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会議番号:3079 開催期間 2011年02月21日- 02月28日
皆さん、2日目も活発なご意見、本当にありがとうございます。 投稿コメントを拝見して、「改善して欲しいこと」として強く思われていることは、保護者への情報提供ですね。ワクチン接種の有効性や副反応、そして定期接種と任意接種の違いなどについてです。さらに、ワクチン接種費用や、週末接種可能な予防接種センターの設立など、これらが改善できればワクチン接種への考え方も変化しそうですね。 日本の医学会は、ワクチン接種は重要である、という考えで積極的に接種を推奨しています。これは、毎年、世界各国から数百~数千のワクチンに関する研究が報告され、接種の有効性が明らかになっているからです。しかし、一方で、ワクチン行政の保守的な考えが、世界各国とのギャップを生んでしまっています。 経口生ポリオワクチン(oral poliovirus vaccine: OPV)は、内服するワクチンです。接種(飲む)も製造コストも安くすみます。しかし、弱毒化されていても「生きたウイルス」を飲むため、1/100万接種でポリオに罹り手足が麻痺する急性弛緩性麻痺(VAPP)や、1/640万接種で便から排泄されたウイルスが他人に感染しVAPPがおきてしまいます。 一方で、不活化ポリオワクチン(inactivated poliovirus vaccine: IPV)は、注射のワクチンです。VAPPや他人にウイルスが感染することはありませんが、注射のため腸管での免疫効果が弱くなります。経口生ポリオワクチンは、1961年、日本でポリオが大流行したときから使われており、ポリオ患者の激減に寄与した優れたワクチンです。 しかし、副反応の危険性から海外では不活化ポリオワクチンに変更する国が多くなっています。 ポリオ患者の発生が無くなった日本でも、今後は、不活化ポリオワクチンの切り替えが予想されますが、いつ承認されるかは未定です。個人的には不活化ポリオワクチンの早期導入を希望します。 日本は医療技術の進んだ先進国ですが、ワクチン分野では残念ながら「後進国」です。2008年に発売されたヒブワクチンも、当時未承認だった東アジアの国は日本と北朝鮮のみでした。ワクチン先進国のアメリカ国内で推奨されるワクチン数は、ここ10年で約2倍になりましたが、日本では数種類認可されたのみです。 アメリカでは、基本的に定期接種、任意接種という区別はなく、無料もしくは安価にワクチン接種を受けることができます。日本では、定期接種は無料ですが、任意接種は各医療機関で設定された接種料金を自己負担しています。 そこで、皆さんと考えたいのは、定期接種と任意接種の区別についてです。日本独自に、感染力が強く重症化する恐れのあるものを無料の定期接種、感染力が低かったり重症化の恐れの少ないものを自己負担の任意接種と分けていますが、これらを区別していることについてどう思いますか? 皆さんからの活発な御意見をお待ちしております。
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