イー・ウーマン（ewoman）

新たな視点とガバナンス（DiamondBar・東京都・53）

会社が出資したベトナムの会社の取締役を8年やっています。6名の取締役のうち4名が社外の人です。金融機関の元社長の人は、財務面での指摘が厳しく、コンサル会社の人は新規事業へのアイデアやリスクへの指摘があります。私は、失敗や成功の経験をシェアして、事業をより確実なものにするアドバイスをしています。新規事業の予算や計画も大雑把なものは厳しくチェックして指摘します。これまで身内でなんとなく決めてたものが、議論を経て決めるという形になってきたと思います。

イノベーション創出やリスク管理（unagi・東京都・62）

複数の視点で取締役が進行されることで、自由な発想や行動が生まれやすくなるイノベーション面、単一的な価値観による誤った判断を防ぐことができるリスク管理の面などでメリットがあると思います。また、投資家や取引先からも、取締役会の構成員の多様性は高い評価に結び付くと思います。逆に、従業員の多様化が進んでいても、肝心の最終意思決定を下す取締役で多様化が進んでいなければ、さまざまなデメリットが生じると思います。

独立社外役員、初めて知りました（2kishir0・東京都・33）

総務として役会の運営に少し携わっていたことがありますが、とても勉強になります。複数の視点でみることは「風通しが良くなること」がメリットのように思います。ただ会社側からすれば痛いところを突かれる可能性も増えるわけで、積極的に増やしたくないのかもしれません。物言う取締役として女性には大いに活躍して頂きたいですが、その立場を女性だけが背負い込むのも理不尽な気がしており、女性も男性も活性化すれば良いと思います。

社内側に必要なことは？（yuk-hat・埼玉県・38）

私の勤める会社には社外取締役がいないので、今後、女性社外取締役が来たらを想像してみました。もし「独立社外役員」の方で女性であれば会社は経営においても多様な意見を取り入れる強い意志があるのだなと感じるし、もしそうでないなら外部の意見はあまり影響しないのだろうなと感じてしまうと思います。独立の女性社外取締役を受け入れるために必要な、”社内”の経営層の体制・意識・姿勢としてどのようなことが必要なのでしょうか？

変化に対応して継続するため！（シンゴパパ・静岡県・55）

複数の視点で取締役会が進行されるメリットは、企業の目的の一つである「継続する」ために有益なことだと思います。同じ属性の同じような考えを持った人達の会では、変化する状況に対し、柔軟な判断が行えない可能性が高くなると思います。市場も環境も人も常に変化しているのだから、色々な属性の人達で構成しないと、変化に対応できないと考えています。

DiamondBarさんは、海外の会社の取締役を8年間勤めていらっしゃるのですね。その経験から、多様な人が役員になることで、新たな視点とガバナンスの高まりを実感されていることを体験されているということ。貴重な体験ですし、それは会社の成長に役立つだけでなく、役員全員、そしてDiamondBarさんの視点の多様性、これからのキャリアにも大いに役立つことでしょう。
 
unagiさんも、女性社外役員が増えることの目的は、イノベーション創出やリスク管理と回答してくださいました。シンゴパパさんの言葉では「継続する」ため。その通りですね。サステナブルで、かつ元気よく、成長する力を保つためにダイバーシティが重要です。
 
多様な視点が入るということは、新しい発想になるということですので、イノベーションが起きます。イノベーションとは大きな発明や開発もありますが、毎日の小さな業務革新も含まれます。また、多様な視点、外部の視点が入ることは、リスク管理にも直結します。「社内の常識」になっていることに間違いや法令違反はないか、など「外の目」で気付くこともできます。中途採用を積極的に採用することでも、実現ができます。ダイバーシティが経営に役立つというのは、まさにこの意味ですね。
 
yuk-hatさん、とても良い質問を有難うございます。女性で、社外かつ独立取締役が採用される会社であるためには何が必要でしょう。役員の任命はたいてい１年間。毎年株主総会での決議事項となります。現在、あなたの会社、あなたの気になる会社の役員一覧をホームページで調べていただくと、どうでしょう。女性がいますか？外国籍の人はどうでしょう？
 
「取締役に女性を入れる」ためには、株主総会での決議が必要ですが、そこに取締役候補を提案するのは今の取締役会。現在の10人前後が決めるだけで、来年から1-2-3名と外国人や女性を入れることが可能なのです。
 
大体毎年年末にかけてが、今が来期の役員依頼をする時です。今こそ、来年度の1−2名の女性候補を選んでほしいと思います。いない、なんて言わないでください。私がご紹介しますから、お問合せください（exe　アットマークewoman.co.jp）
 
通常の社員ができることは、取締役の人たちに声をかけて議案にしてもらうロビー活動もそうですし、このテーマを広報で話題にし続けて社内カルチャーを作ることでもあるでしょう。
 
では、最後の日に向かっては、海外の事例をサーチしてみてください。たくさんあるのですよ。取締役に女性が多いとプラスの成果がある、という点についてどんな成果がみつかりましたか。クオータ制が企業の成長を後押ししているデータ、女性役員の割合を上場の条件にしている証券取引市場はどこかご存知ですか。女性取締役が多いと何が良いのか。世界のデータを探してきてください。一緒に学びましょう！


＊参加者募集中！
2022年10月28日開催の50/50 Women on BoardsとTHE BOARDの提携発表と、コーチング＆ネットワーキング会議です。
詳細はこちら
 

◆佐々木議長の過去の円卓会議より

・「ダイバーシティ経営」の成果、実感したことありますか？

・ジェンダーギャップ指数116位。日本を変える方法、ありますか？

・あなたの職場、「ダイバーシティ」が進んでいますか？

• 2022.10.26
• 佐々木かをり 株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長