イー・ウーマン（ewoman）

新酒の季節ですね。今年、私が楽しみにしているのは、山梨県北杜市須玉町増富という集落で栽培した酒米から仕込んだ純米酒です。農薬も化学肥料も使わずに栽培しました。
 
田植えや稲刈りをしたのは、丸の内にお勤めされている人たちでした。この増富という集落は、過疎・高齢化が進んで、かつて農地だったところの2/3以上が耕作放棄地になり、農村の風景が失われつつありました。
 
3年前から、三菱地所がCSR活動としてこの集落で活動を始めました。都市と農村の人はお互いを知らないので、まずは交流を通じてお互いを知ろう、そして、一緒に活動することで“都市も農山村もお互いに元気になる社会”を築きたいといいます。
 
耕作放棄地を開墾し、10数年ぶりに棚田を蘇らせました。私も、開墾や稲刈りに参加しましたが、草木が生い茂っていた放棄地が、金色の稲穂が揺れる田んぼに変わる様は感動的でした。

     

10数年ぶりに蘇った棚田。左：開墾前　右：開墾後

この場所は、「えがおつなげて」というNPO法人が2003年から活動を始め、都会からのボランティアや、企業との協働で耕作放棄地4ha近くを再び農地に復活させてきました。農村と都市の交流で、社会的な課題が改善したのです。
 
とかく、農山村は過疎・高齢化で、そこには魅力のあるものは何も無いと言われてきました。けれど農山村には、美味しい空気や水、たわわに実る農産物や森林があります。農山村らしい景観は私たちを和ませてくれます。山に行けば春には山菜、秋にはキノコ、野草も色々あります。暮らしの技をもったおじいさんやおばあさんもいます。そして、何より自給したり、お互いが助け合う暮らしがそこには未だあります。
 
これらはいずれも豊かな資源、豊かな暮らしであると思います。私は東京生まれの東京育ちで、田舎がないのでそう思うのかもしれません。が、だからこそ、農山村のモノ、コトや人が珍しくて、感動の連続なのでしょう。
 
最近、こうした都市の人と農山村の人が交流し、地域の資源に新たな価値を吹き込み、地域を元気にする活動が増えているように思います。
 
あなたは農山村と都市の交流に参加したいですか？
参加してみたい方はどんな交流を望んでいるのか、すでに参加している方はどのような交流をしていますか？
参加したくない方や興味が持てない方はその理由について教えてください。
 
 


『アグリ・コミュニティビジネス　―農山村力×交流力でつむぐ幸せな社会―』を出版しました。