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会議番号:3519 開催期間 2018年11月02日- 11月09日
皆さま、「日本酒は外交のツールに出来るでしょうか?」の円卓会議、とうとう最終日となりました。多方面でご活躍の皆さまに、あらためて日本酒の可能性について考えていただけて感謝申し上げます。 今回も、多くのポジティブなご意見、アイデアをいただきました。 Zonnetje さんの「相手国とのコラボ」というのは、外交という意味では本当に大切な視点ですね。日本酒という、ほぼ日本でしか飲まれていないオリジナルのお酒ですが、國酒である日本酒を外交のツールにするには、相手国で親しまれているものにも合うというコラボで、相手の国の方々にも敬意を払う形でというのが理想かと思います。 実は、外務省の赴任前研修の日本酒講座では、おつまみとして生ハムやチーズ等をご用意しています。外交官が赴任する先は、和食が豊富なところばかりではありません。そうした場所でも入手可能なハムやチーズにも日本酒が合うという事を、この日本酒講座で確認していただいてから赴任地にご出発いただけるようにという主旨です。他にこの講座で出しているのは、*比較用の赤ワイン 実は赤ワインよりチーズに合う日本酒がありまして、それを比較試飲して外交官の皆さんに自信をもって日本酒をPRしていただこうというものです。 良い機会なので、他にご用意しているおつまみをご紹介します。*チョコレート 日本酒の古酒などには抜群の相性です。熟成した日本酒は、日本国内の市場でもなかなか見る事がありませんが、2007年に世界最大のワインコンペティションIWC(International Wine Challenge)にSake部門が創設された際から、古酒部門はありまして、毎年世界に向けて品質の良い古酒が発信されています。海外では熟成したお酒は評価が高く、IWCでも過去2回古酒がチャンピオンになっています。*マーマレードジャム 意外に思われると思いますが、実は日本酒は柑橘系に合うのです。この組み合わせに驚いていただく事で、日本酒が塩辛いものばかりでなく、幅広い食べ物に合うという事を知っていただけると思っています。*稲荷寿司 寿司飯と甘辛味に煮しめた揚げとの味の稲荷寿司 寿司飯と甘辛の味の稲荷寿司に合うお酒というのは、実は難しいのではないでしょうか? 赤ワイン、ビール、ウィスキー、どれも合いません。そういう視点でみていただくと、やはり日本酒は重宝ですね。 かんぱちさんは、ご親戚が酒蔵との事、きっと100年以上で3代目さん以上ですよね? 私が、最初はボランティアで、この日本酒の国際化の活動を始めまして、とうとう起業してしまうまでになってしまったのは多くの蔵元さんとの出会いであると思っています。日本酒の蔵は全部の都道府県にあり、地元の人達は地元の蔵元のお酒を飲んでいたと思われます。 ですので、特にご家族での蔵など、最近まで取引先は県内がほとんど、という方にお会いする事もよくありました。蔵元と言っても、その規模は本当に様々で、新潟酒の陣など、海外からも訪れる人が増えている大きなイベントをしている新潟県は酒蔵の数は日本一で90以上もありますが、生産量は新潟県全部より京都の月桂冠さん1社の方が多く、その月桂冠さんより兵庫県の白鶴さんの方が大きいです。 業界で、灘・伏見(なだ・ふしみ)というのが兵庫県、京都府という日本酒の主産地で、全国の日本酒の45%をこの地域で生産しています。 そんな規模の違いがありますが、そのほとんどがオーナー会社で、家業なのです。なので、皆さん、「先祖からの家業を自分の代で、潰せない、酒造りを止める事は出来ない」というのが共通しています。大儲けしたい、というより「安定した状態で次の代に引き渡したい」という方が大きいように感じます。 かんぱちさんがおっしゃるように、少人数のご家族での海外営業はかなり体力が必要です。昨年からJFOODOという組織が出来て、日本食品の海外PRを進めています。その重要7品目に日本酒が入っています。JFOODOの取り組み概要と戦略なども紹介されています。 NOBUさんが書いてくださった海外のシェフに日本酒の魅力を伝えてもらうというのは、とても大切な事ですね。前回、ソムリエやワインの教育機関のSAKE講座についてご紹介しましたが、そこにシェフが加わってこそ日本酒を味わえる「場」が作られます。 ミシュランの星付きレストランで、Sakeディナーが開催される事も増えてきています。「世界のベストレストラン50」は、いま最も注目されているレストランランキングの一つですが、そのアジア版である「アジアのベストレストラン50」の今年3月の授賞式で、今回初めて日本酒の蔵元12社のグループ「フロンティア東条」がオフィシャルパートナーとして加わり、オフィシャルパートナーとなっている世界的に有名な企業のシャンパンやジン、ウオッカ、ワインが授賞式前後のパーティーで振る舞われる中、日本酒も仲間にくわわりました。(詳しくはこちらで) こうした場が広がる事で、もろりんさんが書いてくださったお燗の魅力についても、カンカンに熱せられたHOT SAKE (海外のHOT WINEが、ある意味、風邪薬的な役割もあるので)とは違う微妙な温度の違いによる日本酒の味わいの変化、燗上がりにも美味しいお酒などが世界的なレストランで発信される事を願っています。 さざえ母さんさんからは「国民が飲む機会を増やす」とのご意見いただきました。昔は飲みニヶーションなどと言われ、会社の上司から誘われての飲み会などが普通でしたが、現在では、それもパワハラに配慮して機会が減っているようですね。そんな中で、やはり、おっしゃるように、トレンドを引っ張る女性が日本酒を支持してくれる事が大きいかと思います。「ミス日本酒」をご存知でしょうか? 日本酒全体としてのアイコン、毎年ステキな女性がミス日本酒に選ばれて国内外で日本酒の魅力を伝えています。日本酒は、私達日本人が生まれながらに持っている素晴らしい財産です。 これが、今後、世界のSAKEとなり、人類の財産となっていくには、先ずは、外交のツールに活用していただく事が不可欠かと思っております。 1週間ありがとうございました。★平出議長の過去の円卓会議・日本酒、飲んでいますか?
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