イー・ウーマン（ewoman）

首相のリーダーシップを求める（やっちゃん２４・大阪府・54）

中国の台頭は経済力と国際ルールを無視した行動だと思います。習氏の独裁が加速する中、日本は首相の国内政策が稚拙や結果の出ないものばかりで、国際社会の中でも存在感は薄まる一方だと考えます。まず、日本国内において首相のリーダーシップが発揮されていることを示し、対外的にも毅然としたクレバーさを見せてほしいです。日本が再建され、存在感を示せば脅威は低くなると考えます。

経済安保対策が大切（blueberry53・大阪府・66）

独裁的な体制からの脅威に対しては毅然とした対応が必要です。軍事面では、自衛力の強化とアメリカ等との協力関係強化が必要と思いますが、問題は経済安保です。中国から経済的圧力として、企業活動制限、原材料・製品の輸出制限、我が国産品の輸入制限をされるなど揺さぶりをかけられた時に、経済界、国民に耐えうる力があるかというと難しい面があります。企業活動の国内回帰、経済関係国の分散化を図るとともにＧ７などとの連携強化を早急に進めることが大切になると思います。

台湾有事に備える（いぬいるか・東京都・62）

台湾への武力行使が行われた場合の世界への影響力を考えると、まずはそれを防ぐことが重要と考えます。しかし、日本に何ができるかを考えても、日米同盟を強化すること、他アジア諸国との連携を進めることぐらいしか具体策が浮かびません。いま南西諸島での自衛隊配備が進んでいるのも台湾有事への備えですが、いざ有事となったらどうなるのか、想像するだけで怖いです。私たちにできることはあるのか、もっと勉強しなくてはと思います。

友好関係確保と準備（シンゴパパ・静岡県・55）

権力集中が進んで、周りに側近しかいない状況になると、周囲の反対なく無理なことが可能になります。その結果、周囲の国との軋轢は増え、最悪武力行使へとつながる可能性があります。日本としては、アジアの隣国として、首相や外相などが定期的に会うことで、国同士の関係を友好的に保つとともに、最悪のシナリオも想定して、日米同盟強化と武力行使されないための準備も進める必要があると考えています。

要塞中国の危うさ（真打ち・栃木県・53）

「すべての安全保障化」の包括的国家安全保障に対し、私は抽象的で具体性に欠く印象を受けた。富裕層の国外流出が意味する国の将来性については、税収減を招き優秀な人材が中国を支えなくなる、国益の損失だ。しかし、富国より強兵に力点を置く政策展開を予想した記事を読み、合点がいった。習氏は、自国で活躍する人材を育て、国を発展させようとの意志が希薄なのだと。

習近平氏の続投が決まるなかで、「安全保障の脅威はどうなる、どうする？」という問いかけをしましたが、いろいろなご意見ありがとうございます。習氏の独裁色が強まることで、心配なのは、ロシアのプーチン政権と同じように、周りの意見を気にせず自分の主張を押し通すことです。その結果は、シンゴパパさんが指摘するように「周囲の国との軋轢は増え、最悪、武力行使へとつながる可能性」が出てくることです。中国の場合、まず懸念されるのは、台湾の武力統一です。毛沢東以来の最高の指導者となることをめざす習氏にとって、台湾の統一は悲願であり、そのための手立ては選ばない、という思いでしょう。
 
中国が台湾に軍事攻撃をすれば、米軍は台湾を防衛するとバイデン米大統領は明言しています。そうなると、中国が台湾を攻撃する場合、日本の米軍基地を攻撃する可能性は高く、その場合、日本も米軍支援で参戦することになるでしょう。いぬいるかさんは「想像するだけで怖い」として、「まずは、それを防ぐことが重要だ」と言います。
 
「戦争は政治の手段」と考えると、日本が台湾有事を防ぐには、「火遊びはよしなさい」と、中国や米国のトップを説得する国際的な政治力が必要です。やっちゃんさんは、国内政治でも稚拙さの目立つ岸田首相が「国際社会の中でも存在感が薄まる一方」ではないかと心配しています。安倍元首相は国際的な評価が高かったといわれますが、ウクライナ戦争ではプーチン氏に対する止め男にはなりませんでした。
 
国際的な政治力を発揮するには、軍事力がなければと、言い訳をする政治家が多いのですが、北欧諸国が和平の仲介者になることが多いのは、確固たる平和への理念を持っているからでしょう。ウクライナ戦争では、NATOの一員でもあるトルコの積極的な動きが目立ちます。
 
習氏は、軍事だけでなく、経済や食料など「すべての安全保障化」を提示しています。真打ちさんが指摘するように、「抽象的で具体性を欠く」という印象を受けます。まだ、中身がないわけで、そこに日本が関与する余地があるかもしれません。果てしない軍拡競争よりも、最悪を避けるためのパイプは、たとえ細くても役に立つことがあるかもしれません。中国の不自由さから海外に流出する人材がふえるのなら、日本もその受け皿となる方策が必要だと思います。
 
blueberry53さんは、経済の安全保障が大切だと言います。中国から経済的圧力をかけられたときに、「経済界や国民に耐えうる力」が求められるというのです。その通りだと思います。と同時に、中国に経済的圧力をかけられる経済の交渉力（バーゲニング・パワー）を持つことも大事でしょう。ということで、経済面で、今後の中国はどうなるのか、そして日本はどう対応するのがよいのか、考えてみたいと思います。みなさんの意見をお待ちします。


★高成田議長の円卓会議より
・「核」の不安、高まりましたか？
・ウクライナ情勢。日本への影響を心配しますか？
・石油価格、気にしていますか？

• 2022.11.02
• 高成田享 コラムニスト、元 朝日新聞論説委員