働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3148 開催期間 2012年02月20日- 02月27日
テレワークに限った話ではありませんが、「できない」と思った瞬間にそれに対する思考や工夫がストップしてしまいます。「どうすればできるようになるだろう」と知恵をめぐらすことで、次に進むことができると考えています。今回はみなさんからいただいた意見をもとに、「課題」ごとにお話をしていきましょう。 abebさんが、最初「NO」だったのに、会社の在宅勤務状況を調べてみて「YES」に変更されました。こうしたひとりひとりの行動が、テレワークという柔軟な働き方を広めていくのだと感じています。 ■時間管理 フリーランスのyonoさんは、娘さんが学校で何かあった時すぐに対応できるのがありがたいとのこと。本当にその通りですね。 でも、在宅勤務制度を導入している多くの企業は、従来の雇用形態を維持しています。「時間労働制」をとっている会社は、社員の労働時間を管理しなくてはいけないのです。現状では、始業時・終業時に上司にメールを送るというルールで運用している会社が多いです。ただし、その間に子どもの迎えに行ったりという自由度はありません。 また一方で、「みなし労働制」のように時間管理しない雇用形態の場合は、成果を出そうとして「過剰労働」になりがちという調査結果もあります。 テレワークのメリットを生かせる時間管理方法の必要性を強く感じ、それを実現するツール「Fチェア(F-chair)」を自分の会社で作ってみました。ひとつの方法として、ご参考ください。 ■評価(報酬) 遥海空さんのように「時間管理や仕事の質を高めるように意識を変えていきたい」という前向きな姿勢をとってくれると、会社としてもテレワークの進めがいがありますよね。 時間管理同様、すでに在宅勤務制度を導入している多くの企業は、「評価」や「給与」は従来のまま、としています。しかし、これまで目の前にいた社員が「見えなくなる」ことで、「評価がしにくくなる」と不安になる管理者(上司)は少なくありません。その結果、在宅勤務をしている人の評価が下がってしまうと、たとえ制度があっても、在宅勤務がしにくくなってしまいますよね。 テレワークだから仕事の様子が「見えなくなる」のは仕方ないと考えるのではなく、テレワークでも「見える」ようにするにはどうすればいいか、を考える必要があると思っています。 ■コミュニケーション 「チームで仕事するおもしろさも感じているので、いますぐ、在宅で仕事をしたいとは思わない」というtsatomiさん。「いろんな人とコミュニケーションを取る方が仕事がはかどる気がするので自分はテレワークをしない」という優太のママのあきさん。 テレワークはあくまでも「働き方」であり、選択肢のひとつですので、NOという意見があるのは当然です。ただ、「在宅で仕事をする」=「ひとりで仕事をする」と決めてしまうと、次に進むことができません。 IT技術の進化は早く、テレワークを実現するためのツールがたくさん登場しています。スカイプ、Web会議、グループウェア……これらを駆使すると、チームでコミュニケーションをとりながら仕事をすることも可能です。 ただ、在宅勤務が続いて会社で働く人たちと離れてしまったというemeliさんのような例もあります。大切なのは、道具を使うためのルール作りですね。 私の会社は、通勤している人も、在宅勤務している人も、さまざまなITツールを使って同じコミュニケーションをとることを心がけています。 ■モチベーション維持 会社に通うことで、仕事の「ON」「OFF」を切り替えているので、在宅で仕事をする場合は、「短時間で仕事を終わらせることに集中する」というゆきななさん。また、家での仕事はなかなか集中できないというkemyさんは、家でもオフィスでもない、図書館や喫茶店などでの仕事を提案してくださいました。 実は、こういったニーズはテレワークをする男性に多いのです。家族が在宅していると仕事に集中できないですね。そこで、最近では、コワーキングスペースや、サテライトオフィスを利用する人が増えています。「家の近くで働く」というコンセプトで、稲毛海岸駅の近くに「ちばスマートワークセンター」という施設もできています。こういう動きがもっと広がると、より多くの人が「通勤をせずに仕事をする」ことができますね。 ■制度 体力的年齢的な視点からもテレワークでの就労を考えているみつやさんからは、法整備への不安をいただいています。 会社に雇用されている在宅勤務は、労働基準法のもとにありますが、個人事業主として働いている在宅ワークの場合、その適用外となります。また、ミシン仕事や紙箱づくりなどの内職も、家内労働法で最低工賃制度や、発注者への義務が設定されているのですが、ITを使った在宅ワークは内職にはあてはまりません。新しい働き方を実現するには、法律も変わっていく必要を感じています。 さて、テレワークで柔軟に働くための課題や、その解決方向は見えてきたでしょうか。次回は、テレワークで柔軟に働き続けるために、私たちは何ができるかを考えてみましょう。上司に「こういう働き方が流行ってるんだって」と耳打ちすることから、政府に対する施策提言まで、なんでもOKです。「柔軟な」働き方を実現するために、みなさんの「柔軟な」アイデアや提案をお待ちしています。
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