働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3426 開催期間 2017年02月10日- 02月17日
本日も多くの投稿をいただきありがとうございました。投票は圧倒的にNoが多くなりましたが、多くの方が個人の実体験に基づいて発言され、その重みを感じます。いろいろ私の事例も考えながら読ませていただきました。全体をまとめて私の意見を述べ、投稿いただいたすべての方へのコメントにかえさせていただきます。 日本は、薬物依存症には臭いものには蓋をするような対応をしてきました。子ども教育は避けて通り、手を出した青年・成人は自己責任、子どもであれば親の責任、依存症の人に冷たい社会、そして専門家の育成も疎かになる……。これでは解決しませんね。 日本は、先進国の中では薬物依存症の人は非常に少ないです。そのため、薬物依存症は本の一握りの、意志の弱い人間の問題として扱われてきたように思います。自己責任として見放された本人だけでなく、その家族もつらい思いをしてきました。児童養護施設には、薬物所持で親が逮捕された子どももいます。施設の職員でさえ「親は犯罪者、子どもが親のようにならないようにしっかり指導しなくては」という考えの人もいます。 依存症になりやすい人もいます。神経質な人、不安の強い人、ストレスに弱い人。昨日お話ししたトラウマをかかえた人は、虐待やDV、性犯罪など対人関係の被害者が多いです。もともとストレスを強く感じる人が、薬物を使用し強い罪悪感を持ち、周囲からのサポートもなく、八方ふさがりとなり依存症になっていきます。薬物を断ちたいと決意しても、ストレスを契機に再使用につながります。離脱症状が増悪することもあります。支援者は、強く内省を求めがちですが、精神論と社会の罰則対応では逆効果と言わざるをえません。 ネット依存症については、日本は他の先進国よりも多く、低年齢化が進んでいる可能性があります。韓国では、強い危機感をもっており、年齢を区切って夜間のオンライン接続を制限するなどの取り組みを行っております。昨日、ゲートウェイ(入門薬)について述べました。ゲートウェイ理論は、毒性の低いもの、無害な物でだけでなく、良いもの・便利なもの(ここではネット使用)にも共通です。親や周囲の子どものスマホ、それだけでなく、塾や学校で使う教材もゲートウェイとなりえます。周囲も公認したネット環境が、使用法、使う人の特性によって、依存症になりうることを社会全体で認識する時期に来ています。 電車に乗るとほとんどの人がスマホを操作しています。歩行中だけでなく、エスカレーター、エレベーターの中でも操作を続けます。ネット空間は、ほとんどが視覚情報のみの特異な空間です。エレベーターや電車の中で、すぐ隣にいる人とも、状況をまったく共有できていません。現実におきていることと、自分が行っていることが乖離している。分別のある大人でも問題ですが、私は、発達途上の子どもが、早期からこの環境にいると自己認識も曖昧になり、人工的に乖離状態を作りかねないと危惧しております。 日本小児科医会は、「スマホに子守りをさせないで!」など、子どもとメディアの問題に対する提言をし、啓発活動を行っています。 使用開始時に、時間やツールを制限するだけでなく、スマホなしの時間設定する、生活習慣を守るなどの約束を、単に親任せではなく、社会、国全体で取り組む時期にきていると考えています。 1週間多くのご意見をいただきありがとうございました。★古荘議長の近著をご紹介します『発達障害とはなにか 誤解をとく』 (朝日選書) ★古荘議長の過去の円卓会議より・病気か個人の問題か、迷うことはありますか?・「教育虐待・教育ネグレクト」について考えたことありますか?・残酷な映像で、精神が不安定になったことありますか?
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