働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3501 開催期間 2018年06月29日- 07月06日
さて、皆様、前回の円卓会議では「セクハラを会社に報告したこと、ありますか?」というお題にたくさんの投稿ありがとうございました。#me tooの勇気の連鎖・・・多くの報道がなされ、世論が盛り上がったことにより、ついに政府の動きがありました。今回はその後の進捗なども含めお伝えしたいです。 まず6月12日野田聖子男女共同参画担当大臣が「セクハラ緊急対策」を出しました。「セクシュアル・ハラスメント対策の強化について~メディア・行政間での事案発生を受けての緊急対策~」マスコミと霞ヶ関、今回のセクハラ案件で両方の意識があまりにも低いことがわかりました。緊急対策の中には各省庁の「課長級職員及び幹部職員にも研修を義務化する」とあります。また一般企業では、雇用機会均等法で定められた「セクハラ防止の措置義務」を徹底させること。その中には社内だけでなく、社外でうけるセクハラも防止義務のうちに含まれることも書いてありました。 また「女性をはずせばいいんじゃないの?」という女性の活躍をかえって阻害する結果にならないように「取材現場における女性活躍、メディア分野における政策・方針決定過程への女性の参画拡大などについて要請する」とあります。 マスコミと霞ヶ関のことでしょう? と人ごとの企業も多いと思いますが、経営者のリスク意識もあがってきています。日経新聞によれば「日本経済新聞社の「社長100人アンケート」でセクハラに関連する質問項目を加えたところ、「対策を強化している」との回答が85.5%に達した。「これから強化する」は2.1%、検討中も5.5%あり、合計で9割を超える企業がセクハラ対策を強化するか、検討していることが分かった」とのことです。 また6月26日に開催された「男女共同参画局」の専門調査会では「法制化への検討」もはじまっています。「ハラスメントを規制している国は、カナダ(1993 年、Article 264 of Criminal Code)など、30 か国ちかくあり、今後も増え続けるものと思われる。」(「ハラスメント(Harassment)防止法制定の必要性」(諸澤先生御提出資料))ということです。 またスウェーデンやフィンランドの法律の実例などが紹介されました。職場関連のセクハラに限らず北欧の法律はセクハラだでなく、複合的なハラスメントに対応しています。基本の考え方は 「ハラスメントは差別に基づくものである→差別(禁止)法が中心となっている」ということです。例えば職場での女性へのセクハラも 「=女性蔑視がベースとなっている =女性も対等な同僚であると考えていれば起こらない」ということです。 (「北欧におけるセクハラ対策」(矢野教授御提出資料)) ※資料引用元:男女共同参画会議 女性に対する暴力に関する専門調査会(第93回)議事次第今後の対応については「雇用機会均等法」の範囲となるので、厚労省でも検討され、「営業女性などの課題」も対象になるそうです。 セクハラはずっと「女子ども」の問題として軽く扱われる。または「個人の問題」「アンタッチャブル」なものとされてきました。あけてはいけない「パンドラの箱」ですね。しかし企業のリスクに関わる問題として今後は経営者が考えて行かなければいけない問題です。 働く人にとっては職場の生産性の問題でもありますし、企業のリスクです。「人材流出、賠償金、士気低下、ブランド毀損……。セクハラの影響は多岐に及ぶ。米国ではこれらが企業に与える損失は1社約15億円との見方もある」 また「反セクハラファンド」も登場しています。 「米国ではセクハラがあった企業の株を排除する『反セクハラ上場投資信託(ETF)』が3月に登場。セクハラ疑惑で創業者が辞任したカジノ大手、ウィン・リゾーツの株価が報道後3日で15%下げるなど、投資家の選別も加速している。」(日経新聞 「見ないふり」企業のリスクに(セクハラ・ゼロへの道)「男子文化」がそぐ活力 2018/6/29 )セクハラを防ぐ方法は、窓口や研修だけではない。法律だけでもないんですね。経済からのアプローチもあります。 ぜひみなさんも、明日から職場できるもの、政府ができるもの、経済からのアプローチ、いろいろな視点でよいアイデアがあったら教えてください。「セクハラをなくす良い方法、ありますか?」★白河議長の過去の円卓会議より・セクハラを会社に報告したこと、ありますか?・あなたの会社の働き方改革、うまくいっていますか?
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