働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3226 開催期間 2013年04月05日- 04月12日
YES・NOの比率は、一週間ほぼ動かなかったのですが、前回質問した「管理されない在宅勤務。ついついサボる? それとも働きすぎる?」については、多くの方が「働きすぎになる」と答えていらっしゃいます。仕事への意識が高い、イー・ウーマンのみなさんらしい結果ですね。でも、だからといって喜ばしいことではありません。「過剰労働」は、当然ながら「ワークライフバランス」の視点からも、避けなくてはいけません。 「働いている姿が見せられないので」「制限時間がないので」働きすぎになるという千葉県のwrennさん。「認められたくて働きすぎになってしまう」という神奈川県のおれんじ78さん。「在宅でも成果をあげることに、この制度継続がかかっている」ので頑張っている東京都のナカサワさん。そうですよね。仕事をしていることを、ちゃんと上司や同僚に伝えたいですよね。 「子育て中なので迷惑をかけないように」働きすぎるという広島県のkayuさん。「チームの場合、在宅勤務の管理は難しい」という千葉県のるぅさん。「育児にとられた細切れ時間をリカバリーするために」ストレスを感じるという海外のTano hitsujiさん。働く仲間に迷惑をかけたくないという気持ち、よくわかります。 「ベッドで寝ながらPC仕事」をしたという海外のwalk714さん。そこまでしなくてはいけなくなるのは、困りますよね。 「給料が年棒制で残業代が含まれた給与体系になって」さぼろうという気がなくなったという東京都のanastasiayanoさん。年俸制だと、自分で時間を管理できる分、無理をしてしまう人も少なくないようです。 「他人の目がないと集中力が続かない」という東京都のおひさまようこさん。「誘惑に負けやすい」と在宅で仕事をする人を尊敬しているという神奈川県のjunetさん。はい。一般的には、多くの人が同じ思いだと思います。 日本は、労働基準法という働く法律のもと、「時間労働制」や「みなし労働時間制」で仕事をしています。では、在宅勤務の場合はどうでしょうか。 厚生労働省の在宅勤務ガイドラインでは、在宅勤務において「事業場外労働のみなし労働時間制を適用することができる」としています。 >情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドラインの改訂について しかし、「みなし労働時間制」の場合、きっちりとした時間管理ができないため、管理者には「さぼっているのではないか」という不安があり、労働者には、「悪気はないけど、さぼってしまう」人もいれば、「さぼっていると思われたくない」という思いから仕事をしすぎる人もでてきます。在宅勤務以前からみなし労働の場合は、人事の評価システムや給与体系がそのまま利用できるので問題はないのですが、日本では9割近くの企業が「時間労働制」をとっています。 私は在宅勤務を適正に進めるためには、(従来通りの)時間労働制のもと、従来通りの評価軸を適用できるよう、在宅勤務中も出勤時に近いコミュニケーションがとれる環境、言葉を替えると、オフィスにいるのと同様の緊張感とモチベーションを保つ機能を用意する必要があると考えています。 なんだか、難しい書き方になってしまいました。みなさんからいただいた言葉を借りて表現してみますね。 在宅勤務でも、オフィスにいるように「働いている姿を見せる」ことで、「誘惑に負けず」「集中力が続き」、「まわりに迷惑をかけずに」「チーム」で仕事ができる環境を、会社と社員が一緒に作っていくということです。 とっても難しそうですよね。でも、それを実現しないと、在宅勤務制度が導入されても、実態は「働きすぎる人」と「さぼる人」がいて、社員にとっては不公平、企業にとっては不安定な労働場所になってしまうのです。そうなると、会社は、在宅勤務ができる「人」や「日数」を制限したり、米ヤフーのように「禁止」せざるを得なくなるのです。これは、企業にとっても、働く人にとっても悲しい方向です。最近は、離れていても、セキュリティを保ちながら、またコミュニケーションを取りながら仕事をするためのICTツールがたくさん登場しています。在宅勤務のメリットを企業もしっかり認識し、そのための仕事環境を作っていくことが、両者がハッピーになる道だと思っています。 一週間、『在宅勤務でも、自己管理できますか?』というテーマで議論をしてきました。でも私は「在宅勤務」至上主義ではありません。会社が用意してくれた「オフィス」という「仕事をするための環境」を(通勤して)利用できるのであれば、それが一番です。しかし、労働力が減少していく今の社会においては、女性も、継続して働くことが求められます。男性も「親の介護」の必要性が高まってきています。自然災害やパンデミック等、出社しにくい状況になることは誰にでもあります。また「私は絶対に、怪我や病気をしません」と断言する人もいないでしょう。柔軟な働き方をする必要性が高まる中、社員の「自己管理」だけに頼っていてはいけません。会社も「オフィス」を用意したのと同様に、在宅勤務のための「働く環境」を用意する必要があるのです。 ぜひ、そのことを働く女性のみなさんにも認識していただき、社会や会社で声を出していってください。「自分でやらなきゃ」と思って頑張りすぎて、結局、自分がつぶれてしまっては大変です。ひとりひとりが、会社や、まわりの人を上手に巻き込んで、女性はもちろん、誰もが働きやすい社会を実現していきましょう。☆こちらもご覧ください〜田澤議長の過去の円卓会議より◆会社命令があれば、1カ月在宅勤務できますか?◆テレワーク(在宅勤務や在宅ワーク)、できたらいいですか?◆今の働き方、ずっと続けることができますか?
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