イー・ウーマン（ewoman）

ようやく、と言っていいかどうかわかりませんが、菅首相が辞め、新しい総理大臣が誕生しました。民主党政権になって2年になったばっかりだというのに、3人目の首相です。

首相の座のたらい回しはいかがなものか、という議論はここでは棚上げにしましょう。東日本大震災からの復旧・復興、原発事故の収束にもめどすら立たない現状では、とにかくこの内閣に頑張ってもらうしかありません。すでにかなりの時間が空費されています。

菅政権と大きく違う点は二つ。一つは民主党内をまとめられるかもしれない布陣になっていること、もう一つは自民党、公明党との三党合意（民主党の政策の部分見直し）によって少なくとも震災復興と原発事故については野党の協力が得られるであろうこと。

ただ不安もあります。党内融和は人事的にはできたと思いますが、政策はどうでしょうか。とくに増税は微妙な問題です。さらに自公との協力も第三次補正までは見えていますが、来年度予算はこれも微妙な情勢です。来年9月には民主党の代表選もあります。さらに再来年7月ごろには参院選、そして8月末までには衆議院総選挙をやらなければいけません。選挙が近づけば、政策が人気取りの道具になりがちです。

課題はいっぱいあります。復旧・復興はもとより、景気、為替（円高）、成長戦略、社会保障改革、財政再建などなど。どれをとっても重要で待ったなしの課題です。どれを優先するかを決めることこそ政治家の役割です。

さて皆さんは、崖っぷち民主党が選んだ野田政権に期待していますか。期待すると答えた方は、何を期待するのか教えてください。そして期待しないと答えた方は、その理由は何なのか教えてください。1週間よろしくお願いします。

• 2011.09.05
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹