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会議番号:3109 開催期間 2011年08月15日- 08月22日
医療の現場で、キレる思春期の子どもを診ることがあります。虐待の環境、ストレス耐性の低さ、人格形成の問題、などさまざまな精神医学的問題があり、対応に苦慮することも多いです。しかし、対人的な暴力行為は、被害者に身体的な外傷のみならず精神的な外傷を与えることもあること、12歳以上であれば少年院送致の対象年齢となることから、早急な対処が求められます。12~13歳の子どもには、一定期間までに、理由の如何を問わず絶対に暴力を振るわないという、明確な目標を設定します。 14歳以降の場合は原則として薬物治療を併用します。もちろん、その子の生い立ちやプライドには十分に配慮しながらも暴力行為は犯罪であることをはっきり伝えます。 私は、法的な矯正よりも医学的に治療することが優先されるべきと考えています。「ストレス耐性の低さ」については、本人の生得的な性格も関係していますが、幼児期の親子関係、不規則な生活習慣、仮想空間で即行動をおこすゲームの影響(実生活での結末を予測することが少なくなる)、など、幼少時期からの環境要因を分析していかなければいけないでしょう。“tulip”さんも指摘されていますが、生活リズムを整えることは、それぞれによい影響を与えると思います。 抑うつや不安が、子どもの場合、怒りのエネルギーとなり噴出することもあります。 うつとキレることはまったく逆に思えますが、怒りのエネルギーが内側(自分自身)に向くのか、外側(他者)に向かうのかの違いだけなのです。災害に遭遇することは、うつ病や不安障害を発症する引き金になり、特に、何らかの障害のある子どもには、そのリスクが大きいと言えます。子どものうつ病の初期症状として、キレる行動が見られることがあるのは、留意すべきことです。 “jersey”さんのように、お子さんが納得するまで付き合うなど、日常の親の姿勢も重要です。今回は、未就学児についての投稿を多くいただきましたが、乳幼児期は、子どものキレる行動を未然に防ぐためには重要な時期だと言えます。親を中心とした周囲の大人は、十分なスキンシップをとること、実体験を積ませること、規則正しい生活習慣を身につけさせること、子どもの人格を尊重することを心がけたいものです。多くの投票、ご意見をいただきありがとうございました。
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