働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3242 開催期間 2013年06月14日- 06月21日
皆さま、一週間ありがとうございました! 最終的には、「NO」(=投資信託を保有していない)が、6割程度という結果でしたね。ここ数年の株式市場や為替相場の状況からすると、順当な結果ではないかと思います。 さて、3日目にご紹介した「リスクヘッジ」という観点に対する投稿をいくつか頂戴し、ありがとうございました。投資信託も含め、株式や外貨建て商品などのリスク商品は、「リスクのある(=危険な)商品」として捉えられていますが、一方で、インフレなどの「リスクに備えることができる商品」でもあると浅井は考えています。したがって、インフレなどのリスクがどの程度見込まれるのかによって、手持ち資金の投資配分を決めることが大切でしょう。 黒田日銀総裁の金融政策は「壮大な実験」です。失敗に終わった場合、国家財政のさらなる悪化(=長期金利の上昇、&物価上昇)を引き起こす可能性があります。逆に上手くいった場合も、目標とする2%の物価上昇が達成されることになりますので、いずれにしても「物価上昇というリスク」が、以前より高まっていることは確かでしょう。 したがって、mayupyonさんのご質問にお答えすると、まずは「手持ち資金の1割」を目安に、積立投資を始めてみるのがよいかと思います。 3日目の投稿で、時間の分散効果を実感されていないという意見もありましたが、たとえば、2007年7月末(月末時点での前回の株価の高値、つまり最悪の時期)に、日経平均に連動する投資信託(インデックス・ファンド)を買った場合、昨日(6/20の終値)時点で25%も値下がりしています。一方、同じ時期から先月末まで、71カ月にわたって月末に同じ投資信託を買った(=積立投資をした)場合、プラス25%の成績です。このように、時間の分散効果はいまでも健在ですので、何十万、何百万円という資金をすぐ投資に回すのではなく、何回かに分けて(できれば毎月の積立で)、投資を行っていくことが大切です。 あと、投資は長期で行いましょう、とよく言われますが、単に長期で保有すればよいわけではありません。金融マーケットには上がったり、下がったりという数年単位のトレンドがありますので、ピークのときには長期保有などと言わずに、利益を確保しておくことが不可欠です。 たとえば、国内株式に投資するタイプの投資信託を例に挙げると、運用担当者が今後は株価が下がると思ったとしても、預かった資金は国内株式で運用しなければなりません。すべて売却して現金化することはできないのです。ですから、株価上昇が加熱したと思ったときは、自分自身で行動する(=投資信託を換金する)より方法はありません。 手前味噌ですが、浅井は、2007年10月の 「マネーの講座に参加したこと、ありますか?」という議論の際に、『今後の動きについては、個人的に「かなりヤバい感じ」を抱いてますので、いまちゃんと勉強もせずに中途半端な知識のままで投資をするのはおすすめしたくない』とコメントしましたが、10月初旬(日経平均株価=1万7000円、1ドル=117円の時点)に、リスク商品をすべて売却することを提唱していました。 また、 2008年2月の「この1年、あなたの財産は増えましたか?」でも、『昨春の不動産投信(J-REIT)の価格は、「歴史的な高値」(=回復不能)だったと思っていますし、国内株式も高値を抜くには数年かかるのではという、実に悲観的な意見を持っています』とコメントしています(ご参考までに、不動産投信は、現在でもピーク時の半分程度の指数です)。あのときは、米国で長短金利の逆転という「明確な売りサイン」が出ていましたので、かなり自信を持って予想していました。 今後の私の予想が当たるかはわかりませんが、株式市場の動きは為替相場(対米ドル)次第と考えています。すなわち、円安=株高、円高=株安、ということです。そして、為替相場については、歴史的な円高局面はもう終わったのではないかと考えています。 ご自身の大切なお金の一部を、物価上昇というリスクから守るために投資に回す、という行動は、万が一に備えて生命保険に入るのと同じ発想ではないでしょうか。だとすれば、「積立投資」という時間の分散効果を味方につけて、価格変動リスクを抑えながら、少しずつポートフォリオをつくっていくのが無難です。 個別の株式投資や外貨預金など、他にも方法はいろいろありますが、「1万円程度の少額から投資ができる」という投資信託の特徴は、積立投資を行う際には大きなメリットになります。だからこそ、今回は投資信託を取り上げた次第です。 ただし、浅井は、いますぐインフレが来るとは思っていませんので、実際に投資するかどうかは、じっくり勉強したあとで判断しても十分間に合うと思いますよ。ですから、嫌ったり、あきらめたりせず、この機会に、投資信託の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。 それでは、一週間、ありがとうございました! また議長をさせていただく機会がありましたら、よろしくお願いいたします。★浅井議長の過去の円卓会議より・これ以上の円安を望みますか?・今年はお金を増やせそうですか?・今、外貨預金に興味ありますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.