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会議番号:3554 開催期間 2019年07月19日- 07月26日
先週末、参院選政局を調査に訪れた韓国政府シンクタンクの日本研究者らと4時間ほどラウンドテーブル形式で現在の日韓関係について議論する機会がありました。 その席で、現在韓国で展開されている日本製品不買・不売運動や日本旅行自粛などが、一過性のパフォーマンスで収束していたこれまでとは違うのではないか、と問題提起してみました。彼らは、今回は不買・不売の対象が拡大、長期化する可能性があるとの懸念を一様に示し、「これまでと異なる」3つの背景を挙げました。 第1に、これまでは歴史問題や領土問題など、身近な生活とは離れた対立が契機となっており、「歴史と現在・未来」を冷静に分けることができたものの、今回は日本が「現在・未来」の経済分野で「対抗」してきたので、生活に直接影響が及ぶとの不安感が生まれた、というものです。 第2に、歴史問題や領土問題では、日本の一部政治家による認識表明、いわば「日本の統治時代に近代化を図った」「良いこともした」などの発言が韓国の国民感情を刺激し、これが発端となることが多かったのですが、今回は一部政治家ではなく日本政府、安倍政権が一丸となって韓国に圧力をかけているとの危機意識が生まれた、というものです。 そして最後に、韓国では(北朝鮮もですが)今年が日本統治への抵抗運動、1919年の「3・1独立運動」から100周年の節目を迎えており、次の100年に向け先進国として新たなスタートを切るという自尊心が韓国社会で高まっている時期に、よりによって「かつて武力で侵略してきた日本が、今度は経済という刀を振りかざしている」との受け止めが出てきたというものです。 <Achiko>さんのように貴重な体験で得られた感情や、<りさき>さんが指摘したSNSを通じた若い世代の交流は、<真打ち>さんが言うように「一度築いた信頼が政治的要素によって崩壊」しない強さがありますし、個人や民間レベル交流は、現状のような厳しい局面で鍛えられることにもなるのでしょう。 私はソウルで2回、北京(胡錦濤体制)で2回、それぞれ反日運動を経験しましたが、統治体制が異なる中韓の反日運動はかなりの温度差があります。中国は指導部内部での「対日強硬派か柔軟派か」という権力闘争が背景の一つにあり、自発的なデモとは距離があります。当局がコントロールしているという意味では、一部暴徒化することもあるものの、拡大に歯止めをかけやすいのですが、韓国の場合は先が読めない難しさがあります。今回の場合が、まさにそうです。SNSで「煽り」の拡散が容易になったことも展望を読みにくくしています。 韓国メディアが伝える不買・不売関連のニュース映像で気になるのはほとんどのプラカードが「日本けしからん」ではなく「安倍政権けしからん」と記されていることです。韓国の反発が日本全体ではなく、韓国社会ではもともと「右翼的で強硬」とのイメージのある「安倍政権」に向いている点は、<blueberry53>さんが指摘する「当面は慎重な対応」をする際に考慮すべきかもしれません。この点を慎重に見極め対処することが、<honggiao>さんが提起したように、文在寅大統領に「冷静で合理的な判断への再考」に誘導し、沈静化の道筋を模索する糸口になれば、と思います。ただし、<DiamondBar>さんが指摘するように「被害者と加害者の関係」は歴史的事実として変えようがないことが、沈静化のハードルを高くしています。 日本は8月にも韓国を「ホワイト国」から除外したり、輸出手続き見直しの対象品目を増やすなどの追加措置を検討しています。こうした追加措置は必要だと思いますか?★磐村議長の過去の円卓会議・北朝鮮の弾道ミサイル発射、脅威を感じていますか?
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