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会議番号:3692 開催期間 2022年08月26日- 09月02日
福島原発の事故を経験した日本で、再生可能エネルギーの普及が進まないのはなぜなのか、蓬莱山さんは「不思議でなりません」と言います。政府のエネルギー基本計画は、再エネの電源構成比率は高まっているとしたうえで、2019年に18%だった再エネ比率を2030年には36~38%に引き上げるとしています。ドイツの再エネ比率は現在40%ですから、計画通りでもまだ追い付かないことになります。 日本の研究開発は、官民あげて原子力でしたが、気が付けば風力では欧米のメーカー、太陽光では中国のメーカーが市場を席巻し、日本メーカーの立ち遅れが目立ちます。蓬莱山さんは、再エネの開発で、産官学の連携を勧めています。岸田首相肝いりの「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」も、再エネを最優先の主力電源と位置付けました。 しかし、首相が次世代型の開発を掲げたことで、大手企業の関心は再び原子力に向かうかもしれません。Shoshoさんは、原子力開発のリスクをとらないと、すそ野が広いこの分野で、日本が欧米に後れを取ることを心配します。IZUMIさんは、次世代型には、核廃棄物が出ない核融合炉も含まれていると、未来技術への期待を述べています。たしかに原子力の技術開発は、まだまだ初期段階だと考えれば、研究まで放棄する必要はないかもしれません。現に核融合の実験炉であるITER計画には、日本も参加しています。 再エネについて寄せられた多くの意見が環境への問題を指摘しています。風力発電やメガソーラーが自然の景観を壊しているところが多いのも事実です。地熱発電には温泉源を枯らすのではといった不安もあるようです。地球交響曲さんは、観光や景観に影響が出ないような設置基準を設けることを提案しています。金もうけだけを考えて自然環境を無視するような太陽光発電は、真打ちさんが指摘するように論外ですが、unagiさんが言うように、農村でも都会でも小規模な発電を普及させれば、再エネの比率は高まると思います。 DiamondBarさんは、電力自給率の目標を都道府県レベルで設定することを提案しています。エネルギーの地産地消を進めるには、グッドアイデアだと思います。地方に原発を立地させ、その果実だけを吸っている大都市圏の人々に反省を促す材料にもなるでしょう。 ウクライナに侵攻したロシアは、欧州最大級のサポリージャ原発を占領し、核の脅威として原発を悪用しています。また、欧州向けの天然ガスの供給を制限したり、停止したりしながら、ウクライナに加担する欧州をけん制しています。日本もウクライナ戦争をきっかけに安全保障を重視するとしていますが、廃炉分も含め54ある原発を迎撃ミサイルだけで防げるのか、冬場を控えた欧州の天然ガス不安を日本は助けることができるのか、私たちも考える必要がある喫緊の課題を突き付けられています。 首相は、次世代型の開発や再稼働の加速を提起しましたが、一週間の議論を通じて、その是非だけではなく、身近なところから、節電、省エネ、再エネ利用などをはじめることも大事だと気づきました。たくさんの投票とともに、いろいろな意見をありがとうございました。
<高成田議長の過去の円卓会議より>
◆「核」の不安、高まりましたか?
◆ウクライナ情勢。日本への影響を心配しますか?
◆原発差し止め、支持しますか?(2016年3月)
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