働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3180 開催期間 2012年07月13日- 07月20日
今回も、YES、NO、両方の方々から多くの投稿が届きました。より多くの皆さまの参考にしていただければと思い、臨床医としての経験をもとに以下、対応策を箇条書きでまとめてみました。一つ一つのご意見には十分にお応え出来ませんがお許しください。 (1)いじめはいわば人権侵害である。一方でいじめの兆候は日常的に存在する。人権侵害に展開させないことが重要である。 (2)いじめは、対人性の発達とともに内容も変化する。就学前の子どもはけんかなど直接的な争いを展開するが、就学後の子どもたちは、「人に対し優位に立つ」「駆け引きを行う」「騙されないように他人の悪意を見破る」などの能力が発達する。その対人性が負の方向に働くと「無視」「巧妙な嘘をつく」「辱める」「他人を介して」「ネットを介して」など、いろいろないじめにつながる。一方で学童から思春期は対人関係に緊張が強い時期である。以上より、学童期から思春期はいじめ問題がおきやすい時期であると認識する。 (3)いじめは複数の人間の関係性の問題である。ある2者間ではいじめでない事象が、別の2者間ではいじめのことがある。(先日お話しした物の貸し借りなどを参考にして個々にご検討ください) (4)従って「いじめをなくそう」というスローガンの繰り返しや、「いじめの線引き」を行うことは、いじめを受けている子は「自分を守ってくれない」と失意を持ち、いじめている子には「ここまではやってよい」という抜け道を示唆すること、になりかねない。 (5)特に注意したいのは、学童期の子どもは大人の嘘も見破ることである。学校や大人の対応が小手先の対応とわかると、いじめはエスカレートする。 (6)いじめは公衆の面前で起きることは稀である。それは第3者の目があるから。家庭(虐待)、学校、施設、職場などの第3者の目の限られた場所では起こりやすい。いじめの問題をオープンにするということは第3者に確認をとること。ただし、個人情報など極めてデリケートな問題も含むので、利害関係のない人で、かつ経験のある専門家が望ましい。 (7)もっとも閉鎖空間で起きる人権侵害は、家庭での「虐待」である。虐待の対応策、例えば地域での取り組み、ネットワーク形成、などの取り組みは、いじめの対策の参考になりうる。地域で共通のワーキングチームを作成してはいかがだろうか。 (8)いじめかどうかの判断は、直接の当事者でない子どもの意見が非常に参考になる。ただし親や担任には本音を言いにくいことがあり、養護の先生など直接授業を担当しない人、スクールカウンセラーや時には部外者の協力が必要である。また、オランダでは上級生が下級生のいじめの相談にのる取り組みも行われて効果をあげているそうだ。 (9)「問題を隠さず」というのは、いじめを当事者間・クラス内での問題とせず、学校全体で共通認識し、対応困難な事例は躊躇することなく他機関と連携をとることである。そのことが早期の解決につながる。いじめの相談を受けた、警察、医療機関、児童相談所などの連携機関には、迅速な対応をお願いしたい。 以上が、多くの方の参考になればと思います。 1週間、ありがとうございました。 ◆古荘議長の過去の円卓会議子どもがキレる。対応できていますか?大震災発生。心の不安、ケアできていますか?自分は、よい親だと思いますか?
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