働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3781 開催期間 2025年08月08日- 09月26日
投票では、YESがジワリと上がり、26%が「知っている」となっています。今回もいろいろ投稿いただきありがとうございました。先週、“おがわ”さん、“シンゴパパ”さんから苦手なことのサポートについてご意見をいただきましたが、境界知能の人は「個性の範囲を超える苦手さ」があり、「得意なことがなく苦手なことばかり」というケースも多いようです。 「多様性,個性ととらえる」(黒船さん)、「政府から会社で研修を行うように示し、少しずつ理解を深める機会を作っては」(やっちゃん24さん)など、まずは境界知能への周囲、社会の理解を深めることも重要です。 先日、知的障害のある受刑者の処遇を行っている、千葉県の「市原青年矯正センター」を見学しました。おおむね26歳以下で比較的軽い刑期の男性受刑者を対象にしたプログラムを実践していますが、35名の入所者中13名が境界知能、すなわち境界知能も対象にとされていました。 科学的知見に基づいて個々の特性に応じた処遇が、司法関係者だけでなく、心理、教育、福祉、就労支援、医療者の多職種が連携して作成されていました。起床から睡眠時まで24時間一貫した方針を複数の担任と全てのスタッフで支えていること、授業や職場(就労訓練)の場に限らず、生活場面で生じうる困りごと、困難さを随時把握できて、速やかに助言や対応がなされており大変参考になりました。 具体的には、教科教育ではICT教材を導入し個別的学習を行っています。小学2、3年レベルの算数、国語からスタートになることが多いということですが、時間内にわからない内容は教官が巡回し個々に教えてくれます。達成感が得られると次の課題に自分のペースで取り組むことができることから基礎学力が向上し、中には高校卒業レベルの内容を理解できるようになることもあるということでした。 「文字による対話」としては日記指導が行われていました。日記を書くのは受け身の体験で苦手意識が強い子どもも多いのですが、施設で準備された日記には、睡眠、体調、今日の気分、今日の出来事など細かく区切られており、最後に自由に記載できる広いスペースがありました。その下に職員からのコメント欄があり、複数の職員がコメントを書いていました。自分のペースで書くことができる、複数の職員からコメントが期待できることから、スペースに入りきらない分量を書くことも珍しくなく、漢字など辞書で調べて記載しているのが特徴でした。 家庭や学校(通常クラス)でこのような対応ができれば、境界知能の人の多くは希望をもって社会にでていくことができるでしょう。 対応のポイントを考えてみました。まず特性の受容です。「知能が低い」というのは当事者にも誤解と偏見が生じやすくなります。境界知能はIQ値の概念ですが、本来は「(軽いながらも)支援ニーズのある知的機能の人」を示しています。「金銭管理(計算)ができない、時間の管理ができない、聞き取りが苦手、板書に時間がかかる」などより具体的な困難さのリストをもとに、判断できる指標が必要と考えています。 境界知能の人の困難さは、学習、生活、就労、余暇活動など多岐にわたります。相談支援には多職種の人の関与が求められます。そして、支援プログラムは、個別化、未来志向型を作成する必要があるでしょう。家庭で、学校で、職場で、地域社会で、できるところから実践していくことです。 最終的には、社会全体の理解を促進することで、上から目線になりがちな「障害者手帳」の取得対象者を少なくすることだと思います。 今回もお付き合いいただきありがとうございました。★古荘議長の著書もお読みください『境界知能: 教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』★古荘議長の過去の円卓会議より・生きづらさを感じた時、対処する方法ありますか?・年始の災害・飛行機事故。心への影響を感じますか?・「発達性協調運動障害」、ご存じですか?
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