イー・ウーマン（ewoman）

シェアリングエコノミー（しょこ・東京都・37）

アプリは数回利用したことがあり、街中で手を上げて呼び止める必要がなく、運転手とのやりとりもほぼなくて便利だと思った。でも今ガソリンも高く、インフレ等タクシーもさらに値上げするなら、議長のおっしゃる通りライドシェアが普及してほしいと思う。タクシー運転手も不足しているのだし。車販売やタクシー業界の打撃はあると思うけど、すでに必要以上にあって環境的に良くない。利用者は知らない人の運転というデメリットはあるものの、割安なのが良い。

道交法改正の方向が疑問（あさーかす・大阪府・51）

タクシーに対する規制や商習慣の矛盾といえば、気になっていることがあります。昨年、「19歳からタクシードライバーになれます！」というフレーズを見かけ、これまで第二種免許の取得要件は「21歳以上かつ運転経験3年以上」だったのが、「19歳以上かつ運転経験1年以上」で取得できるようになったと知りました。これで若い人がドライバーに興味を持つのかわかりませんが、人手不足とはいえ、安全のための規制が緩和されることには疑問を感じます。

規制と安心感（blueberry53・大阪府・67）

タクシーの規制などのことはよくわかっていませんが、感覚的に、厳しい規制があることで乗車する側にとって安心感があります。規制をできる限り外せば安価になるのかもしれませんが、不安も出てくるように思います。その二律背反するようなことをどのように調整するかが難しいように思います。

ライドシェアを解禁してほしい（ゆりえってぃ・奈良県・31）

私は4年前に海外の新婚旅行でUberを多用し、非常に便利さを感じましたが、現在奈良でアプリを起動しても、未だに「利用可能な乗車サービスはありません」とそもそも利用できません。しかし以前、陣痛時のタクシー手配の際、事前に電話する必要があり、大変不便でした。また地域によってタクシー会社がコロナ禍で全て廃業したという話も聞き、深夜何かあった時を考えると恐ろしいです。早くライドシェアを解禁して、タクシーをラクに使えるようにしてほしいです。

ドライバー不足が続くなら（unagi・東京都）

都内ではあまりタクシーに乗りませんが、地方へ行ったときにドライバー不足を痛感します。ある地域では17時以降はタクシーが稼動していないと言われ、困りました。人手不足なら魅力ある雇用にする必要がある、しかしそれが料金に反映されると顧客が離れるので変革できない、そんな悪循環なのかも知れません。タクシー業界のライドシェアへの反発はわかりますが、人手不足を解消できないなら、規制緩和を受け入れ、何らかの工夫でライドシェアとの競争力をつけるしかないのでは、と思います。

副業とシニアの収入（DiamondBar・東京都・54）

海外の配車アプリを使っていて感じるのは、アジアでは副業で朝や夜にドライバーをしている人が多く、アメリカでは仕事をリタイアしたシニアが空いた時間で収入を得る手段としてドライバーをしていることが多いということです。日本でも副業やシニアの活躍が話題になっており、規制緩和で新たな仕事を得る人が増えると思います。一方で、タクシー業界が圧倒的不利にならないために、タクシー業界への規制も緩和しないといけないと思います。

法整備と意識改革（真打ち・栃木県・54）

ライドシェアサービスの普及には、克服課題が二点あると私は思う。それは、法の整備と、誤解を恐れずに言えば、従来の個人タクシー等と同等のサービスを期待しない、客側の意識改善だ。『安全で正確に目的地に行ければ良い』この程度の考えでいた方が、移動時間を快適に過ごせるのでは。例えば、車はピカピカでなくても小ぎれいなら良い、という具合だ。法制化と並行し、ライドシェアサービス本来の目的を社会に浸透させる必要があると、私は思う。

皆さん、こんにちは。ＩＴ分野の調査・コンサルティング会社、ＭＭ総研所長の関口です。今回もたくさんのご意見をお寄せいただき、ありがとうございました。
 
「タクシー配車アプリを使っている」という方は１０月６日朝の時点で２６％と前回より盛り返しましたね。円卓会議を重ねるにつれ、配車アプリのユーザーがこの議論にも関心を示して下さったのかもしれません。
 
前回、配車アプリの話から離れ、タクシー事業に対する皆さんのご意見をうかがったところ、多くの方から興味深いご指摘をいただきました。私から「日本でもライドシェアサービスを活用する必要がある」と申し上げたところ、それについても多くの方から賛同をいただきました。
 
「配車アプリを使っている」という、しょこさんからは「ガソリンも高く、インフレ等タクシーもさらに値上げするなら、ライドシェアが普及してほしいと思う」というご意見をいただきました。「配車アプリは使っていない」という、unagiさんからも「タクシー業界のライドシェアへの反発はわかりますが、人手不足を解消できないなら、規制緩和を受け入れ、何らかの工夫でライドシェアとの競争力をつけるしかないのでは」とのご指摘をいただきました。
 
最も興味深かったのは「海外ではリタイアしたシニアが空いた時間で収入を得る手段としてドライバーをしていることが多く、日本でも規制緩和で新たな仕事を得る人が増える」というDiamondBarさんからのご意見です。「タクシー業界が圧倒的不利にならないために、タクシー業界への規制も緩和しないといけない」と指摘され、なるほどと思いました。
 
確かに日本ではタクシードライバーになるには第二種運転免許を取得する必要があり、タクシー会社も定期的なクルマの点検を義務付けられるなど様々な規制があります。いずれも利用者の安全を担保するためのものですが、そこに規制を受けないライドシェアサービスが勝手に入ってくるのはいいところ取りではないかというのがタクシー業界の主張だと思います。
 
実はタクシー規制がうまく機能している国は海外でもあまりなく、その解決策として登場したのがライドシェアサービスだともいえます。もちろん、あさーかすさんが指摘されているように「人手不足とはいえ、（第二種免許の取得要件が緩和されるなど）安全のための規制が緩和されることには疑問を感じる」ということも理解できますが、運転免許を返上する高齢者が今後増えることを考えると、地域における新しいモビリティ手段を確保する必要があると思います。
 
Uberが登場したばかりのころ、スイスでUberを利用した際、仕組みがどうなっているのかドライバーに根掘り葉掘り質問したことがありました。というのも個人が保有している車両が本当に安全に維持されているのか疑問に思ったからですが、政府や自治体などが監視していなくても、代わりに保険会社が最寄りの自動車修理工場などを通じてチェックしていると聞き、なるほどと思いました。
 
人口が増え、経済も右肩上がりの時代なら、これまでのタクシー制度でよかったかもしれませんが、地域のモビリティを支える人材が今後、急速に不足してくることを考えると、ライドシェアサービスの本格解禁も検討していく必要があるのではないでしょうか。
 
政府やタクシー業界もこれまでの慣習や既得権にとらわれず、どうしたら国民が必要とするモビリティサービスを提供できるのか、そうした視点に立ってサービスを提供してほしいと思います。
 
円卓会議の皆さんには今回もたくさんの有意義なご意見やご示唆をいただきました。私自身も大変勉強になりました。改めてお礼を申し上げます。また円卓会議で皆さんとお会いできることを楽しみにしております。


★関口議長の過去の円卓会議より
・ChatGPT、使ったことありますか？
・フェイスブックが「メタ」に社名変えたの知ってますか？
・デジタル庁に期待していますか？

• 2023.10.06
• 関口 和一 （株）ＭＭ総研代表取締役所長、元日本経済新聞社論説委員