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会議番号:3472 開催期間 2017年11月24日- 12月08日
たくさんの投票・投稿ありがとうございました。 質問も多くいただきました。 まず1日目の私のコメントで、更年期の定義について、閉経前後の5年間を「更年期」と、と記載させていただきましたが、cheerさんのご理解のように閉経前5年、閉経後5年の合わせて10年間を「更年期」ということを意味で正しいです。わかりにくい表現で失礼致しました。 himikさんからは「生理がつらい人は更年期もつらくなるのか」という質問をいただきましたが、月経痛の原因となる子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患は、ホルモン依存性の疾患ですので、むしろ閉経後はそうした疾患は軽快に進むことが多く、生理がつらい人は更年期もつらくなるという関係性はありません。外来では、長年、月経困難症や過多月経で月経時に苦労されてきた方は、逆に閉経を待ち望み、更年期症状はこれまでの大変さを思えば何ともない、とおっしゃる方が多いです。 violet-mさんのように、子宮筋腫などで子宮のみ摘出し、卵巣は残す手術を受けられた方は、手術後、月経はなくなるため、月経状況から閉経の判断できません。ホットフラッシュなどの更年期症状を感じるようになったら、採血で女性ホルモンの検査を受けることで閉経レベルであるかどうか確認できます。 walk714さんからは、月経量が少なくなった場合は、更年期以外に注意すべき病気があるのか、という質問をいただきました。閉経前の月経サイクル、出血量の変化は様々です。閉経に近づいているかどうかは、出血量より月経サイクルの乱れの方が判断材料となることが多いです。また、walk714さんは、現在42歳ということですので、もし月経サイクルが規則的(25日~38日、変動は±6日以内)であれば、月経期間の総出血量の正常範囲は20ml~140mlとされておりますので、その範囲内であれば問題がない可能性が高いと考えられます。 今回は、更年期について学ぶ機会をどう増やしていったらよいかについて、ご意見をいただきました。女性向けの健康セミナーを「男女向けに」(あさーかすさん)、「夫婦で学べる機会」(blueberry53さん、unagiさん)など男性も含めて学ぶ機会をという声が多かったです。私が経験してきた企業での健康セミナーでは、男女参加可能とした場合、男性側からは女性の悩みがよくわかった、家庭でもより協力的になろうと思った、などの声が多いのですが、女性からはデリーケートな問題なので、女性のみを対象としてほしかった、という声も必ず少数ですがあるのが現状です。「男性の同僚・上司も含めて理解してもらう必要」から研修に情報を組み込むという意見(おれんじ78さん)もいただきました。男女に限らず、ラインケアなどにメンタルヘルスやハラスメント問題だけでなく、女性特有の健康問題(不妊治療・妊娠・月経痛・更年期など)についての理解が深まる情報が盛り込まれることが一般的になるとよいと思います。 市民公開講座など一般向け講演では、ご夫婦で参加してくださる方は、講演会全体の内容などにもよりますが、一般的には3~5%の割合のことが多いです。また、私の外来への予約も、経緯はわかりませんが、ご主人がお電話を掛けて予約されるケースも時々あり、ご夫婦で受診される方もいます。時には、パートナーと同伴され、「私の身体の変化を主人にわかるように先生から説明してください」という要望もあります。 いぬいるかさんの提案にもありましたが、10月18日が世界メノポーズデ―(更年期の健康にかかわる情報を全世界へ提供する日)とされ、日本でも日本女性医学学会主催で10月18日から10月24日の1週間を「メノポーズ週間」としています。今後、こうした週間に合わせて、より多くの方が更年期について学ぶ機会が増えていくと良いと思います。 ナカサワさんからは、専門外来を増やしてほしいとのご意見をいただきました。日本女性医学学会のホームページには、地域別に女性ヘルスケア専門医のリストも公開されていますので、それらも参考にされると良いと思います。 更年期については、まず更年期にどのような心身機能の変化が起きるのか理解しておくことが大切です。理解し、対処法を知っておけば、真打ちさんのいうように「いたずらに恐れることはない」と思います。そして、更年期を単にネガティブなものと捉えるのではなく、更年期を機会に、その後の残り40年近い人生をより充実して過ごすために、これまで以上に規則正しい生活をすること(生活改善)、バランスの取れた食事をすること(食生活の改善)、適度な運動をすること(気分転換と筋力の維持)を心掛け実践していく時期と考えていただきたいです。 日本人の平均寿命は、戦後に30年以上も伸びました。しかし、女性の閉経年齢は約50歳とほぼ変化していません。女性が、一生のうちで女性ホルモンの助けを受けない期間をこれだけ長く過ごす、という昔ではありえなかった初めての時代になっています。そして、女性の健康寿命と平均寿命の差は約12年もあります。ぜひ健康寿命を延ばすことを意識した健康管理に努めていただきたいと思います。 更年期にかかわる様々な問題は、外来でお一人お一人と向き合っても、診察にもとても時間を要することがあります。今回、皆さんの投稿に十分な回答ができなかった点も多々あるかと存じますが、ぜひ皆さんそれぞれが良きパートナードクターを持ち、ご自身の体調にあった適切な健康管理のためのアドバイスをお受けになることをお勧め致します。 一週間ありがとうございました。★鈴木美香議長の過去の円卓会議より・女性ホルモンについて、学んでいますか?・過去1年。乳がん検診受けましたか?・体調管理に漢方を使ったことがありますか?
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