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会議番号:3426 開催期間 2017年02月10日- 02月17日
今回は、依存症の「対策」についての投稿を多くいただきました。子どもを薬物等の依存症にさせないために、周囲の大人の気づきやケア、家族のコミュニケーション、教育の重要性をほとんどの方が指摘しています。そのためには、大人が実態をしっかり把握する必要があります。 まず現状についてですが、ネット依存症の増加とは逆に、最近青少年の飲酒率、喫煙率はともに減少傾向にあると報告されています。一方、危険ドラッグは、覚せい剤・大麻に化学構造を似せて作られた物質などが添加されたものですが、多幸感を得ることを目的として、未成年にも乱用されることがあります。中学生の薬物乱用問題は、シンナー、トルエン等の有機溶剤から、危険ドラッグに変わってきています。 次に、きっかけですが、ほとんどの方は興味本位と考えられているでしょう。ゲートウェイ(入門薬)という概念をご存じでしょうか? タバコを吸うことで、危険ドラッグや非合法薬剤への抵抗感が下がり手を出しやすくなる、さらには、ノンアルコール飲料を飲むと、アルコールに手を出しやすくなることも指摘されています。 興味本位でなく大きなトラウマをかかえて自傷行為がある子どもは、より注意が必要です。自傷は、体を傷つけて痛みを感じることで、心の痛みを一時的に忘れる行為という面もあります。しかし自傷にも「耐性」ができて、効果がなくなると、次の行為としてアルコールやタバコなどの薬物に手を出す、青年では睡眠薬や非合法薬剤のこともあります。 大人が「興味本位」と思っていても、中には、つらい自分に気づいてほしいというSOSのサインのこともあります。このような子どもには、興味本位の使用を防ぐために行われる教育が、「自分は大事にされていない。だめな人間」とネガティブなメッセージとして伝わってしまいます。 なぜ繰り返すのかということですが、低年齢の子どもほど依存症になりやすいという特徴があります。一方、適切な支援が得られれば依存症から回復することも可能です。“kyoko004”さんの「倫理観と地域の目、お金の管理」とのご指摘は中学生以上の興味本位でトラウマのない子には有効ですが、トラウマのある子やより低年齢の子の場合は、それだけでは難しいです。 耐性や離脱については、子どもに特徴的な様子について報告は多くありません。ネット依存症の子どもが、ゲームをとりあげると人が変わったと思えるほど半狂乱状態となる、ネットのため短期間で人間関係や部活を危うくする、などの行為は子どもに見られやすいものかもしれません。 すでにご意見を多くいただいていますが、最終日に向けては「子どもの依存症」の「対策」について引き続きご意見をお送りください。ネット依存症、トラウマを抱えた子どもへの対策もお待ちしています。★古荘議長の近著をご紹介します『発達障害とはなにか 誤解をとく』 (朝日選書) ★古荘議長の過去の円卓会議より・病気か個人の問題か、迷うことはありますか?・「教育虐待・教育ネグレクト」について考えたことありますか?・残酷な映像で、精神が不安定になったことありますか?
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