イー・ウーマン（ewoman）

地域にあわせた情報の解釈（もろりん・福岡県・47）

ハザードマップや防災HPなど災害にそなえる情報は近年充実してきていると思いますが、それを受けて各地区でどう対応したらいいのかは様々です。地域の状況に合わせて、どう解釈してどう改善・解決していけばいいかなど、定期的に地区のイベントや集会などで解説してもらえればと思います。役所の担当がすべてするのは無理でしょうからそれぞれの専門業者へ委託し、その活動予算を確保してほしいです。ゲーム感覚で地区の危険な場所を探して回るイベントなどやりたいです。

三助の確立（真打ち・栃木県・49）

行政には訓練の実施と同時に、自治会未加入者へも告知が届く配慮をして欲しい。2月に実施された地区の防災訓練には、350人超が参加し（世帯数／約14,000）、安否確認・担架の組立・炊き出し訓練など一丸となって取り組んだ。のどかな地域だが、生活スタイルの変化と共に 挨拶以上の会話になる機会は、めっきり減っている。「自助」「共助」「公助」の三助が、円滑に機能する環境を地域全体で整備したい。

ハザードマップや障害者支援（ナカサワ・東京都・49）

地盤や治水など考慮したハザードマップ作成など、行政ならではの情報を活用して欲しいです。また障害者、高齢者など要配慮者のリストアップ、逆に医療、土木関係など災害の際に活かせるスキルを持った人材のリストアップは難しいでしょうか？

防災ツイッター、BCPの策定（unagi・東京都・58）

防災ツイッターは内閣府や都道府県レベルではすでに広がっていると思うのですが、市区町村レベルではまだないところも多いと思います。また、BCPの策定についても、地方の市町村ではまだ進んでいないと聞いています。地域のことをより理解している地方の地自体こそ、住民のすみずみまで情報が行き渡るよう、また、いざというときに業務が滞ることなく、もしものときもすぐに復帰できる体制を整えてほしいと思います。

いつでも未曾有の危機に覚悟（SallyChan・東京都・48）

行政に望むのは、安全な避難場所と備蓄の確保というところでしょう。各個人でできることも家の中を危険な状態にしないこと。それでもその場所が被害に遭ったり、出先で災害に遭えば元も子もないこと。とにかく命あっての物種。何があっても恐れない強い精神を持つことも普段から必要なことに思います。いつでも未曾有の危機に覚悟を持っていたいです。

避難所の整備（Jerryb・東京都・52）

行政にしかできないことは、避難所となる場所のハード面の整備だと思います。防災備品や非常食の備蓄、小中学校や公民館の耐震補強、防火などを進めて、それを住民にきっちり周知することが心の備えにもつながると感じます。

行政が機能しない前提で（blueberry53・大阪府・62）

行政には、二つのことをお願いしたいと思います。一つは、行政の職員の方も被災することを考えると常に全面的に行政に頼るのでなく、細分化された地域でもある程度までは自律的に対応できるようにすることです。そのための訓練や体制づくりの指導を日頃からお願いしたいと思います。もう一つは、どの自治体が被災しても周辺地域が効果的に応援できる体制をつくることです。被災自治体が機能しないことを前提に周辺自治体が体制や連携方法を確立しておくことで有機的な支援ができると思います。

行政とコミュニティあるいは市民との関係は、学校の先生と生徒の関係によく似ています。先生は、生徒を叱り飛ばして強制するだけでは駄目だし、生徒の宿題を代わりにしてしまっても駄目です。生徒が力をつけるように、上手に背中を押さなければなりません。行政には、コミュニティを励まして育てる役割があるのです。
 
ところで、地域の防災では「人、もの、情報」の3要素が欠かせません。この3要素に関して、コミュニティに欠けているものを育むよう、行政は力を貸さなければなりません。
 
人では、地域に防災アドバイザーを派遣して支援することや、地域の中で防災リーダーが育つよう研修をはかることが求められます。ものでは、リヤカーや調理鍋、救助設備などの非常装備の備蓄に協力することや、SallyChanさんやJerrybさんのご指摘のように、避難所の整備をはかることも求められます。
 
それに加えて、情報の支援は特に大切です。地域の危険性や地域の要支援者については、行政にしか手に入らない情報が少なくありません。ナカサワさんのご指摘のように、ハザードマップや要支援者データの提供が欠かせません。スキルを持った人のデータ提供も、ご当人の了解が必要ですが、防災の要素としての「ひと」を確保するうえで必要です。
 
ところで、行政に背中を押してもらうことは必要ですが、前に進んでゆく主人公はコミュニティ自身です。その前に進むための「羅針盤」が必要になります。その羅針盤が「地区防災計画」なのです。6年ほど前に災害対策基本法が改正されて、トップダウンの行政の地域防災計画とは別に、ボトムアップのコミュニティの「地区防災計画」をつくってよいことになりました。
 
学校に避難するのではなくご近所のお宅に避難しよう、歩けない方のために自動車を使って避難しよう、田んぼの水が溢れたらみんなで声をかけあって避難しようといったことを、地区防災計画で独自に決めるのです。この地区防災計画で決められた内容は、行政も応援することになりますので、共助と公助が連携した防災が進むことになります。
 
この地区防災計画の取り組みは、マンション単位でも企業と一緒でも認められますので、地域の防災力を高めるためにチャレンジすることをお勧めします。




★室崎議長の過去の円卓会議より
・ネパール地震の支援。あなたが出来ることありますか？（2015年5月）
・地震発生から1週間。援助なしで生活できますか？
・災害時の連絡体制、整えましたか？

• 2019.04.26
• 室﨑益輝 神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授・減災環境デザイン室顧問