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会議番号:3086 開催期間 2011年03月21日- 03月28日
被災された方からも貴重なご意見をいただきました。地震だけでなく原発や風評被害についての意見もあります。ありがとうございます。あまりにも被害が甚大でかつ広範囲であるため、支援もなかなか届かずにもどかしく思われている人も多いでしょう。 災害後の心の問題としてPTSD(外傷後ストレス障害)という言葉をよく耳にします。PTSDの症状としては、1)再体験、2)回避、3)覚せい亢進があります。今回の災害で避難所にいる方々は、連日の余震や現状を目の当たりにし続けることで「再体験」を、また安心できる場所に「回避」することが難しく、常に緊張状態が続く、すなわち「覚せい亢進」の状態にあります。ただし、PTSDは、出来事から一定の時間経過後、安全な場所にいても3つの症状が見られることで診断されるものです。 一方、不安や抑うつなどの精神疾患が発症するには大きく分けて4つの要因が複雑に絡んでいます。1)生まれ持った要因、2)親子関係を主とした養育環境、3)思春期までの対人関係の要因、4)偶然遭遇した要因です。今回被災した皆さんは、極めて重大な4番目の要因を持つことになります。 被災した方の中では、それ以外の3要因にさしたる問題がない人が多数である一方で、一部にはすべての要因を持っている人もいるのではなかと思います。すなわち、その後にPTSDやうつ病などを発症しやすい人がいて、いかにそのような人に気づいて、早急に支援対策を行うかが重要であるということになります。 どなたでも不眠、倦怠感が強い、緊張感が強いなどの様子は程度の差はあれ見られるものですが、特にそれが強いことに加えて、災害に遭遇する以前から上記の3要因を持っている人は、手厚い支援が必要であると言えます。 支援策としては心身ともに安心できる環境を確保することが重要ですが、残念ながら容易には出来ません。まずは心の居場所を確保し、過緊張状態を軽減することからはじめるべきでしょう。 「声をかけあい、話す」「今に集中する」「無理をせず身体を休める」「手を取って温める、傾聴する」「行動する」などの意見をいただきました。「人と話す」ことは多くの方が実感されているようですが、被災地に入って支援にあたる人は、傾聴することに努めて下さい。不用意に災害の話をすると再体験を繰り返すことになります。 手を握る・軽く肩をたたき合うなどのスキンシップや簡単なリラックス運動、呼吸を整えることなどで緊張を解くことも有効かもしれません。不眠や不安が強ければ、早めに内服薬を飲んだほうがよいでしょう。 直接被災されなかった方にも、さまざまな不安が高まっていると思います。私も軽い地震酔いの症状がありました。次回は、原発および風評被害、地震酔いなどについて取り上げたいと思います。ご意見をお待ちしています。
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