働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3363 開催期間 2015年10月02日- 10月09日
こんにちは。特定非営利活動法人ジェン(JEN)の木山啓子です。JENは1994年から難民・国内避難民、自然災害の被災者など、厳しい状況にある方々を支援させて頂いてきました。 海岸に横たわる幼い少年の遺体の写真で、にわかに日本でも脚光を浴びたシリアの難民の方々の状況。今週は国連総会で、安倍首相が「シリア難民支援に972億円を拠出する」という演説をしました。続く記者会見では「移民受け入れより前に女性、高齢者の活躍だ」と発言されています。 安倍首相の発言の是非ではなく、今週は、シリア難民の受け入れに関して一緒に考えて行きましょう。 シリアでの内戦は、始まった時から終結の糸口が見つけられないと言われてきました。自分が長年暮らしてきた町が戦場と化し、どうにも暮らせなくなって逃げてくる人々が4年経った今も後を絶ちません。 頼りないボートにありえない人数が決死の覚悟で乗り込んで、平和な暮らしを求めて地中海を渡ってくる道中、命を落とした方も数知れません。そんな折の、あの少年の遺体の写真をきっかけに、ヨーロッパの世論は受け入れへと大きく動きました。 ヨーロッパに比べればシリアから遠いカナダでも、既に予定していた1万人の受け入れを前倒しして1年以内に受け入れると表明。アメリカでは、2016年に受け入れる予定だった難民の数を1万5千人引き上げました(難民受け入れ総数であってシリア難民限定ではありません)。オーストラリアでは、既に受け入れる予定だった難民総数13,750人の中のシリア難民の割合を増やすだけでなく、12,000人の追加受け入れを。ニュージーランドでも数百人の受け入れを表明しています。 何も持たない人を16万人受け入れるとはとてつもない数です。イメージできない方は、東日本大震災の時の避難所を思い出して頂くとよいかもしれません。100人の避難所を数日間運営するために、水や食料を確保するのも大変でした。言葉も通じない人々が文化や習慣の理解も含めて、受け入れ国で仕事を持って暮らしていくことを目指すのですから、生易しいことではありません。 同時に、近隣諸国に避難した方の数は400万人を超えました。加えて今週は、フランス、ロシアが『シリアを助けるために』ISへの空爆を開始しました。ISを撃退することはできるかもしれませんが、IS支配地域に住む民間人も同時に激しい攻撃にさらされます。シリア国内で逃げ惑う方々を合わせると1000万人をはるかに超え、待ったなしの状況です。 既に避難先で難民キャンプに暮らす人々も、先行きの見えない暮らしにいら立ちや戸惑いを高めています。 日本が難民認定したシリア難民は、約60人の申請があった中、わずか3人というのが現状です。 シリア難民、日本も受け入れますか? あなたはどう思いますか? 投票・投稿、お待ちしています。 (参考) JENのヨルダンでのシリア難民支援も4年目を迎えました。ヨルダンに身を寄せる難民の方の状況をこちらに掲載しています。ぜひご覧ください。★木山議長の過去の円卓会議より・イラクの今、ご存知ですか?・国際支援、してますか?・復興支援。自分にできる事を続けていますか?
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