働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3357 開催期間 2015年08月21日- 08月28日
春から夏へ、そして秋へ――。「定年までどのように働きたいと思いますか?」という問いに対する答えに、人生の四季を見る思いがしました。定年までの働き方のイメージは、年代による違いが顕著に現れていたように思います。 子育て中の30代女性は家庭責任が重く、定年まで働き続けるイメージを持ちにくいようです。定年まで働きたいものの「(育児や介護で)突然キャリアの幕引きを迫られる可能性もある」というのは、おれんじ78さん(37歳、神奈川県)。szkmtkさん(35歳、東京都)もまた、出産・育児、パートナーの転勤の可能性があり、「定年を明確に自分ごととしてプランニングに組み入れづらい」といいます。 おれんじ78さんのいうように、家族のサポートを社会で担う仕組みをつくらないと、子育てや介護を担う女性が定年まで働き続けることは今なお難しい――そんな課題を改めて考えさせられました。 40代は、まだまだチャレンジの年代。新たなことに取り組んで将来の選択肢を広げることができる年代でもあります。そんな可能性を感じさせてくれるのが、しゃむねこさん(43歳、千葉県)です。「年齢を重ねることが新技術への対応が遅れることを意味する」という厳しい業界にあっても前向きです。「経験が信頼になるような講師への転向も考えている」とか。 Cheetanさん(46歳、千葉県)の挑戦は、ユニークです。自分より年上のチームメンバーのために「知識がなくてもデータをインプットすれば答えが出るようなツールを構築できないか(それで特許が取れないか)」とは、なんと斬新な発想! こうした「伝承」法もあるのですね。 さて50代にはいると、いよいよ定年がリアルに迫ってきます。kemkemさん(56歳、岡山県)の「今すでに第4コーナーを回った感じ」、ANJさん(56歳、大阪府)の「(昇進昇格関係なく)自分らしく働き続けたい」という言葉から、爽やかな秋の夕暮れどき、橙色が秋空を染めていくような心象風景が頭に浮かびました。 50歳を迎えたときに「あと10年」と思い、後に続く女性を育てたいと試行錯誤をした後に「自分が輝かねば、発信力がないことに気づきました」というkemkemさんのコメントには、奥深いものがあります。 でしゃばることなく、後輩たちを支えていきたい、伝えられることは伝えて立ち去りたい、そんな心持ちでしょう。風呂敷をたたみながら、ゆるやかに坂道を下っていく姿が目に見えるようです。 70年代に「定年ゼロ制度」を作ったことで知られる前川製作所の加茂田信則さんは、50代は「動」から「静」に移る年代だといいます。「動」の時代は、企業人として業績を追及し、実績を積み上げながら自身のキャリアを膨らます時期。「静」の年代を迎えると、長年の経験をもとに企業の中に欠けていたものを考え、従来なかった価値をいかに生み出すかを考えて仕事を提案し、若い世代をサポートしながら実現していく時期だというのです。 定年がひたひたと迫ってくる50代は、「動」から「静」への時期。みなさんのコメントからそう実感しました。 さて最後は少し時計の針を進めて、定年後の生活について伺いたいと思います。 あなたは、定年後の生き方(働き方)について、どんなイメージを描いていますか? 定年を意識したことない(NO)という方も、この機会に是非考えてみてください。★野村議長の新刊 『定年が見えてきた女性たちへ 〜自由に生きる「リ・スタート力」のヒント〜』
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