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会議番号:3103 開催期間 2011年07月04日- 07月11日
皆さんのご投票、そして、議論が活発化するようなコメントを沢山いただき、どうもありがとうございました。日本の教育を変えていくには、政府だけではなく、家庭での親の役割が重要だという点で多くの方の見解が一致しているように感じます。 教育を変えていくには政府の施策を待つよりも、家庭での努力の方が短期間でインパクトを出せるのではないでしょうか。海外留学を高校や大学の履修課程に入れるような政府の政策では、導入までに多くの利害関係者との調整が必要で、時間が掛かってしまいます。 私自身、数カ国で生活してきた経験上、子どもの自立心とリーダーシップを育むために家庭や親ができることがあると思っています。 ここでは、家庭の協力の下、子どもに学ばせたいことを共有したいと思います。 1) 「多様性」という概念を理解する。 子どもは、常に同じ環境で育ち、同じやり方が繰り返されると、単一の視点しか持てなくなりがちです。考え方も使用言語も、やり方も価値感も1つとなると、考え方に工夫の余地がなくなり、オープンな考え方を持つにはなかなか至らない。一方、数カ国に住んだことがある子どもは視野が広く、好奇心が旺盛で(違いを知りたくてうずうずしている)、自分と違う人たちとの交流にも慣れています。 家庭ですぐにでもできる教育改革として、子どもを早期に海外留学させる。または、子どもが奨学金や自分で収入を得るようになったら留学を勧めることができると思います。 2) 野心をもち、高い目標を目差す。 日本では、平均以上を目差すことは強くは奨励されていないと理解しています。でも、高い目標に向かって努力を続けることによって、子どもは新しいスキルを身につけていきます。同じ事を単に繰り返しているだけでは身につかないスキルです。 外国語を学んだり、多くの友人とのネットワークを築くためには、新しいスキルや姿勢を身につけなければなりません。 その過程で自身の考え方も成長し、「今までは無理だと思っていたことが突然できることに変わる。」そのような経験の積み重ねで自信が付きます。 ここでも親が重要な役割を果たすことができます。子どもが「高い目標」を決めるのを支え、目標達成に向けて励まし、力になってあげる。失敗しても問題はないと伝える。そして、究極の目標は、様々なことを学び、次の「高い目標」に向けて準備を整えることです。 3) 自分と向かい合うことを学ぶ。 自分で考える力を身につけるために、「哲学」は重要だと思います。 日本の学校では哲学の授業は余り行われていないと理解していますが、ヨーロッパなどでは高校の基礎科目になっています。 「自由とは」、「民主主義とは」など、難しい問題を自分で考えるように仕向けるが哲学です。もちろん、正解も間違いもありません。重要なのは、考える過程で、答えそのものよりも自問がもたらす成長です。親は中学生や高校生の子どもに哲学書を読むよう勧め、本を与え、自問し、自分で考える力を身につけさせるようにしたらどうでしょうか。 上記3点は、政府の施策を待たずして、家庭において親がすぐにでも取り組める学校外での教育改革の一歩だと思います。 さて、ここからは日本の将来についてです。 DiamondBarさんが日本は将来に明確なビジョンを持っていないと書いてくださいました。「日本をどういう国にするのか、政府と国民に共通のビジョンが見えていないというのが問題だと思います。」には全く同感です。 だからこそ近著『日本の未来について話そう』の中では、日本の未来を描く「日本のロードマップ−これから20年の道筋」についての記述があります。日本は、本に書いてあるような様々な課題に対処するための長期的な目標が欠けてはいないでしょうか。 また、ビジネスのように国家が運営されているという意見もありますが、シンガポールでは、ビジネスプランが策定され、明確な長期的な目標が設定され、必要な投資も考慮されています。もし、政府、ビジネス、国民が協力し、長期計画を立てられれば、正しい方向に向かうのではないでしょうか。 そこで、皆さんに質問です。日本の将来を形作るために、ビジネス、一般市民にはどのような重要な役割が果たせるでしょうか?
☆「日本の未来について話そう」を出版しました。
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