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会議番号:3356 開催期間 2015年07月31日- 08月07日
最後の皆様への問いかけは「次世代に、聞かれたら困ることは何ですか?」でした。いよいよ会議最終日多様なご意見やご提案をいただきました。次世代に妊娠や出産のことを伝えるための自分軸、さらに太くなるでしょうか。 「NOからYESに変えました」と嬉しい投稿をくださいましたmayupyonさん。「出産経験がないから教えられないと思っていたのですが、妊娠までのことなら教えられると思います。自分自身が悩んだことなども反面教師になるとしても体験を伝えて、そこから考えてもらえたらいいなと思います。」「自分にもできることがあると、会議を通じて考えが変わりました。」 自分も悩んだよと、共感的アプローチは、次世代にもきっと喜ばれるでしょう。 オランダのある調査結果によれば、safe sex :セックスに関するトラブルを経験しなかったグループに対し「誰からの情報提供で、safe sex が実現できているのか」という問いに対し、「親」と応えたのは約5%だったそうです。 多くの次世代には、ナナメの関係からの情報提供が「性の健康行動」の羅針盤となる。親ではない大人や先輩として、「ともに考える」場づくりが鍵となりそうです。 妊娠出産や性のトラブルは多様で、黄金律の正解はありません。 「今の息子(20代)に聞いてみよう。“小さい子から、性に関する質問が来たら何と答える?”」と真打ちさんのように、対話型アプローチが功をなしそうです。オープンな親子関係が深まりそうで、素敵です。 高校生以上の10代や20代の情報源は、インターネットや友人の体験談です。でもその情報源は、バーチャルな商業的性情報がほとんど。性感染症予防策や避妊方法の医療者からのネット情報はあっても、リアルな人間関係上で大切にすべき点を学べる情報や機会は、ほぼありません。 「セックスの事」という、にしひがしさんは「責任をもって(互いに病気を移さない、複数のパートナーと相手を共有しない、妊娠出産についてのリスク)コミュニケーションをとって欲しいと思っています。セックスは、愛し合っていたら自然な事、だと思うからです。」とストレートに自分の意見を伝える提案くださいました。こちらも次世代への重要なサポートとなりますね。人の印象やメッセージは、態度が93%言葉が7%といわれますから、明言する大人がいることも、次世代が頼もしく感じるはずです。 「妊娠を目的とせずに性行為をすることについては、10代に説明する言葉を今は充分に持っていないと思います。」ひるねさん、「恥ずかしいという態度を取ってしまうと、子どもも“これは恥ずかしい話なんだ”と受け取り、本質が伝わらないかも。」とアサーカスさんのように、大人でも言葉選びに戸惑うのは大多数です。 言葉でのメッセージは7%とはいえ、性的な言葉選びは、緊張しますよね。まず前提として、次世代に個人のプライバシーや性的経験を伝える必要性はないと、カナダの著名な性教育者メグ・ヒックリングさんは言います。 もし体験を聞かれたら「それはプライバシーだから」「私が学生の頃、クラスメイトの事例で教訓になったことがあってね…」「あなたなら、どうする?」と対話していくパターンなら可能かもしれません。 【今、この目の前の次世代が、知ると良いのはどのタイプの性情報か?】と、一度俯瞰してみるのも得策でしょう。 「いのちをつなぐリプロダクションの性」や「ライフデザインのための避妊方法」「相手と向き合うためのコミュニケーションの性」「商業的性情報の誤った解釈の訂正」など、アプローチは多様です。 また、経験していないから伝えられない、と話す大人は多いものですが、産院で働く若い助産師さんたちの多くは出産経験がありません。「経験値がなければ伝えられない」ということも無さそうです。 子どもが知りたいのは、商業的性情報洪水の中を、無事に泳ぐための浮き輪のようなサポート情報。何かあれば飛び込んで来て助けてくれるプールサイドのLIFE GARDのような、わからない時に質問・対話できる大人の存在なのかもしれません。 大原則は、「妊娠出産は、いのちが生まれる尊いこと」と厳かな態度。それは、生まれているすべての人が伝えられることです。 「あなたの命は世界で1人、かけがえのない存在。 命は性からしか繋がらない。性は“心が生きる”と書く尊いもの」。この自尊感情へのアプローチを起点に、妊娠と性を一緒に考えるチャンスが広がりそうです。 それは未来をチェンジするために、すべの大人がチャレンジするに値することかもしれません。 1週間ありがとうございました。★大葉議長の過去の円卓会議・養子縁組に、興味がありますか?
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