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会議番号:3513 開催期間 2018年09月28日- 10月05日
具体的なアイデアや意見をお寄せいただき、ありがとうございます! アンコンシャス・バイアスが引き起こすネガティブな現象に「ブレーキ」をかけるための意見としては、まずは自分が持っているアンコンシャス・バイアスを可視化しようというアイデアが挙がってきました。 レッズさんは、「毎日夜にその日一日を振り返りながら、アンコンシャス・バイアスに基づいた思考はなかったか?もしそうだった場合、他にどんな思考ができたのか?考えてノートに書き留めていく」というアイデアを挙げてくださいました。こうして可視化しておくと「ノートを読み返したときに自分の思考の偏りに気付く」(レッズさん)ことができるようになり、「他の思考にも思いが至るように」(レッズさん)なりそうです。 見えていないものには対処しようがないですが、可視化されたものに対してなら、「視点を変えてみる、多角度から見てみる、別の可能性を考えてみる」(いぬいるかさん)などのようにクリエーティブに思考を巡らせることができそうですね。こうした「無意識を意識化する自己検証は、ネガティブな現象にブレーキをかける第一歩」(いぬいるかさん)になりそうです。 masako11さんは、「アンコンシャス・バイアスによって、思いやりや配慮があるのは良い点だ」とした上で、みんなが同じ配慮を求めているわけではないので、その人その人に合わせて必要な対応をとれるような「柔軟性」をもつことがポイントなのでは、と指摘してくださいました。自分自身が柔軟な思考をもつためには「『絶対』『~が普通』『みんな』と思い込まないクセをつける」(pagiさん)などの意識づけも有効でしょう。 自己検証とは別の角度からの意見では、相手との対話を活かしてブレーキをかけるアイデアも挙がってきました。 DiamondBarさんは「定期面談を活用してあらかじめ本人の希望と状況を把握し、仕事の采配に役立てている」と教えてくださいました。黒船さんは、「まずは傾聴し、会話の中で相手がどのような意識を持っているか、どうして欲しいのか想像力を持って聞くことがネガティブ現象にブレーキをかけるのではないか」と指摘してくださいました。自分の持つアンコンシャス・バイアスに向き合うと同時に、相手がどんなアンコンシャス・バイアスを持っていそうかを知ろうとすることもポイントになりそうです。 コミュニケーションを加速させる「アクセル」を踏むためのアイデアも挙がってきました。 あさーかすさんは「新婚の女性スタッフになるべく負担がかからないように仕事を振り分け、『だって新婚だしね』と本人に声をかけたときに、『それってバイアスかかってますよ』と笑って指摘され、ハッと気づかされた」という実体験を挙げてくださいました。そこでコミュニケーションが加速し、本人は「まだまだ独身時代と同じように働きたいと思っていた」という本心を知ることができたとのこと。相手にアンコンシャス・バイアスがあり、自分自身が望まない対応をされたと思ったときに、受け流して我慢するのではなく「軽く明るく伝える」ということは、良い形でコミュニケーションを加速させることができるアクションだと思いました。 unagiさんは「妻よりも男性である自分の方が家事が得意で守備範囲が広く、それを話したときに人によっては『それは奥様としてダメでしょう』などと言われることが珍しくない」という実体験を挙げてくださいました。これまでは「なるほど、そういう考えもあるのですね」などと切り返し、相手の決めつけをさりげなく防御していたけれども、これからは思い込みの発言に対して「なぜそう思うんでしょうね」などと穏やかに続ければ、防御でなくコミュニケーションにつながるかもしれないと前向きな意見を寄せてくださりました。 思い込みや固定概念によるネガティブ現象は、コミュニケーションをとることでしか解決しません。そしてコミュニケーションがなくなるともっとバイアスは深まってしまう。そう考えると、「アンコンシャス・バイアスに気付いたその先のコミュニケーションをあきらめていないか?」「どうコミュニケーションをとれば、相互理解を深められるのか」について自己検証することも大切なアクションだと思いました。 真打ちさんは、その都度丁寧にコミュニケーションを取るきっかけになるなら、むしろアンコンシャス・バイアスは人間関係に活かせる感情なのではないかと指摘してくださいました。 さて、4日間にわたって「アンコンシャス・バイアスって悪いこと?」をテーマに議論を展開しました。 アンコンシャス・バイアスが「偏見」と訳されることで、かかっていたかもしれない「悪いものバイアス」を外して考えてみると、アンコンシャス・バイアスの良い所も見つけやすくなったのではないでしょうか。アンコンシャス・バイアスはありか・なしかというよりも「個人や国・地域、環境や時代によって」(黒船さん)影響を受ける「程度」の問題でもあるという視点も分かりやすいと思いました。 アンコンシャス・バイアスがネガティブ現象を引き起こすことがあるのも事実。解消するためにはコミュニケーションが必要で、だからこそちゃんとコミュニケーションを取ることが大事であり、コミュニケーションの「ブレーキ&アクセル」を意識すればアンコンシャス・バイアスとうまく付き合える方法はありそうだということも見えてきました。アンコンシャス・バイアスは「人の自然発生的な感情」(真打ちさん)であり、全員の心にあるものなのでそうした方が良いとも言えるでしょう。 ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、多様な個性を価値として活かせる社会の実現に向かっていくには、多様な個性を排除せず、迎え入れたとしても、それだけではなくその先に自分と身近な人がより深くつながりあい相互理解を深めていけるようになっていくことが重要だと思います。私たちも、身近な1対1の人間関係がより深くなっていくために、自分の中にあるアンコンシャス・バイアスとうまく付き合い、コミュニケーションを加速していくためのアイデアを、これからも様々な企業で働く皆さんと一緒に、考えていける場を持ちたいと思っています。 1週間、お付き合いいただきありがとうございました。★阿佐見議長の過去の円卓会議より・LGBTの課題への取り組み。企業の事例、知っていますか?・LGBTの今後の課題、知っていますか?
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