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会議番号:3407 開催期間 2016年09月09日- 09月16日
南シナ海で中国が岩礁を埋め立て、その上に地上設備をつくっています。当初、「軍事基地にはしない」と明言していました。民間航空機を飛ばして観光客のような装いの人々が来たりしていましたが、どう見ても軍事基地であることに間違いありません。まだやっていませんが、いわゆる防空識別圏を設定することも検討しています。 南シナ海について、中国は「九段線」というものを設け、その内側の管轄権を主張しています。その範囲は極端に広く、先日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決にもあったように歴史的な根拠のあるものとは認められせん。この水域に含まれる南沙諸島、西沙諸島、東沙諸島については、沿岸各国も領有権を主張しているため、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイなどと紛争があります。 なぜ中国は、かくも強引に実効支配を強化しようとしているのでしょうか。それは中国の経済的発展と関係があります。中国はもともと基本的には内陸国であり、食糧も含めて資源はほぼ自給自足の状態にありました。しかし、経済が発展するにつれ、自国の資源だけでは足りなくなってきました。 石炭は世界最大級の埋蔵量が確認されていますが、自動車を走らせるためには石油が必要です。石油も産出しますが、それだけでは足りず、中東やアフリカから輸入しています。また鉄鉱石などもオーストラリアから輸入しています。そして食糧も輸入するようになりました。牛肉の消費が増えると、その牛を育てるために多くの穀物が必要になったためと説明されています。 こうした資源は南シナ海を通って船で運ばれてきます。その意味で中国にとって南シナ海は「死活的利益」であるわけです。前世紀は中国の海軍は基本的に、沿岸を守る海軍でしたが、今世紀に入ってから中国は遠洋に出かけていく海軍を目指しています。現在、空母を建造しているのも、まさに遠洋に派遣するためのものです。南シナ海は日本にとっても「死活的」に重要な海域です。日本はさまざまな資源を輸入していますが、石油や天然ガスなどのエネルギー、鉄鉱石、石炭、それに食糧などはほとんどが南シナ海を通って運ばれてきます。ここが中国の管轄下に入るということに無関心ではいられません。 そのような背景があることを理解した上で、南シナ海だけでなく東シナ海(尖閣列島)の問題も含めて議論をしていきましょう。 中国の南シナ海進出、あなたは脅威だと思いますか? また1週間、よろしくお願いします。★藤田議長の過去の円卓会議より・アメリカ大統領選、興味ありますか?・海外メディアのニュース、ウォッチしていますか?・18歳選挙権。期待していることありますか?
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