働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3354 開催期間 2015年07月17日- 07月24日
皆さん、たくさんのコメントをありがとうございました。様々な支援制度を作ることはもちろん、税金や働き方に対する考え方、意識を変えていかなければいけないと感じた人が多かったようですね。 日本は急速に少子化が進んでいます。このままいけば、将来的に私の大好きな日本が消滅してしまうかもしれません。このことに、もっともっと危機感をもって、真剣にどうすべきか考える時がきていると思います。 では、少子化をとめるにはどうすべきか。それには経済的、精神的な幅広い支援が必要ですし、支援を充実させるためには、税金も必要です。フィンランド人は自分も子ども時代や学生時代に恩恵を受けているのでそれを返す意識がある、前回言いましたが、恩恵をただ待っているわけではありません。18歳から自立するため、国から受けられる生活費や様々な補助を調べ、貪欲に支援を利用しています。親から離れると、国の支援のありがたみがあらゆるところで感じられ、子どもを持つと余計理解が深まります。人口が少ないこともありますが、親の経済支援にあまり頼っていないことも、フィンランド人が「社会全体」という意識を強く持つ理由なのかもしれません。 税金に関連して、今回いくつかご質問がありましたね。四葉のクローバーさんの病院の数や医療費についてですが、医療費はほぼ無料ですが、その分病院やクリニックの数は非常に少なく、ちょっとした風邪やインフルエンザではなかなか診てもらえなかったり、より高度な医療や検査を受けるためには何百キロも移動しなければならないことがあるのも、フィンランドの現実です。 アレグレットさんの「教員の給料」についてのご質問ですが、教師の質は高くとも、給料はそれほど高くはありません。しかし、夏休みは2ヵ月半と長く、学校での拘束時間はそれほど長くありません。また、周りから尊敬されていることも、教師があこがれの職業の上位にある理由です。 労働時間や父親休暇についても、意識の変化は必要です。父親休暇については、yokomitさんとたろまるさんがおっしゃる通り、フィンランドでも昔は批判されていました。しかし、少しずつ父親自身が「子どもと関わりたい!」という気持ちを強く持つ中で変わっていきましたし、ロールモデルの役割も大きかったと思います。90年代後半には、フィンランドでは首相自らが父親休暇を1ヶ月取得しています。 また、長時間労働についても、働く側も雇う側も「残業はしない」という意識を強く持つことはもちろん、雇い主は社員を時間で評価するのではなく、成果や効率に目を向け、正当な評価をすることが必要です。フレックスや在宅、ワークシェアリングなど日本も働き方がもっと多様になれば、男性、女性、全てにとってメリットは大きいでしょう。 日本は本当に素晴らしい国です。しかし、少子化は大きな課題です。子育てをいろいろな方法で支援し、出生率を向上させることは、いずれ子どもの有無や年齢に関わらず全ての人に恩恵をもたらし、日本を救うと思います。フィンランド流の子育てに少しでもそのヒントがあったら、嬉しいです。女性はもちろん、男性も子どもたちも輝く日本の未来を期待しています! 1週間、どうもありがとうございました!★ミッコ・コイヴマー議長の著書をご紹介します。『フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て』(かまくら春秋社)★ミッコ・コイヴマー議長は第20回国際女性ビジネス会議(7/26開催)に登壇されます。
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