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会議番号:3120 開催期間 2011年10月03日- 10月10日
皆さん、2日目も活発なご意見、本当にありがとうございます 投稿コメントを拝見して、多くの方が、病気の流行状況の把握をしたり、周囲の感染症情報に気を配っている、とのことで、とてもすばらしいことです。さらに、受診時には、病状の経過を医療機関に提示できるような準備をされている方も多いようですね。これらは、医療機関と良い信頼関係を築き上げるだけでなく、効率がよく、さらに精度の高い医療を受ける手助けにもなります。 2日目のコメントにも書いたマイコプラズマ肺炎の診断法について付け加えさせてください。一般的な診断は、聴診と胸部レントゲン検査の他に、血液でマイコプラズマ抗体を測定することです。 しかし、この血液中の抗体検査が非常に診断を難しくすることがあります。抗体は、マイコプラズマが感染した後、すぐには上昇しません。発症後早期に抗体検査をして、たまたま、抗体が上昇していれば診断がつきます。しかし、抗体が上昇しておらず、でもマイコプラズマ肺炎を疑ったときには、さらに1~2週間間隔をあけて再度抗体の上昇を確認しなければなりません。さらに、マイコプラズマ抗体の結果が判明するにも、数日の時間を要します。最近では、血液中の抗体を数時間で簡易に判定できる迅速診断キットも登場していますが、さまざまな要因で偽陽性(マイコプラズマ肺炎ではないのにマイコプラズマ肺炎と診断してしまうこと)が起こりやすいことから、判断を難しくする場合があります。 マイコプラズマ肺炎には確立した治療法があります。基本的にポイントは2つです。抗生物質による原因療法と、咳などの臨床症状に応じた対症療法です。対症療法は、多岐に渡り「これ」といった正解があるわけでないので割愛させていただきます。マイコプラズマ肺炎に効果のある抗生物質は、マクロライド系、テトラサイクリン系、そして、ミノサイクリン系です。ミノサイクリン系の抗菌作用は強いですが、乳幼児の歯や骨の発育を阻害する副作用があるため、6歳以下にはマクロライド系を第一選択とします。小児科や耳鼻科の先生方は、マクロライド系をマイコプラズマ肺炎以外にも処方することがありますので、皆さんも御存知の方が多いと思います。 しかし、一方で、抗生物質の頻回な使用により、最近、マクロライド系耐性マイコプラズマが散見されています。そのため、抗生物質を内服しても十分な効果が出ない場合、例えば、解熱しない、咳が徐々に悪化するなどでは、抗生物質の他剤への変更や入院などの必要性も出てきます。 抗生物質治療で重要なのは、内服期間を守ることです。入院すれば主治医に治療を任せればよいですが、注意しなければいけないのは外来治療です。マイコプラズマ肺炎治療開始後、抗生物質の効果があると数日で解熱し咳も改善してきますが、基本的には7日~14日間程度、長期間の抗生物質治療が必要です。 そこで、皆さんに3日目としてお聞きしたいのは、処方された内服薬の内服時間、内服量、そして内服期間を守っているかどうか、14日間など長期間の抗生物質を処方されたとき、先生に内服期間の確認をしているかどうかということです。抗生物質の効果で速やかに解熱した時、早めに抗生物質をやめたり、症状が良くなると「飲み忘れ」が多くなることもあるのではないでしょうか。 3日目も、活発なご意見を、宜しくお願いいたします。
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