イー・ウーマン（ewoman）

暮らしと投資（真打ち・栃木県・54）

始めた動機は、安定した家賃収入が絶たれた為だ。減収の一部が補えればとの考えだが、議長の「上場企業は逃げて行かない」との言葉には、焦りが鎮まる思いがした。自分の盤石な将来設計には、会社員時代以上に綿密に取り組む必要があった。また、投資の影響が社会を網羅している現状において、膨大な家庭内金融資産をいかに運用、還元するかという視点からも、利点が増えた新NISAは"国民総投資家時代"の礎にもなるのではと、私は思う。

お金の可能性に期待（Michael・新潟県・55）

旧NISAからの流れで新NISAを始めました。銀行の定期預金に預けるよりマシと思っています。為替と株価のタイミングが難しそうと感じています。上手にお金を生み出せれば、老後の生活はもちろんですが、若い方々のための奨学金制度などへ寄付したいです。運用のリスクは当然ありますが、私はNISAでお金の可能性に気付かせてもらいました。上手に取り崩して0で終えるのが理想です。

どうやって枠を埋めるか（2kishir0・東京都・34）

老後は配当金で固定的な生活費を賄えるようになりたいと思い、新NISAでは高配当株を長期で保有したいです。米国株も高配当のものがありますが、新NISAでも外国税は非課税にならないと聞いて枠を使うのは勿体ないかなと思っています。

変額保険との違いを知りたいです（ゆりえってぃ・奈良県・31）

ファイナンシャルプランナーの方のマネーセミナーを聞いて、長期・積立・分散での投資のため、銀行からお金の置き場所を変えるのと、保険の見直しを兼ねて、昨年変額保険を始めました。ただ最近、変額保険の投資部分の仕組み自体は新NISAと同様なのではないかと思い、税制的に新NISAの方が良かったのではないかと考えたりしています。どちらがお得なのでしょうか？

興味が出てきました（ひるね・東京都・56）

老後に備えてドル建て保険などに入っていますが、投資は日々一喜一憂するイメージがあり、抵抗がありました。新NISAは非課税ということで少し興味を持ち、ネット証券で口座だけ開設しましたが、結局何もしないままです。今回、皆さんの投稿を見ていると、放置で運用、必要な時に取り崩しもありなのかと勉強になりました。また、議長の言葉にあった「公的年金の積立金の大よそ4分の1は日本株で運用」ということを初めて知り、日本経済のためにも勉強してみたいという気持ちになっています。

確定拠出型の年金プラン（Penguin・海外・その他・45）

今の職の厚生年金にあたるものが、今後転職した場合などあてにならなくなるため、個人でできる確定拠出のものをやっています。二つは給与天引きで、401(k)の公職版である403(b)と、457(b)です。国の歳入庁が毎年限度額を決め、今年は私の場合最大で2万3千ドルずつこの二口座に入れられます。そのほかに個人リタイアメントアカウントで課税後で拠出するRoth IRAをやっています。こちらは今、一年に7千ドル入れられます。どの口座も主に投資信託に入れています。

国からのメッセージ（DiamondBar・東京都・55）

今回の新NISAは、「人口も減っていくし、ただ働くだけでは豊かな生活が送れるかわかりません。資産運用を併用して、豊かな将来を築きましょう」という国からのメッセージな気がします。時間やお金をどう使うのか考えるのと同様に、余裕資金をどう運用するのかもしっかりと考えたいです。私は、応援したい企業の株主になって株主優待で商品をもらったりしながら、その他の資金は長期運用にして将来の収入減に備えようと思います。

経済を押し上げることになれば（blueberry53・大阪府・67）

資産運用の回にも発言しましたが、我が家ではリスクのある投資は厳禁ですので何もしていません。しかし、社会全体としては、投資をする、投資に関心を持つ人を増やすことは大切だと思っています。ただ、今はまだよいですが、大きな波をかぶった時にどう立ち直させるかは課題として残っている気がします。レベルの高い運用が、日本経済自体を押し上げることに少しでもつながるようになって欲しいと思います。

人口減少社会での生き方（シンゴパパ・静岡県・56）

何のためかが腹落ちしていない投資はしない、というのが基本的なスタンスです。金利を抑え円の価値を下げて、外貨による投資促進での株価上昇では、本末転倒だと思います。人口減少が明確な状況では、如何に経済縮小社会で善く生きられるかを目指すのが良いと私は思います。

皆さま、今回もたくさんの投票と投稿をいただきまして誠にありがとうございます。「NO」のほうが優勢であることは最後まで変わりませんでしたが、「NO」とお答えの方のなかにも、ひるねさんのように「口座だけ開設した」、「勉強してみたい気持ち」という方や、blueberry53さんのように「社会全体としては、投資をする、投資に関心を持つ人を増やすことは大切だと思う」という方も少なからずおられました。
 
DamondBarさんがおっしゃるように、そもそも今回の制度改正は少子高齢化＆人口減少時代を皆で乗り切って行かねばならない私たちに向けた一つの「国からのメッセージ」に違いないと議長も考えます。年々膨れが上がる国の社会保障費用負担には自ずと限界があり、公的年金の受給額はそう簡単に増やせないし、医療や介護などの自己負担分は漸増することが避けられません。言うなれば「自助努力」の部分が増えるわけで、ことに年金に代表される将来生活資金の確保については、これまで以上に「自分でも工夫してください」、「その代わりに税制上の優遇措置を設けますから」という側面があることも事実でしょう。
 
もちろん、これまでの日本は米国など他の主要国に比べて株式などリスク商品の個人保有比率が極端に低かったこともまた事実です。それでも、なんとか日本が“資本主義国家の顔”をしていられたのは銀行や事業会社などが互いに株式を保有し合う関係を保ってきたことが一因ですが、もはやそんなことを続けていたら厳しい国際競争の荒波に日本の企業が吞み込まれてしまいかねない時代となりました。そこで、多くの企業が始めたのが政策保有株の放出や上場子会社の売却などです。結果、放出や売却によってまとまった資金が手に入れば、それを成長投資に費やすこともでき、経営の効率化や収益力の向上にもつながります。
 
ただし、株式の放出や売却などを円滑に進めるためには、それを引き受ける誰かがいなければなりません。悪く言えば、個人が“その受け皿”になってほしいということになり、国も新制度で投資をバックアップしようというわけです。国が目指すのは、真打ちさんの言う「"国民総投資家時代"の礎」を築くことで、なかには腑に落ちないという方もおられるでしょうが、よく考えれば経営の効率化や収益力の向上に注力して厳しい国際競争に打ち勝つ努力を続けている上場企業は、そのぶん投資の魅力が増しているということもできるのではないでしょうか。
 
言うまでもなく、今回の円卓会議において投資や新ＮＩＳＡの活用をお勧めするつもりはまったくありませんでした。ただ、新NISAがスタートすることになったお陰で、投資家や株主に向き合う上場企業の姿勢が大きく改善され始めたことは、一つの評価に値することであったと思います。個人でも手掛けやすいように株式分割を行う企業、自社株買いによって株式価値を高めようとする企業、増配や株主優待制度の拡充によって投資家の注目度を高めようと努力する企業など、様々な策に取り組む上場企業がかつてなく増えたことだけは間違いないと思います。
 
この一週間、お付き合いいただきまして誠にありがとうございました。たくさんの投票と投稿に心より感謝申し上げます。

★田嶋議長の過去の円卓会議より

・資産運用、していますか？ 

・SDGs経営やESG投資、興味ありますか？

・進む円安。あなたにとってはマイナス要因？ （2022年4月実施）

• 2024.02.09
• 田嶋智太郎 経済アナリスト、日経CNBCコメンテーター