働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3142 開催期間 2012年01月23日- 01月30日
大変貴重な体験や考え方のシェアをしていただき、一つひとつの投稿を読みながら、心から感謝の気持ちがわいてきました。ありがとうございます。 ダイバーシティ&インクルージョンを進めるにあたって、とても大切なことには、前回書いた「経営陣のする仕組みづくり」と、今日書く「従業員一人ひとりがすること」があります。 ダイバーシティ(多様性)は、間違えると、混乱を導き出します。「多様なものを受け入れるんでしょう?」と言って、自らを律せず、勝手な主張をし、学習も周囲との協調もせずに自分を認めろと迫る。……こんな人ばかりが集まっていたら、組織は成り立ちません。「部長はダイバーシティなんて言っているけれど、ちっとも部下のいうことを聴かない」などと言っている人がいたら、言っている人の方が未熟な可能性が高いと考えたほうが良いでしょう。 多様性の目的は、「より健全な、より成長する組織づくり」ですから、不満や悪口を言っている人は、そもそもの志が違います。 ダイバーシティ研修として、従業員が何をするのが良いかと尋ねられることが多いので、今日は、その中で、2つのステップを書きましょう。 一つは、個人が、考えをまとめる力、発言する力を高めること。 ダイバーシティ&インクルージョンの基礎である多様性というのは、私たち一人ひとりの存在意義と同一です。一人ひとりが、その組織に属している意味、意義があってこそ、「多様」が生まれるのです。一人ひとりに意味があるから、3人いれば3通りの視点が加わり、より良い組織になる。10人いれば10通りの視点があるので、より良い組織になる、ということです。「わかりません」「意見ありません」「みんなと一緒でいいです」という人ばかりでは、人数がいても多様性がない。つまり、多様性実現のためには、組織、社会の構成員である私たち一人ひとりが、その組織、社会に、しっかりとプラスの貢献をすることが原則なのです。 この「働く人の円卓会議」の発言ルールに、I statement がありますね。「他人を批評せず、他人を攻撃せず、集団の陰に隠れることなく、自らの体験や考えを一人称で書く」、というルールです。自分自身の宣言文としてまとめる。 私がこの円卓会議を運営している理由の一つに、ダイバーシティ推進のための、私たち一人ひとりの研修の場、訓練の機会にも使って欲しいということがあります。 参加者一人ひとりが、多様なテーマで考え、I statement で自分をシェアする。それを読む人も多様な視点や体験に触れられる。まさにダイバーシティ、多様性の組織・社会をつくるための自己訓練となるのです。 自分の考えをまとめ、他人の意見を批判することなく、シンプルにまとめて、提案する力。また、他人の多様な視点に触れて、再度選び直す。または、今までの考えを再度選び直す。私たちが、脳のストレッチ運動として、この円卓会議で視野を広げ、多様な視点で考えることができる人に育つことが、日常生活や組織の中でも役に立つと考えます。 組織の中で、この円卓会議にランチタイムにアクセスして、ダイバーシティ研修の一つとして使っていただくのもいいでしょう。バナー広告のないサイトですから、みなさんがどんなにアクセスしても、収益が上がるわけではありません。研修として、ダイバーシティ学習ツールとして使っていただくことができるでしょう。 大分のコギ・リンさんが、「たとえ結果と方向性が同じでも、一言発言し、検討課題にすべきだった。その発言をするのが、私の仕事だった、と反省している」と、投稿をくださいました。 まさに、結果に関係なく、自分の考えを議論のテーブルに乗せることが、自分の存在意義であり、貢献なのです。そのように考えているコギ・リンさん、素晴らしいです。 またこの時に大切なのが、二つ目の点、リーダーシップとフォロワーシップです。ダイバーシティの組織で、10人が出席する会議があったとしましょう。全員が訓練もつづけてきていて、10通りの自分の提案をI statement で述べ、議論の選択肢として上がったとします。でも、選ぶのは一つ。皆の力で3つを混ぜてみても、残りの7つは組入れられない。そんなこともあるでしょう。 ここで、自分の提案を含めてもらえなかった7人はどう動くか。「ダイバーシティなんて言って、意見を聴いてるふりしてるだけ。どうせ私の意見なんか、始めから入らないのよ」と愚痴をこぼしますか。いいえ、この時こそ、自分の提案と違っても、組織が決定した選択肢が成功するように、意識を切り替えて、決まった選択肢に全力でサポートすることが大切なのです。 リーダーの力、フォロワーの力。これが存在しないと、ダイバーシティが、ただの混沌になってしまいます。 ダイバーシティの時代=グローバルな社会というのは、今まで以上に私たち一人ひとりの志と貢献度が問われます。あなたが、チームの一員であることは、どういう価値がありますか? 互いを認める、受け入れる。その基本には、各自が自分自身のことをしっかり育て、前向きな心を持ち、プラスのために貢献し続けることが大切なのです。 今週一週間ではとても話しきれない深さと意義のあるダイバーシティ&インクルージョンでしたが、すこし、見えてきましたか。この円卓会議を機会に、どうぞさらに自分を高め、私たち自身から、ダイバーシティ社会の見本となるよう、まずは自分から成長させていきましょう。そして、組織にガイアツも必要な場合は、どうぞお声かけください。経営陣にお話しにいきますよ! 一週間ありがとうございました。たくさんの投稿を頂き、私も勉強になりました。 ダイバーシティについては、これからも書いたり話したりしていきますので、引き続き一緒に学習していきましょう。 ありがとうございました。
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