イー・ウーマン（ewoman）

知人なので躊躇する面も（あさーかす・大阪府・50）

シングルマザーの知人が精神的に不安定で、子どもとの関わりを見ていると心配になります。暴力をふるっているわけではありませんが、子どもに気持ちがいっていない、ゆとりがないという印象です。そんな段階で児相に連絡していいものか、虐待かどうかを判断するのは児相なので、あまりそこは気にせずにひとまず連絡、ということでいいのでしょうか。知人なので、まずは自分が何とかしたいという気持ちでいますが、実際は力になれていません。

やはり難しい面がある（blueberry53・大阪府・66）

本当は、子どものためだけでなく、親のためにも必要だと思いつつもためらいます。通告をためらう理由は二点です。極端な暴力が連続して起きるなど虐待が明らかな場合以外は、その場でのたまたまの行動であるかもしれないと判断に迷うからです。もう一点は、誤解があった場合を含め、その方とトラブルに発展する可能性があると思うからです。騒音でのトラブルと同様に感じ方の程度に差がありますし、感情的になりやすい方との対応は難しいと感じます。

近況を言葉に（真打ち・栃木県・53）

私は子ども食堂に関わるが、短時間でも親子の様子に注視している。先日は、子どもの腕が傷だらけで驚き、改めて見てみると広範囲の虫刺されだったという事もあった。母親の服が、会う度同じである点も気になる。利用者は生活困窮と把握するも、決して一人親でなく、人によっては共働きだ。生活保護を勧める動きもあるが、私は家計の収支バランスを見直せば、暮らしは改善されると見ている。家の外で他人に近況を発信できる点でも、虐待に発展させない効果は非常に大きいと、私は思う。

さりげないつながり（unagi・東京都・61）

私が住んでいるマンションに、いつも母親の怒鳴り声と子どもの泣き声が響いている家があり、お隣の人と「どうしよう？」と心配していたことがありました。そのうちに引っ越してしまったので、自分が何もしなかったことを後悔しました。最近、同じ階に若いご夫婦と赤ちゃんが引っ越してきました。会うたびごとにお子さんの様子をさりげなく聞いたり、気にかけていることを伝えています。これは一人暮らしの高齢者なども同じで、孤立させないことが大事だと思います。

周囲の「目」と「手」（いぬいるか・東京都・62）

園児が園バスの車中で亡くなる痛ましい事故がありましたが、あのような事故も多くの大人の「目」があれば防げたはずで、虐待防止についても同じことが言えると思います。ご近所の人や少しでも何かしらつながりのある人たちの「目」、「さりげない見守り」、そして必要があれば手を差し伸べる（通告も間接的に手を差し伸べることになるかと思います）ことによって、親子を孤立させない・・それが大切だと思います。

たくさんの投票と投稿をありがとうございます。「ためらわない」（NO）が多く、心強く思っています。
 
通告をためらう理由として、「知人なので躊躇する面もある」（あさーかすさん）、「その方とトラブルに発展する可能性」（blueberry53さん）と書いてくださいました。
 
189（児童相談所虐待対応ダイヤル）は（以下、厚生労働省のサイトより）、
・虐待かもと思った時などに、すぐに児童相談所に通告・相談ができる全国共通の電話番号です。
・「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」」にかけるとお近くの児童相談所につながります。
・通告・相談は、匿名で行うこともでき、通告・相談をした人、その内容に関する秘密は 守られます。
 
★189（児童相談所虐待対応ダイヤル）
 
通告を受けた児童相談所では、通告・相談した人を明かさず、相手に悟られないように工夫しながら、子どもの安全確認を行い、支援を行っていきます。ですから、「知人だから」「その後のトラブルが」と心配する必要はありません。
 
児童虐待防止法6条1項で、「虐待を受けた児童を発見した人は、福祉事務所などに通告する義務がある」と定められています。
 
なぜ通告が必要かというと、虐待は家の中で起こっているからです。虐待している親が自分でSOSを出すのは難しく、暴力を受けている子どもも自分でＳＯＳを出すことはほとんどの場合できません。
親自身は「子どものためのしつけだ」と思っているケースも少なくなく、子ども自身は「自分が悪い子だから、叩かれたり怒鳴られたりする。ご飯を抜かれたり、閉じ込められてもしかたがない」と思っていることも多いのです。
 
虐待は周囲の人が気づき、通告しなければ、見つけることができないのです。
2日目のコメントにも書きましたが、「通告は支援の第一歩」なのです。
 
そして最も大事なのは、日ごろからの関わりです。
「子ども食堂に関わるが、短時間でも親子の様子に注視している」（真打ちさん）、ご近所に引っ越してきた方に「会うたびごとにお子さんの様子をさりげなく聞いたり、気にかけていることを伝える」（unagiさん）と投稿くださいました。
 
unagiさん、いぬいるかさん共に書いてくださっていましたが「孤立させない」ことが一番大事なのではないでしょうか。
 
みなさんの体験などもぜひ教えてください。またはそのような場面には遭遇していないけれど、通告をためらうかもしれないと思う方は、その理由もお聞かせください。さらに、「孤立させない」ために何ができるでしょう。お考えをお聞かせいただけたらと思います。


★高祖議長の過去の円卓会議より
・部活での暴力。防ぐ方法、ありますか？
・こども基本法の成立、必要ですか？
・児童虐待、過去最多20万件。防ぐ仕組み、いい案ありますか？（2021年）

• 2022.09.21
• 高祖常子 子育てアドバイザー、インターネットサイト「こそだて」編集長、NPO法人児童虐待 防止全国ネットワーク理事