えますか? これが今日の問いかけです。
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