イー・ウーマン（ewoman）

戦争を近く感じた（IZUMI・鹿児島県・48）

ロシア、ウクライナの関係性を見ていて、戦争を今までより近くに感じてしまったこと。地球規模で働かない、公平性の抑止力のようなもの。自衛隊のスクランブル発進などの回数の急増化。気がかりなことは増えるばかりで……。ただ戦争反対と思っているだけでは、守れないような気持ちになっています。

災害対応になくてはならぬ存在（cheetan・千葉県・53）

災害列島と呼ばれもする日本。自分の身に何かあっても自衛隊が助けてくれる、と自衛隊の存在を心強く思っている一人です。一方で、自衛隊の飛行機やヘリコプターは老朽化がひどく、予算がないのでだましだまし使っているという話を信じています。だから予算を増やしてあげたいと常から思ってきました。本当のところはどうなのか、勉強させていただきます。

自衛力の源（真打ち・栃木県・52）

予算の増額に賛成だ。防衛費は自衛策の源であり、近隣諸国の情勢を考慮しても増額は適切な判断だと、私は思う。時折、予算の増額を戦争への後押しのように解釈する方が散見されるが、不測の事態に対応する為にも防衛費の確保は最重要予算だと、私は思う。また、私は、報道内容が出来事の全てではないとの考えだ。世界屈指の治安の良さを誇る日本も、自衛力には既に疑問を持つ時期に来ていると、私は思う。

賛成ですがそれ以前の理由でNO（Mio・東京都・55）

防衛費用を削減するということを言うのは簡単で、今の日本の立場から考えて闇雲に削減・増加なしというのは無策だと思います。ですが、増資する場合も、どこに、なぜという討議、および利用用途・使用状況のチェックが透明性を欠いたまま増え続けるのでは賛成しかねます。日本では軍について語るのがまるでタブーかの風潮がありますが、真剣に考え、適切にバランスを取ってほしいと思います。

防衛予算は十分あると思います（こはく・東京都・49）

NATO主要国と防衛費の対GDP比、という東京新聞の記事を読みました。ほかのNATO加盟国と比べても日本の防衛費は低すぎることはない、と思います。日本は少子高齢化が進んでいるため、教育費や医療福祉費にもっと予算を割く必要があり、これ以上防衛予算をつける必要はないと考えます。

米国に追随するのは反対（レッズ・埼玉県・41）

米国が、国務省のHPで「台湾の独立を支持しない」という文言を削除し中国を挑発する中、日米首脳会談の場で防衛費増額を表明したことは、日本も挑発に加担しているように見えます。また、増額分の使い道は、米国から兵器を買い、結果、米国が潤う、という構図が透けて見えます。日本は「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」ことを尊重する立場です（外務省HPより）。米国に追随するのは反対で、日中友好もしっかり堅持されることを強く希望します。

他国と並ぶ条件下にいない（やっちゃん２４・大阪府・53）

憲法が改正されていない中、軍を有する他国と同様の基準にする必要はないと考えます。第二次世界大戦後、議論に議論を重ね制定された憲法の条項について、日本がどんな目的でどのように進んで行くのかを議論せず、闇雲に防衛予算増額ありきは違和感を覚えます。

誰が本当の敵なのか（nk513・東京都・55）

日本は歴史的にも他国を侵略する歴史を繰り返してきました。そして先の戦争でアメリカにコテンパンにやられた。軍事力を持って強い日本を取り戻したいという亡霊に情報操作され、仮想敵国を作り上げていると私は思います。果たしてそれが本当の敵なのか…。今の日本は、政治的にお金を搾り取られ軍事的に先鋒として駒に使われるのが関の山だと私は思います。目先の利益に躍る政治により弱体化した日本に侵略するほどのメリットはもう残っていないのでは。戦うという概念はもう捨てないと、と私は思います。

皆さんのコメントの中で重要だと思ったのは、Mioさんの条件付き反対論です。
「増資する場合も、どこに、なぜという討議、および利用用途・使用状況のチェックが透明性を欠いたまま増え続けるのでは賛成しかねます」
 
今回は防衛費の問題から入りますが、専門家としていえば日本の防衛費には確たる根拠は存在せず、惰性で増額し、装備を更新していると言ってよい面があります。
 
最も欠けているのは自衛隊の適正規模に関する議論です。政治家、官僚、研究者でこれを知っている人は皆無に近い。陸上自衛隊の中枢である陸上幕僚監部の防衛部だけが2010年当時、これを弾き出したことがあるだけです。
 
合理性を備えた数値なのでご紹介しますと、陸上自衛隊の適正規模は25万人（現在の定員は15万人、実員は14万人弱）。根拠は世界第6位の長さを持つ日本列島の複雑な海岸線です。大規模災害の時、最後のマンパワーを期待されるのは陸上自衛隊ですが、海岸線あたりに必要な人員を試算すると25万人になるのです。これはあくまでも理想値で、この数値を国民に問いかけながら、たとえば18万人規模まで増員し、それに応じて海上自衛隊、航空自衛隊の規模を決めるというのが、ひとつの流れだと思います。
 
現在の14万人弱の陸上自衛隊では、国の防衛と大規模災害への対処を両立させることができません。東日本大震災では、国防任務の重要部分を米軍に担ってもらうなかで、自衛隊総力での災害派遣を実現することができたのです。
 
とにかく日本の議論は科学的ではなく、情緒に流れる傾向があります。なぜ日米同盟を選ぶのか、中国とどのような形で向き合うのか、といった安全保障面だけでなく、第9条を中心に展開される憲法論議の不可思議さに象徴されるように、論理的な議論がないのです。
 
こはくさんの、防衛費を増やさず教育や医療・福祉にという意見。このような分野の拡充は私も賛成です。しかし、現在の教育や医療・福祉への予算措置が健全かつ妥当なものとは到底思われません。米国議会の政府監査院（ＧＡＯ）のような検証能力を備えた会計検査と行政監察の独立組織があれば、そのデタラメさ加減が白日のもとにさらされるでしょう。
 
以上はすべて日本の民主主義が形式に流れている結果なのです。
 
さて、次回は「日米同盟」についてお考えいただければ幸いです。「防衛予算を増やした方がよいと思いますか？」へのYES、NOと合わせ、日米同盟は必要なのか、それとも不要なのか、あなたの考えを教えてください。

＊イー・ウーマン編集担当より
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★過去の関連テーマ
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• 2022.05.30
• 小川和久 静岡県立大学特任教授、軍事アナリスト