働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3337 開催期間 2015年04月03日- 04月10日
充実した投稿をありがとうございます。 渋谷区の条例は同性婚の認定ではありません。cheetanさんが書いておられる通りです。日本の一部新聞と多くの英字新聞が「同性婚」と報じましたが、「パートナーシップ」の認定、すなわち一つの家族として認めるものです。 今日は、パートナーシップ制への反対意見(家族制度の崩壊)について、私見を述べます。 私は、旧来の家族の中で生まれ育ちました。外で働き家計を支える父と、いつも家にいて家事労働をする母のもとで十八歳まで育ちました。こうした家庭のすばらしい点は、郷愁とともに、充分に理解しています。よって、こうした家庭を望む人々がいること、その家庭を守りたい人々がいることも理解できます。 こうした家庭を望む人々は、その人の理想とする家庭を作るべきであり、その生き方を、私は決して否定しません。個々人の生き方を尊重します。 しかし、私は22歳から30年間に渡って働いています。専業主婦の母が作った家庭は、私の家庭のモデルケースにはならないのです。 私は、親とは異なる理想の家庭を作りあげる必要があり、さまざまな試行錯誤、努力と工夫をしてきました。 同じことが、多くの働いている女性に言えると思います。 女性が働く社会では、以前とは異なる家庭を作っていく必要があるのです。それを、伝統的な家族の崩壊と見るのは、間違っています。「新しい幸福な家庭の創造」です。 夫と妻が共に働き、家計と家事を助けあい、協力して子どもを育て、男女平等の幸福な社会を築いていく。 その夫と妻が、異性愛者の場合は、男と女です。 同性愛者の場合は、男と男、女と女で、よい家庭を作っていく。 そのためには、法的な保証が必要です。 レズビアン&ゲイのカップルは、家族として認められていないため、家を借りる時だけでなく、税金面、老後の介護、パートナーの死亡後の相続時など、さまざまな困難があります。 さらに子どもを持ちたくでも、独身女性は(レズビアンの場合は、女性パートナーがいても法的には独身の女性の場合)は、未婚のため、病院で人工授精が認められず、子どもを作ることもできません。 これに対してアメリカでは、同性愛者であると公表している女優ジョディ・フォスターさんが人工授精で出産し、パートナーと育児をしているように、同性愛の夫婦も、子どもを産み育てることができます。 同じ困難は、別姓夫婦にも当てはまります。私は別姓夫婦ですが、婚姻届を出したくないわけではありません。 婚姻届を出せば、夫か妻のどちらかが姓を変えなければならない。夫が変えても、妻の私が変えても、職業上・社会的・心理的・またそれぞれの親族の不利益があり、結婚式も披露宴もしましたが、まずは、どちらも姓を変えずに、事実婚として生活しているのです。 婚姻制度が改正され、別姓も認められるようになれば、婚姻届を出して結婚するつもりです。同じような改正待ちの別姓夫婦は、かなりの数にのぼります。 実は、別姓夫婦も、同性愛カップルと同じ不利益をこうむっています。賃貸契約、老後、税金、相続、入院治療、不妊治療など。 そこで欧米諸国の多くでは、パートナーシップ制、家族認定制が導入されています。 別姓夫婦、同性愛カップルを、一つの家族として公的に認定して、法律婚の夫婦・親子と同じ権利保障をするものです。 以前、私はフランスでこの制度を取材したことがあります。フランス・カトリック教会の結婚では離婚が認められないため、婚姻届けを出さない別姓の夫婦が増えました。 そこで、そうしたカップルに対する社会的な差別をなくすため、別姓夫婦が「私たちは家族です」という届けを役所に提出すると、その夫婦と生まれた子どもは、婚姻の夫婦・子どもと完全に同じ権利が保証されます。 フランスの厚生大臣に取材したところ、導入後、フランスでは出生率が上昇しています。 この制度で暮らしている複数の夫婦に取材すると、とても幸福だとすばらしい笑顔でした。 渋谷区では、同性愛カップルにパートナーシップ制が保証された一方、夫婦別姓のカップルはパートナーとして認められていません。 新しい幸福な家族の創造、という観点から、別姓夫婦のパートナーシップ制、賛成ですか? 反対ですか? パートナーシップではなく婚姻制度を別姓夫婦・同性婚も可能に改正すべきという意見もあると思います。あなたの意見を聞かせてください。★テーマに関連する参考リンク・同性愛の人が身近にいる?(松本侑子議長円卓会議・2001年12月実施 )・LGBTと企業社会(第13回 国際女性ビジネス会議 分科会リポート)・「ダイバーシティ」、理解していますか?(佐々木かをり議長・2012年1月実施) ★その他、松本議長の関連記事・メロンリペア愛用者の声 ・イギリスの文化に、興味がありますか?
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