イー・ウーマン（ewoman）

自分の意識も重要ですが（Ｔｏｈｋｏ・東京都・42）

皆さんの意見を読んでいて非常に幸いだなと思うのは、現在の職場環境は上司同僚ともに非常によい人たちに囲まれているということです。もちろん業務状況により自分の思惑通りに行かない部分はありますが、自分の努力だけではどうにもならないと思ったときに上司はきちんと相談にのってくれるので、結果はどうあれ納得はいきます。どなたかも書いていましたが、何もしなくても「守られる」という環境は難しいですね。

労働者としての権利（リンダ山本・海外・その他・51）

私の働くドイツでは、休暇は年25日から30日、病欠も30日までとれます。労使双方にこれは当然の権利という意識が浸透しています。日本からすると休み、不在が多くて不便なのは確か。不便はお互い様と皆思ってます。労働者は、会社より、労働法に守られており、会社と労働者の間に距離がある感じです。不正を指しても不利にならない仕組みもあります。反面、退職金などをめぐって労使で裁判になることもあります。

課題も（真打ち・栃木県・42）

既存の課題の解決策の期待とは正反対に、人権の国際規格レベルとなると新たな課題を生むのではと懸念してしまう。主な理由は、宗教や思想の違いである。例え同国人の夫婦であっても、双方で異宗教を信仰する場合は思想の違いや子どもの宗派問題などに発展する事もある。これが、他人・異国間となった場合、課題山積。しかし、啓発の意識向上に繋がり各々が考える第一歩としては大きな進展だと思う。

ではどうするか？（aibon・埼玉県・43）

職場の無神経な彼らをよく観察してみると、イケイケどんどんを経験した世代ほど産業構造の変化への戸惑いが行動に出てしまうようです。問題は、管理職層が及び腰で男性偏重によるモラルダウンを起こした職場をどうやって立て直したら良いか策を持っていないことです。セクハラなどで不快な思いをしたらあらゆる相談窓口を探し、営利団体でモラルダウンがいかに損失であるかガンガン提案しましょう。ピンチはチャンスなのです。

人間らしく働き生きること（jersey・35）

非正社員として、様々な組織を経験しました。「組織に守られる」概念の外側にある働き方です。仮に非人道的な扱いを受けた場合、帰属意識の強い正社員よりも声をあげ易く、去る事も容易なので、その点では正社員の立場の方が心配。現在の労働環境全般、正非男女の別無く、人間らしく働き生きる事が難しい状況のように思えます。生活を失う恐れも、深刻。またそれに乗じる雇用者の多い事。労働者が笑顔で働ける仕組みが利益に繋がるという視点を、組織のトップには持って頂きたい。

プラス要因へ自分を繋ぐ思考工夫（せいら・東京都・42）

もし守られているとしても感じ方や考え方は十人十色、職場の人員構成が変わればそれまでかも知れない。メンタルヘルス問題同様、第三者的中立な人に相談出来たりグループディスカッションする継続的な機会を持てることは基本的に大切だと思う。不平不満をあげつらうのではなく、冷静・客観的に分析したりされたりする所／機会に自ら参加してプラス方向へ自分を繋げる行為（思考）が大切だと思う。

貴重なご意見をお寄せいただきありがとうございました。
限られた文字数の中に凝縮されていた皆さんの思いと洞察力……。「職場の人権課題」について深く考える機会をいただいた1週間でした。
 
「労働法に守られている」（ドイツで働くリンダ山本さん）ことも実感できない職場環境が浮き彫りになったと同時に、「不平不満をあげつらうのではなく、冷静・客観的に分析したりされたりする所／機会に自ら参加してプラス方向へ自分を繋げる行為（思考）が大切」（せいらさん）、「モラルダウンがいかに損失であるかガンガン提案しましょう」(aibonさん)など、人権課題の解決に向けて「私たちにできること」のご提案も多くいただきました。
 
人権とは、誰もが生まれながらにしてもっている、自分らしく幸せに生きる権利。
働く人、経営陣、行政、社会全体で「労働者が笑顔で働ける仕組み」（jerseyさん）を考え、実現していきたいものですね。
 
また、一人ひとりが企業倫理、社会的責任の視点をもって、仕事に取り組むことも人権課題の解決につながっていくのではないでしょうか。
第63回人権週間　啓発活動重点目標は、「みんなで築こう人権の世紀～考えよう　相手の気持ち　育てよう　思いやりの心～」です。
 
あなたは、
・倫理観高く働いていますか？
・他の人々に対し公平かつ敬意をもって接していますか？
・誠実な話し合いと問題解決を促していますか？
・他の人々に信頼され尊敬されていますか？
　　（WSI 倫理的リーダーシップ　チェックリストより）
 
つねに自分自身に問い直し、また、周囲に働きかけて行きましょう。
この円卓会議が、人権への関心を高め社会的連携が強まるきっかけとなれば幸いです。
 

• 2011.12.12
• 村松邦子 株式会社ウェルネス・システム研究所　代表取締役、公益社団法人　日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）参与、NPO法人GEWEL（ジュエル）代表理事