働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3245 開催期間 2013年07月05日- 07月12日
『「テレワーク」の正しい意味、知っていましたか?』は、現在Yesが31%。初日よりYESが6%減です。 ご自分のテレワークに関する理解が正しくなかったと認識された方がいらしたからだとしたら、今回の議論は、基本であるがゆえに、重要であると感じています。 さて、まずは前回予告したように、「テレワークの分類」についてお話しましょう。テレワークは『ITを活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方』と定義されています。この対象がとても広いため、「テレワーカー」と一口に言っても、働く形態も違えば、テレワークをする理由も違います。 まず最初に、働く形態からみてみましょう。働く人は、会社と雇用契約を交わして仕事をしている人と、自営で仕事をしている人に大きく分かれます。前者の状況、週8時間以上テレワークをしている人を「雇用型テレワーカー」、後者の場合は「自営型テレワーカー」といいます。 次に、テレワークをする理由をみてみましょう。仕事中に移動するため、移動中の新幹線や街のカフェなどさまざまな場所で、週8時間以上テレワークをしている人を「モバイル型テレワーカー」といいます。これに対して、移動がしにくい状況にあり、主に自宅で同様にテレワークする人を「在宅型テレワーカー」といいます。 それぞれの要素を組み合わせると、大きく以下の4つに分類することができます。 こちらの図(テレワークの分類)をご覧ください。(1)会社に雇用されて、移動しつつテレワークをする人 (2)会社に雇用されて、自宅でテレワークをする人 (3)自営で、移動しつつテレワークをする人 (4)自営で、自宅でテレワークをする人 それぞれの働き方をしている人をイメージしやすいように、該当する名称をあてはめてみましょう。(1)営業担当者 (2)在宅勤務者 (3)ノマドワーカー (4)在宅ワーカー もちろん、これはあくまでも一例に過ぎませんが、まずはイメージできたでしょうか。 その人の働く形態と、テレワークが必要な理由によって、仕事をするスタイルも必要なツールも、さらに、普及に必要な支援・施策も異なります。特に、少子化が長く続き、労働力人口が確実に減っていく日本にとって、「働きたくても働けない人が、働けるようにする」ことが重要です。 通勤できずに働けない人(労働力としては「0」人)や、出産や育児、介護等で退職せざるを得ない人(「0」人になるかもしれない)たちが、テレワークという新しい働き方で働く(労働力「1」人)ことができたら……。 このような働き方を実現するために、先月閣議決定されたIT戦略本部「世界最先端IT国家創造」宣言では、『週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上にする』ことが目標として掲げられているのだと私は考えています。 それでは、上記の4つの分類(私、独自の分類方法です)に沿って、イー・ウーマンのみなさんの働き方をみてみましょう。 産休復帰後、体調不良や子どもの保育の都合で出勤できない日に、裁量労働制のもと、自宅で仕事をしている東京都のpalkaさん。間違いなく「テレワーカー」で、(2)の在宅勤務者ですね。 フリーライターで、パソコンを使って仕事をし、自宅だけでなくカフェ等で仕事をすることもある東京都のみずのさんは、(3)のテレワーカーでしょうか。ただし、遊牧民の意味を持つ「ノマド」というほどではないので、「フリーランス」「SOHO」といった名称が適切ですね。また、みずのさんが「外に出にくい理由」があって、この職業を選択され、そのために在宅で仕事をするのがほとんどであれば(4)と考えることもできます。 雇用型で基本的に会社にいる管理職のmarco302さん。海外出向のため24時間勤務、休暇中、移動中、帰国中もITで仕事をしなくてはいけないとのこと。まず、テレワークかどうか、という点については、海外でのオフィスが「仕事場所」として出向されているのであれば、テレワークではありません。また、「管理職でもテレワークが可能?」というご質問ですが、もちろん可能です。どんな役職、どんな仕事でも、離れてできる環境を作ることが重要。 ちなみに私は、経営者かつ管理職ですが、どこにいても、今の部下の様子を把握し、指示を出したり、相談に乗ることができます。これについては、あらためてお話しましょう。 実験装置を借りに別施設に行ったり、実習で教育機関に出向くというviolet-mさん。それは出張ですね。ただ、その移動時にITを使って仕事をしていると、(1)のテレワークをしていることになります。 企業の情報システム部に所属して、月に1度ぐらい、自宅で夜間のシステムトラブル対応をしてるtibikoさん。その時の仕事形態はテレワークですが、突発的かつ週8時間未満なのでご自身は「テレワーカー」にはならないと思います。ただ、私が気になるのは、夜中にトラブル対応している時間に対して、深夜割増がされているかどうかです。 そして、東京の会社に雇用されつつ、大阪の自宅で仕事をしているLiangziさん。必要に迫られてカフェや出張先で仕事をされることもあるようですが、確実に(2)のテレワーカーです! また、ご本人のおっしゃるとおり、同様の働き方ができている人は、まだまだ少ないです。弊社にはおりますが。 最後に、通勤に2時間かけて「典型的なオフィスワーク」をしているという緑風さん。ワークライフバランスの向上のためにも、在宅で働く環境を会社にも用意してほしいですよね。自分が実施しているプロジェクトのご紹介で恐縮ですが、今、個人的に『誰もが働ける社会へ!あなたの社長に「在宅勤務」の必要性を伝えたい!』というクラウドファンディングに挑戦中です。よかったら見てください。 いかがでしたか? 分類を明確にすることで「テレワーク」への理解がさらに深まるとうれしいです。 さて、テレワークの定義と分類を理解できたところで、次回への問いかけです。テレワークが可能になったとして、生き方はどう変わるでしょうか。働き方から、未来を想像してみましょう。「沖縄の海を見ながら、仕事をしているかも」「通勤時間を勉強時間にして、別の資格を取っている」「自宅で働けるなら子どもを3人産みたい」「親の介護で一時期田舎に帰っても、今の会社で働き続けているはず」などなど。そのために何が必要かなど、知りたいことがあれば、どんどん質問してください。★田澤議長 過去の円卓会議より・在宅勤務でも、自己管理できますか?・会社命令があれば、1カ月在宅勤務できますか?・今の働き方、ずっと続けることができますか?
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