イー・ウーマン（ewoman）

イントラネットがスイッチ（Ai・兵庫県・39）

過去に海外で在宅勤務をしたことがありますが、PCを立ち上げ、会社のイントラネットにアクセスすることをお仕事モードへのスイッチにしていました。休憩は随時とっていましたが、仕事の期限を決めてそれに遅れないこと、仕事は早く正確であることを自分の中でのルールとしていました。在宅勤務の先駆けとして、だから在宅勤務はだめだと思われないように、土日以外に休むためイントラネットにアクセスできない期間ははっきり伝え、休み終了後にはメールの処理を真っ先に行うようにしていました。

書類たちとパソコン（ラビット・東京都・34）

その時々の業務に必要な書類とパソコンがあれば、スイッチONとなります。どんな場所でも仕事ができるように、できるだけ書類はPCに入れるようにしていますが、研究者なので計算式の書かれた本などは持ち帰ります。

チームのつながりを意識すること（かおるーん・神奈川県・39）

行動予定や勤務時間を事前申告すれば、仕事の成果で評価される職場にいました。妊娠中に通勤が辛くなり在宅で働きましたが、始業と終業時に連絡を入れることで、「仕事モード」のスイッチを入れていました。コミュニケーション上のデメリットをカバーするため、定期的に顔を合わせる日を設け、進捗状況の共有と業務調整をした結果、以前よりも効率があがりました。チーム意識と、コミュニケーションの工夫があれば、時間と場所を共有しなくてもできるという実感が湧きました。

仕事机とイス（黒船・神奈川県・45）

実は、今の自宅の環境（コタツに座椅子または食事用のテーブル）では少し難しいです。私の場合、兼用テーブルや座椅子のようなものではなく、仕事専用の勉強机とイスがないと、どうも集中できないようです。以前はそれがあってスイッチが入りました。休日などに持ち帰りの仕事をする場合、自宅から100m以内に図書館があり、そこでは実際のオフィスよりも効率よく、集中して仕事をすることができます。また、たまに電源カフェなどを利用しても集中できます。

一杯のコーヒーから（yokomit2・東京都・38）

コンサルタントという職業柄、時間よりは成果を出すことが求められています。子育て中なので、保育園の行事や子どもの体調によって、実質的に在宅勤務をしていました。同僚に様々な迷惑をかけている、という思いがあるので、自宅でも自己管理はできます、というかします。やる気スイッチは時間になったら一杯のコーヒーを入れることです。ただ、子どもの状況に応じて仕事をするので、この時間は100％仕事だけしてください、という在宅勤務は難しいです。

一日のスケジュール立てから（まおにゃん・茨城県・50）

朝、その日の自分及び関連のある人たちのスケジュールを確認し、ノートにするべきことを書き出し、アクションプランナーに時間軸で書き込み、私の仕事が始まります。やるべきことと時間が決まれば、自然と仕事モードになれるものです。

仕事スイッチはVPNへログイン（almyy・海外・その他・60）

米国の西海岸で、ソフトウェアの会社のエンジニアをしています。週4日出社、あとの1日は在宅勤務です。但し自宅で高速インターネットが使えることが条件。自分用にノートパソコンが与えられ在宅勤務の日はVPNへログイン、それからパソコン上のIP Phone Agentにログインしてソフトフォンで仕事をします。他に誰がログインしたか、誰が電話中かすぐわかり、会社で仕事するのと変わらない感覚です。他の在宅勤務の人ともWebExなどでモニターを共有し、情報交換や会議などをしています。

一人ぼっちにはならないように。（レッズ・埼玉県・32）

私の仕事スイッチは通勤電車です。職場の最寄駅に降りると、自然とスイッチが入ります。逆に、仕事を終えて家の最寄駅に降りると自然とホッとします。通勤時間が程よくスイッチのON、OFFをしてくれている気がします。また、仕事場に向かう人達を見ると、皆頑張っているんだから自分も頑張ろうという気になります。そのため、在宅勤務では一人ぼっちの気分にさせないことが大切だと思います。例えばその日の予定を上司に伝えるなど、他人と約束をして、自然と仕事モードへ入ることが必要だと思います。

期限管理と全体と繋がる工夫（mamisan・東京都・42）

毎朝5歳の息子を保育園に送ると、自分一人で集中できる貴重な時間を無駄にするもんかと自然にオン。ただネットがあれば職場でもいくらでもチャット、株、私用の諸々ができるので、子どもがいてもいなくても、職場でも在宅でも結局は同じだと思います。むしろどれだけの仕事を何時までに終わらせるかの期限管理の工夫をすることが重要。またSkype等を活用し、定期的な電話会議や出勤会議を行うとハッとする事もあります。全体の中の自分の仕事を客観視でき、自己管理の手助けとなります。

仕事スイッチは常にON（reikot・大阪府・42）

むしろ、OFFにしたいなあと思う昨今です。現在、育児休業中で自宅にいますが、やはりOFFにはなりづらいです。在宅勤務になると余計にON状態が続くだろうし、それは心身ともにいいとはいえないと考えます。ただ、実際に「在宅勤務になりました！」という状況に置かれたら、是が非でも「OFF状態セット」ができるように努力はすると思います。

極端になりそう（tibiko・大阪府・43）

仕事のスイッチは、入館証を首にかけることです。自宅でも仕事をしようとすればできる環境なのです。監視がないことを理由に他のことをして遊んでしまうか、又は、納期に追われて、夜中まで仕事をしてしまうかになりそうです。在宅で仕事をしていると、強迫観念や、勘違いなど、「ひとりで大暴走」しそうで、 精神的余裕がなくなった時が、少し怖いです。

個室と強い意思（ゆきなな・海外・その他・32）

officeに行くことで、簡単に仕事スイッチが入りますが、時に自宅でも仕事を片付けなければならないことがあります。その時のスイッチは完全に気分です。さあ、mailを打とう。さあ、電話を１本しよう。家族とは別室に行き、それに集中しようとします。私の場合、自宅で取れる方法は、個室で１人の状況を作ること。それからofficeに行く時よりも強い意思です。

みなさんの「仕事スイッチ」について、たくさんのご意見をいただきました。
 
「在宅勤務でも、自己管理できる」という方の話は、在宅勤務をしようとしている人にとって、とても参考になりますね。まずはYESの方の「仕事スイッチ」から見てみましょう。
 
「イントラネット」がスイッチという兵庫県のAiさん。「VPNへログイン」という海外のalmyyさん。これは、在宅勤務者にとっての「オフィスに入る」という行為ですね。通勤に比べると、時間も手間も少なくてすみますが、非常に重要なポイントだと思います。米ヤフーの女性CEOであるメイヤー氏も、在宅勤務者のVPN(会社への専用回線)へのアクセスが極端に少ないのを見て、在宅勤務の禁止を決意したと言われています。
 
「書類とパソコン」という東京都のラビットさん。「仕事机とイス」という神奈川県の黒船さん。仕事環境が揃うことが、スイッチになるという方も少なくないと言われています。
 
「一日のスケジュール立て」という茨城県のまおにゃんさん。「期限管理」という東京都のmamisanさん。「時間」を決めることがスイッチになるというのも、よくわかります。
 
「始業の連絡」でスイッチを入れていた神奈川県のかおるーんさん。「通勤電車」がスイッチという埼玉県のレッズさん。仲間とのコミュニケーションも、働く大きなモチベーションですね。レッズさんの「皆頑張っているんだから自分も頑張ろうという気持ち」は、私もとても大切だと思います。
 
また「一杯のコーヒー」という東京都のyokomit2さんのように、自分に合った切り替え要素を作るのも重要ですね。
 
一方で、「在宅勤務だと、自己管理できない」つまりNOと答えられた方の仕事スイッチも、在宅勤務の課題を考えるにあたって、とても重要です。
 
「入館証を首にかけること」という大阪府tibikoさん。「officeに行くこと」という海外のゆきななさん。オフィスという物理的な場所に移動し、監視のもとで、集中して仕事をする。実は、これが従来、当然とされてきた働き方であり、そこに本来「仕事スイッチ」があるのは、「YES」と答えてくれた方も同様だと思います。
 
前回も書きましたが、イー・ウーマンのみなさんの仕事への意識・姿勢は本当に素晴らしいです。おそらく、日本の多くの社員は、自分で「仕事スイッチ」を作ることができないと思います。
 
とはいえ、自分で「仕事スイッチ」を入れることができ、自己管理をしっかりできる人しか、在宅勤務ができない、としたら困ります。子育てや介護、病気や怪我という、「会社に通いにくい」状況になる人が、そういう人ばかりだとは限りません。ましてや、自然災害やパンデミックとなると、一時的とはいえ、ほとんどの人が「会社に行けない」状況になります。
 
実は私は、働く社員全員にとって有効な「仕事スイッチ」を、在宅勤務を導入する企業側が用意する必要があると考えています。「在宅勤務だと自己管理ができない」という人も含めて、「仕事スイッチ」を用意し、在宅勤務社員をしっかりマネジメントすることが、企業にとって重要なのです。
 
米ヤフーのメイヤー氏が「在宅勤務禁止」を通達したことを、多くのメディアが非難していますが、「禁止」が問題なのではなく、それまで在宅勤務者を適切にマネジメントできていなかったことが問題であり、企業存続のためにこのような決意をしたメイヤー氏は、経営者として正しいと、私は考えています。
 
さて、「在宅勤務でも、自己管理できますか?」という質問は、「さぼらないで仕事ができるか」という質問にも取れると思いますが、実は、もうひとつ大きな問題が隠されています。それは、みなさんのコメントにもあります。
 
「納期に追われて、夜中まで仕事をしてしまうかになりそう」という大阪府のtibikoさん。「在宅勤務になると余計にON状態が続くだろう」という大阪府のreikotさん。
 
そう、「過剰労働」です。働きすぎない「自己管理」も、在宅勤務では重要なのです。「在宅勤務だと、さぼっていると思われているかもしれない」という不安から、アウトプットを出そうと無理をしてしまう。あるいは、こんなに大変なら、会社で仕事をしたほうが(疑われずに)楽かも、と考えてしまう傾向もあります。
 
最後の問いかけになります。あなたは、米ヤフーのように適切なマネジメントがなされていない在宅勤務だと、「さぼりがち」になるでしょうか、それとも、「働きすぎ」になるでしょうか。そんな視点から、今一度「在宅勤務時の自己管理」について、率直なご意見をお待ちしています。


☆こちらもご覧ください〜田澤議長の過去の円卓会議より
◆会社命令があれば、1カ月在宅勤務できますか？
◆テレワーク(在宅勤務や在宅ワーク)、できたらいいですか？
◆今の働き方、ずっと続けることができますか？

• 2013.04.10
• 田澤由利 （株）ワイズスタッフ代表取締役、（株）テレワークマネジメント代表取締役