働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3583 開催期間 2020年02月28日- 03月06日
皆さん、こんにちは。MM総研所長の関口です。本日もたくさんのご投稿をありがとうございます。3月4日朝の段階で「キャッシュレスを実践している」という方は前回より1%増えて87%です。キャッシュレス決済の課題としては、手数料の問題を挙げられた方が多かったように思います。 YOHEIさんより「クレジットカードよりQRコード決済の方が中間業者によるマージンが少ないと聞きます」という指摘をいただきました。また、キャッシュレス派でないという、あきんぼさんからも「安価な商品をそろえている店は現金のみのようです」という声をいただきましたので、今回はキャッシュレス決済の仕組みについて少し整理したいと思います。 まず今回の消費増税に伴う政府のポイント還元制度ですが、クレジット、デビット、電子マネー、QRコード決済など、現金払い以外の支払い方法であれば、すべてその対象になります。しかしキャッシュレス決済の仕組みはそれぞれ微妙に異なり、コスト構造も違います。クレジットカードはもともと米国の仕組みが日本に入ってきたものですが、日本にはそれ以前に割賦販売という決済の仕組みがあり、それを管轄していた当時の通商産業省の指導のもとでカード事業が広がりました。欧米などでは銀行がクレジットカードを直接発行しているのに対し、日本では別にカード会社が作られたのはそうした役所の縦割り構造が背景にあります。結局、最終的な決済をするにはカード会社は銀行に手数料を支払わなければならず、そこに中間コストが発生するようになりました。今回、キャッシュレス政策を財務省ではなく、経済産業省が進めている理由もそこにあります。 さらにカード決済では、NTTデータが提供している「CAFIS」といったオンラインの認証システムを使わなければなりません。そこにまた通信料と決済サービス料がかかります。さらにそうしたシステムを利用するには高額の決済端末を購入しなければなりません。中小の小売店などにクレジットカードが広がらなかったのは、そうした導入コストの高さに大きな要因があったといえます。 今回、政府のキャッシュレス政策で利用者を一番伸ばしたのは、ソフトバンクとヤフーのグループが提供する「PayPay」でした。その理由は大きく3つあります。1つは政府のポイント還元。2つめはPayPay自身による多額のポイントキャンペーン還元。そして3つめの理由が小売店側の導入コストの低さです。 通常のカード決済や電子マネー決済では、小売店が事業者に手数料を支払わなければなりませんが、PayPayはとりあえずそれを無料にしました。また決済にかかるコストも、店側にある紙のQRコードを購入者が自分のスマートフォンで読み取る場合、それにかかる通信料は購入者側が支払うため、店側には専用端末の購入費用も通信料もかからないことになります。 政府がキャッシュレス政策を進めている間はPayPayも小売店側に手数料をかけることはないと思いますが、還元制度が終わる6月末以降にどうなるかが普及に向けてのカギを握ります。PayPayが銀行口座からの直接チャージを推奨しているのも、カード会社を通さないようにすることで中間コストを引き下げようとしているからです。クレジットカードの手数料は小売店の規模や取引額によって料率が異なりますが、政府のポイント還元制度では、カード会社に対し手数料を一律3.25%以下にするよう求めました。制度終了後にその率を据え置くか、もとに戻すかはカード会社の判断に委ねられており、そのあたりも今後のキャッシュレス決済の広がりに影響を与えそうです。 今回は説明が長くなってしまいましたね(笑)。「Suica(スイカ)」や「nanaco(ナナコ)」などの電子マネーについても詳しくご説明したかったのですが、それはまたの機会にしたいと思います。 それでは本日の皆さんへのお願いですが、今回は皆さんのお得なキャッシュレス利用法をご紹介いただけないでしょうか。こうすればポイント還元率が高くなるとか、商品の割引額が多くなる、あるいは無駄遣いを防げる、といった情報やコツをご教示下さい。私自身も皆さんのキャッシュレス攻略法を楽しみにしております。★関口議長の過去の円卓会議より・フィンテックって知ってますか?・GAFAの個人情報収集、気になりますか? ・スマートスピーカー。欲しいですか?★関連テーマのディスカッション・キャッシュレス社会、賛成ですか?
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