働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3087 開催期間 2011年03月28日- 04月04日
とても貴重な提案、ありがとうございます。みなさんの、人間らしく生きていくために何が必要か、人間が元気になるために何が必要かという視点からの提案に、私も大いに共感し、「そうだ、そうだ」とうなずきながら読ませていただきました。 最初に、考えておかなければならないのは、避難所の生理的環境あるいは生存環境です。生きるためには、食べること、排せつすること、寝ることが欠かせません。この中で、避難所のトイレについて多数の提案をもらいました。トイレが不快で不便だと、人々はトイレをしなくて済むように、水を控えるなどの「危険な自衛行動」に走ります。水を飲まないと、脳梗塞や心筋梗塞になって、命を落としかねません。喜んで行きたくなるようなトイレを、どうつくるか、排便がてんこ盛りになるようなものでなく、人間のシルエットが外から見えるものでなく、そして何よりも臭いがしないものに、しなければなりません。 次に考えなければならないのは、生活環境あるいは心理環境です。プライバシーなどの人権が守られていることが、ここでも欠かせません。みなさんの提案で、最も多かったのは、このプライバシーにかかわるもの、人権にかかわるものでした。今回の地震でも、人目を気にせず思いっきり泣ける場所が欲しい。子どもが大声で叫んでもよい場所が欲しい、といった声が出ています。そのためには、まずはパーティションが必要でしょう。段ボールなどで、避難所の中に「我が家」をつくることができないものかと、思います。 この生活に関して、女性の立場から、子どもの立場から、避難所のあり方を考えることは、とても大切です。トイレを男女別にしてほしい、更衣室や授乳室を設置してほしい、子どもの遊び場がほしいトいう、被災者の切実な声に応える必要を感じています。それに加えて、高齢者や障害者に配慮することも大切でしょう。障害者を別に「福祉避難所」でケアするという考え方がありますが、私はみんなが一緒に暮らせる環境の中で、障害者のケアもはかれるといった「共生避難所」を目指してほしい、と考えています。 さらに考えなければならないのは、自立環境あるいは発達環境です。被災者の勇気や元気を引きだす環境がなければならない、ということです。自分で調理が出来る、自分で清掃ができる、という環境をつくることが欠かせません。毎日弁当を配られるより、自分で食事を作った方が、食生活面だけでなく精神衛生面でもよく、早く元気になれるのです。となると、調理場や自炊場は必須です。被災者の創造力や自立力が引き出せる避難所にしたいものです。 以上の環境を実現するためには、水や電気さらには情報をどう確保するのかといった、自立型ライフラインのあり方も考えておかなければなりません。これについては、3月30日に掲載したマイクロ発電所などの素晴らしい提案がありました。みなさんの提案を、行政に届けたいと思います。 さて次回は、避難所をどう管理し運営するのかという問題を考えようと思います。共同生活をどのように進めるのかなど、避難所運営に関するソフトな知恵をお寄せください。
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