イー・ウーマン（ewoman）

消費税の公平性（DiamondBar・東京都・43）

そもそも消費税の平等性は、所得に応じた税金ではなく、お金を使ったことに対する税金ということだと思います。つまり税務署に申告する所得が少なくてもお金がたくさんある人からももらおうという制度ですが、給付付き税額控除で、マイナンバーの導入が先送りになってしまった現状では、そもそもの目的から逆戻りするような気がします。低所得者対策としては、食料品についての消費税を低く保つほうが公平感があるように思えます。

どのレベルの所得に対しても（メリーアン・東京都・45）

議長の説明、みなさまからの投稿をじっくり拝見しました。低所得者への控除がいいかと思いましたが、生活必需品はどのレベルの所得でも必需品で、控除されないレベルが支出を抑えてしまったら結局税収が増えないのではないかと思い、軽減税率にYesとしました。控除の場合、後で返ってくるとわかっていても、お金は買ったその時に出ていきます。低所得者の方は、結局、買う時に控えてしまうのではないでしょうか？

過去の所得で生きている場合（おれんじ７８・神奈川県・34）

仮に所得が正確に把握できたとしても、増税時には所得が少なく過去の退職金等で十分余裕のある方にも給付されることになるような気がします。また、同じ低所得とはいっても、男子高校生3人のいる家庭と、幼児女子3児のいる家庭では、消費量は全然違うと思います。このような個々の事情まで反映して細かく給付することはコスト的に無理だと思うので、軽減税率のほうが公平に感じます。

庶民の味方に（qoomama・熊本県・46）

食料品に対しての軽減税率の線引きは難しいかもしれませんが、一般的に材料となるスーパーの食材・米・パン・調味料等は軽減対象になるのではないでしょうか。キャビアや松阪牛等の高級食材や外食は、一般食材より多少高く設定したほうがいいと思います。テイクアウトした場合も同様に考えると、外食産業のサービス区分を見直す必要があるかもしれません。実際切り詰めて生活している人は自炊が多いだけに、庶民の味方となる軽減税率を期待してます。

給付つき税額控除が良いのでは（n_kamimura・埼玉県・46）

「軽減税率」は、食品など身近な物であれば軽減されている感がとてもあり、しくみとしてもわかりやすいです。しかし、消費税の使い道として社会保障サービスに利用するという事を考えた時に、軽減した分の税収に穴が空き、標準税率や社会保障支出を削るのでは本末転倒のように思えます。私は仕事も子育てもしておりますので、控除率がどれくらいになるのかがとても気になるところではありますが、「給付付き税額控除」による勤労税額控除、児童税額控除が実現することを期待します。

社会保障給付との関係を整理（月のしずく・京都府・39）

どちらも必要だと思っていましたが、議長の説明で軽減税率導入は逆進性の解消にならないと知り、Noとしました。給付付き税額控除の導入で気になるのは、社会保障給付との重複です。税額控除と社会保障給付にはどちらも似た効果がありますが、他方で違いもあります。たとえば、税額控除は年1回の申告と還付が基本ですが、社会保障給付はニーズが生じた際にその都度申請・受給ができ、受給権の面からみると違いがありますが、それでも統一すべきなのでしょうか。

給付付き税額控除に賛成（猪・東京都・36）

給付方法によって、勤労意欲の向上や少子高齢化対策に使えるというのは非常に良い。マイナンバー制度が必要という問題があるということだが、そもそも公正な課税や給付を行うために必要なことであり、消費税導入を機に導入すればよいのでは。システムの構築やセキュリティの強化は、他の課税制度にも利用でき、費用以上の効果が見込めると思う。一方、軽減税率の導入にかかるコストは、他の課税制度にも応用しにくく、応分の効果がないようにみえる。

複雑にしない工夫を（blueberry53・大阪府・56）

税は仕組みを単純化すると徴税コストは下がるかもしれませんが、不公平が出ると思います。逆に、公平を保とうとすれば複雑になり徴税コストも増大します。この問題はベストな答えがないと思いますが、200万人を越す生活保護にかかっているコストと比較すると、消費税の仕組みは簡素化し、低所得層として影響の出る生活保護の厳密なチェックと適切なサポートで公平を保つのも一つの方策だと思います。

皆さんから多くのご意見を頂きありがとうございました。もっとも、給付付き税額控除より軽減税率のほうがいい、という結論は議論の前後で大きく変わりませんでした。
 
大変興味深かったのは、フランスやドイツにお住まいの方から、軽減税率は生活に溶け込んでいるので、それほど不便に感じられたことはない、それなりの秩序が形成されている、というご意見がいただけたことです。欧州では50年以上の歴史のある消費税ですが、わが国で新たにこの制度を導入する場合には、相当異なる反応かもしれません。たとえばインボイスの導入ひとつとっても、業界から反対が出るでしょう。
 
軽減税率反対意見の論拠としては、税収に穴があくので、せっかくの社会保障財源として使えなくなる、という点と、税制が複雑になるという2点が多かったですね。消費税収で１％分、つまり2.5兆円の穴があくということは、その代替財源をどうするかという議論につながり、簡単ではありません。この点を含めて提言をしていくことがフェアな議論になります。
 
最後に、皆さんの投稿を読むと、この問題を極めて真剣に考えられていたという感じがひしひしと伝わってきます。その意味で、この議論をやってよかったと思います。年末までにこの問題の決着がつくのではないでしょうか。
 
このあたりの議論を深めていただくためにも、ぜひ「消費税、常識のウソ」（朝日新聞出版）を読んでいただきたいと思います。


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【森信議長　過去の円卓会議より】
国民皆確定申告、賛成ですか？
増税に関する議論。理解できていますか？
国民の番号制度導入に、賛成ですか？

• 2012.09.28
• 森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹、中央大学法科大学院特任 教授