働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3354 開催期間 2015年07月17日- 07月24日
はじめまして、駐日フィンランド大使館 報道・文化担当参事官のミッコ・コイヴマーです。今日から1週間、円卓会議の議長をつとめます。どうぞよろしくお願いします。 最近、日本でもフィンランド流子育てや子育て支援が話題になっています。以下に、一部特徴をまとめてみました。 ●平等:子育ては女性だけの義務ではありません。子育ても家事においても、男性の役割は非常に大きいです。それがあまりにも当たり前になっているので、「イクメン」という特別な名称も存在しません。彼らはただの「父親」なのです。 ●働き方:ほとんどのカップルは共働きで、労働力の44%は女性で、多くの分野で女性が活躍しています。男性は80%が父親休暇をとり、母親を支えます。母親が職場復帰する際には、約30%の父親が最大9週間の休みを取り、一人で子どもの面倒をみます。また、フィンランドの働き方は非常に柔軟。親は子どもが3歳になるまで、職場を失う心配もなく育児休暇を取得することができます。従って、子どもを持つことは決してキャリアを失うことではなく、ちょっとした中休みに過ぎません。 ●保育:子どもはたいてい保育園に預けられますが、子どもたちには保育利用の主体的権利が認められています。つまり、親の仕事の有無や勤務体系にかかわらず、希望すれば誰もが保育園に入ることができます。 ●ネウボラ:ネウボラ(neuvola)」とはフィンランド語で「アドバイス(neuvo)する場所」という意味。妊娠期から小学校就学前までの子どもとその家族へのワンストップの切れ目のない支援を提供する場で、日本で関心が高まっています。ネウボラには保健師がいて、プレママや小さな子どもを持つ母親、さらにはその男性パートナーがどんな些細なことでも無料で相談できます。これに習った日本版ネウボラが現在、日本の様々な自治体で誕生しています。 ●育児パッケージ:政府から送られてくるギフトボックスには、赤ちゃんや母親が必要とする50を超えるアイテムが入っています。希望すれば全ての赤ちゃんがもらえるこのパッケージは、1930年代のイノベーションで、社会が一緒に赤ちゃんの誕生を祝福していると思わせてくれます。 ●フィンランド政府は、GDPの3.3%を子育て支援に費やしています(2009年)。それにより、保育園、ネウボラ、育児パッケージといった手厚いサービスが無償もしくは格安で利用できます。さらに、男性が積極的に育児をすることで、子どもを欲しいと思わせる環境ができています。子どもを持つことは面倒でも、お金がかかることでも、キャリアを犠牲にすることでもありません。現在、フィンランドの出生率は1.8です。 ただ、フィンランドもこのようなことは、簡単に実現してきた訳ではありませんし、まだまだ改善すべき部分もあります。今回は皆さんとフィンランド流子育てについて議論していきたいと思います。フィンランド流の子育て、ご存知ですか?★ミッコ・コイヴマー議長の著書をご紹介します。『フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て』(かまくら春秋社)★ミッコ・コイヴマー議長は第20回国際女性ビジネス会議(7/26開催)に登壇されます。
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