働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3554 開催期間 2019年07月19日- 07月26日
ジュネーブで行われた世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、日本の半導体材料に関する対韓輸出手続き見直しが韓国により提議され、日韓の論戦が展開されましたが、「不当な報復措置だ」と撤回を求める韓国に対し、日本は「不当ではなく、そもそもWTOで取り上げる話ではない」と反論、平行線のまま終わりました。注目すべきは、冷ややかな受け止めが大半だったことです。少し前にソウルで朝鮮半島報道を巡る欧米や中ロの通信社会合に出席したのですが、日韓関係の悪化に対する関心は高くありませんでした。国際社会から見るとローカルな事案なのです。 「韓国は国際法を守らず、信頼できない」と息巻く日本、「日本の経済侵略だ」と身構える韓国の姿を突き放して見る視点も必要かもしれません。<Jerryb>さんが記した「しばらくは距離を置く」姿勢、一時的なモラトリアムも、関係悪化を食い止める点では考慮すべきかもしれません。 「ホワイト国」除外を追加措置とみなすかどうかは議論の分かれるところですが、日本政府は第2弾という意識で準備をしています。 <ひるね>さんが指摘するように「あくまでも韓国側の管理に問題があるからということであれば」、「ホワイト国」除外を判断することになります。日本政府は「韓国をホワイト国にした2004年以前の状態に戻すだけだ」と説明しています。半導体材料の輸出手続き見直しでも「通常の状態に戻すだけで禁輸ではない」としていました。 しかし、この「たいしたことではない」との説明には落とし穴もあります。「ホワイト国」指定や優遇的手続きにより該当品目の交易は活性化し、半導体生産では日韓の分業体制拡充に追い風となりました。「元に戻すだけ」との手続き見直しは、日韓双方の関連企業には「はしごを外される」状況になり、事業計画の見直しも迫られるでしょう。 昨年10月の元徴用工訴訟での韓国最高裁の判決以降、韓国が1965年の日韓請求権協定との解釈の相違について明確にしてこなかったことでこじれた今日の事態を解きほぐすには、<DiamondBar>さんが指摘するように「交渉の席についてもらうための手段」は確かに必要です。<黒船>さんは「追加措置をしなくても済む条件を韓国に明示」することを指摘しましたが、いがみ合いから脱却して外交対話をすべき時です。そこには<Achiko>さんが記したように「バランサー的役割の政治家」が必要ですが、残念ながら「バランサーのいない今の日本政府と、親日派のいなくなった韓国政府」の現状は寒々しいものがあります。 日韓がいがみ合っている間に、中ロは初の合同パトロールだと称して日本海上空で軍用機を飛ばし、ロシア軍機は韓国から「領空侵犯だ」と警告射撃を受けました。北朝鮮は5月に続き、新型とみられる短距離弾道ミサイルを日本海に発射しました。日韓が対立を続ければ、日米韓の連携も弱体化します。中ロは北東アジアで米国の存在感を最小化しようと動き、北朝鮮は非核化と体制保証獲得を巡る米国との駆け引きに集中しています。日韓関係の悪化が長期化すれば、流動化する北東アジアの安保環境の変化に対応できなくなる危険性があります。井戸の中で蛙2匹がいがみ合っている間に、大海の潮の流れは変わってしまうかもしれません。 1週間お付き合い頂いた皆さんのご見解は大変参考になりました。感謝申し上げます。★磐村議長の過去の円卓会議・北朝鮮の弾道ミサイル発射、脅威を感じていますか?
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.