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会議番号:3187 開催期間 2012年08月31日- 09月07日
たくさんのメッセージをいただきありがとうございました。 前回は「業務効率」についてのお話をしましたが、最後は「長期の在宅勤務」を「節電」の視点でお話したいと思います。 昨年の東日本大震災以来「節電」の必要性が高まり、さまざまな節電対策が実施される中、「テレワーク(在宅勤務)」もそのひとつとして注目されています。一方で「会社の電力は節電できても、個々の自宅での消費が増えるので節電にならないのではないか」という意見も少なくありません。 今回、私の会社で実施した「8月社員全員在宅勤務」では、そうならないよう、在宅勤務だけでなく、モバイル型テレワークを積極的に実施するよう社員に指示しました。涼しさを多くの人で分け合う「クールシェア」。自宅に家人がいて、在宅勤務でなくても電力を消費している場合は「家でのクールシェア」、日中誰も家にいない場合は「公共施設でのクールシェア」を心がけたのです。 いつもは出社勤務や在宅勤務のため、モバイルワークをする必要がない人にも、あえて実施してもらいました。図書館やカフェ等で、覗き見防止フィルターをつけたノートPCから、会社の仮想デスクトップにアクセスし、いつも通りの仕事をします。 実際にやってみると、昨今話題の「ノマド(遊牧民)ワーカー」と同様の課題が出てきました。「トイレ休憩でPCをを持って行くのが大変」「バッテリーがもたない」「周囲の声が気になる」等です。それと同時に、そうした課題への対処法や、自宅付近の「仕事に適した環境」の情報交換が活発になり、ノウハウが蓄積されてきました。 在宅勤務については、前回もお話したような「執務環境」の課題も見えました。また「家庭でのクールシェア」をしたある新婚社員からは「話しかけられないようにするにはどうすればいいか」という悩みも挙げられました(笑)。 そんな社員たちの努力のもあって、「節電」という視点からは、ひとつの結果を出すことができました。私の会社は、東京、北海道、奈良と3つオフィスがありますが、各オフィスの電力消費量と、社員が自宅で在宅勤務により消費した電力(自宅分と区別しにくいのである程度は予測となりますが)を差し引いても、全社で「32%削減」となったのです。 ※来週に正式リリース予定。データの精査により多少変動する可能性あり それぞれのオフィスは、業務の役割や体制、気候、社員の家庭状況等が違うため、数値は大きく違いますが、それぞれの「テレワークによる節電」が実現できたのではと考えています。 みなさんからたくさんのメッセージをいだたいたように、ICTツールの進化によって、働く側は「1カ月在宅勤務をする」体制が整ってきています。 あとは、企業が制度やしくみを整え、離れていても仕事ができる体制を作っていくことが必要です。簡単なことではありませんが、少子高齢化・労働力不足の中、「毎日、9時から5時まで通勤できる人しか雇わない」という会社は厳しい状態になることでしょう。 「柔軟に働ける」また「柔軟に働いてもらう」社会づくりのひとつの手法として、今後もこのような試みや議論を実施していきたいと思います。ありがとうございました。
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