働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3508 開催期間 2018年08月24日- 08月31日
「職場で女性差別がなぜなくならないのでしょうか」という問いかけに対して、今回もまた貴重なご意見をたくさん頂きました。 女性差別を生む要因として大きく浮かんできたのは、まず「性別役割分業意識」です。laliaさんが耳にした結婚式披露宴での「新婦さんは家庭を支え」「新郎は家族のために益々仕事に精進」というスピーチ。「昭和か?と突っ込みたくなる文言」とのコメントには笑えますが、「あるある」ですよね。 laliaさんがいうように、「夫は仕事、妻は家庭」という性別役割分業意識は高度成長期に強固なものとなりました。もはやこうした分業は合理性を欠くものとなっていますが、いまなお「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考えに、4割もの人が賛成だと答えています(平成28年度「男女共同参画社会に関する世論調査」、内閣府)。 男性片働きの意識は、職場の男女差につながります。「アシスタント職の9割が女性という環境(中略)職種に拘わらず補助的業務は女性にアサインしたり、従順な女性により高い評価を与えたり」(na0coさん)、「折に触れた成長機会すら女性はそこに居ないかのようにスルーして男性へ提供されます」(cheerさん)という証言が次々と寄せられました。 かつては、成長機会を与えられず職場に失望した多くの女性社員が、「結婚・出産」を理由として辞めていきました。この現象を目にしてきた管理職は、女性は「結婚・出産で辞める可能性が高い」として、だから「成長機会を与えても仕方がない」と考えがちです。職場で女性にチャンスを与えない、こうした見えにくい「女性差別」が男女差をどんどん広げていくことになります。 女性差別を生む二つ目のキーワードは、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)といえそうです。女性はこうあるべき、男性はこうあるべきといった無意識の刷り込みです。ぺりさんがいうように「男性はリーダー、女性はサブ」という意識が、家庭や教育現場、またはメディアを通して刷り込まれてしまうことが、職場での男女差につながるのです。「育児休業明けの女性には軽い仕事でないと無理だろう」「子育て中の女性が海外勤務なんてとんでもない」、これもアンコンシャス・バイアスです。 これは日本だけの問題ではありません。米国では、あるオーケストラで性別が分からないように衝立をたてて選考を行ったところ、女性の採用率が高まったという実験結果が知られています。また研究の世界でも、論文の筆者を伏せての評価では女性研究者のほうが高評価でしたが、名前を明かしての評価では、男性研究者のほうが高くなったというレポートもあります。 いま女性活躍を進める企業の間で、さまざまな制度を導入しても、アンコンシャス・バイアスが壁になって浸透しないと気づき、研修を行う動きが出てきています。 リンダ山本さんが紹介してくれたドイツの例も示唆に富みます。最近は男性も育児のために有給休暇や時短勤務をとることが珍しくなくなり、育休や時短が差別理由にならなくなりつつある、というのです。このように柔軟な働き方が男女問わず浸透するようになれば、「残業ができない社員」に対する差別もなくなっていくのでしょう。 そこで最終日に向けては、「職場での女性差別をなくすために、どのような取り組みが有効だと思うか」をテーマに、投稿をお願いしたいと思います。★野村議長の過去の円卓会議より・フェイクニュースにだまされない自信、ありますか?・定年を意識したことがありますか?
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